朝、起きて顔を洗います。
このとき心の中にはなんの感情もありません。
部屋に戻って来たときにうっかりテーブルの足に、
自分の足の小指をぶつけてしまいます。
このとき「痛いッ!」という感情が生まれます。
この感情はテーブルの足がくれたのです。
ソファに腰かけてテレビのニュースを見ます。
事故で家族を失った人のインタビューが放送されていました。
「可哀想だなぁ……」と辛い気持ちになります。
この感情はテレビのニュースがくれたのです。
テレビを消して、昨日の出来事を思い出して、
「にんまり」しました。
この感情は昨日の思い出がくれたのです。
二階から奥さんが降りてきて、
「今朝ゴミを出してくれなかったでしょ!」と怒ります。
その憎らしい言い方にイライラします。
この感情は奥さんがくれたのです。
感情が生まれる理由は自分の外側にあります。
自分の心の中を探ったって、そこには何もありません。
自分の目の前の相手役や物語の過去の出来事を、
具体的に見たり、具体的に思い出したりすること。
すると、感情は自然に自分の心の中に湧いてくるのです。