アメリカ映画を見ていると、
よく部屋に閉じ込められて恋人と会わせてもらえない、
悲恋の恋人同士という場面が頻繁に出て来ます。
日本で子供に対するお仕置きで、
もっとも厳しいのは家から閉め出すことです。
いわゆる「村八分」ですね。
僕が子供のころに親に叱られて一番恐かったのは、
押し入れに閉じ込められたときよりも、
家から閉め出されて鍵を掛けられたときでしたね。
でも、西洋人の子供にとって一番のお仕置きは、
部屋に閉じ込めることなんだそうです。
つまり、自由を奪われることに彼らは大きな苦痛を感じ、
親の束縛から自立して、
自由を勝ち取ることに達成感を感じる、らしいのです。
これなんか、僕たち日本人には、
ちょっとよくわからない感覚です。
ただ、この西洋人の感覚って、
映画作りにはとても適しているような気がします。
だって、そもそもドラマというものは、
劇的でなければ成立しません。
たとえば、恋人同士が何の障害もトラブルもなく、
2時間ただイチャイチャ、
ベタベタしているだけの映画なんて誰も見たくないでしょ?
主人公たちが障害に立ち向かって、
サバイバルしていくところにドラマチックがあるわけですから。
この辺にアメリカで映画産業が、
盛んになった理由があるような気がします。
▶︎近景