認知、判断、行動。
自動車教習所の授業で教わる言葉です。
でも、これ演技するときもまったく一緒なんです。
相手役が喋っていることを聞く。(認知)
そしてその内容を理解して。(判断)
自分の意見を述べる。(行動)
ところが、僕たち俳優はつい行動から始めてしまいます。
相手の台詞が終わるのを待って、
さあ、自分の番というわけです。
相手役が台詞を喋っているときはお休みです。
もしくは、自分が次、どんなふうに喋るかを考えてる時間です。
つまり、認知、判断がまったくないわけです。
子供が飛び出して来た!ブレーキを踏まなきゃと考える!
この二つがなくて、ただひたすら、
ブレーキを踏む!ブレーキを踏む!ブレーキを踏む!
を、繰り返しているわけです。これではひとり芝居です。
たとえ台詞であってもちゃんと相手の言葉を聞く。
すべては「聞く」から始まるんですね。
▶︎近景