感情 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


朝、起きて顔を洗います。

このとき心の中にはなんの感情もありません。

部屋に戻って来たときにうっかりテーブルの足に、

自分の足の小指をぶつけてしまいます。

このとき「痛いッ!」という感情が生まれます。

この感情はテーブルの足がくれたのです。

ソファに腰かけてテレビのニュースを見ます。

事故で家族を失った人のインタビューが放送されていました。

「可哀想だなぁ……」と辛い気持ちになります。

この感情はテレビのニュースがくれたのです。

テレビを消して、昨日の出来事を思い出して、

「にんまり」しました。
この感情は昨日の思い出がくれたのです。

二階から奥さんが降りてきて、

「今朝ゴミを出してくれなかったでしょ!」と怒ります。

その憎らしい言い方にイライラします。

この感情は奥さんがくれたのです。


感情が生まれる理由は自分の外側にあります。

自分の心の中を探ったって、そこには何もありません。

自分の目の前の相手役や物語の過去の出来事を、

具体的に見たり、具体的に思い出したりすること。

すると、感情は自然に自分の心の中に湧いてくるのです。



▶︎新丸子