日本のゴスペルブームの火付け役となった
映画「天使にラブソングを」で思い出しました。
毎年聴きに行く年末のゴスペルコンサート。
今年はニューヨーク・ゴスペル・ブラザーズを予約。





オペラやブロードウェイ・ミュージカルに多数出演、
トニー賞「ベスト・ミュージカル・アクター」にも
ノミネートされ、2016年3月公開のミュージカル映画
「Easter Misteries」でも大司祭カヤパ役を演じた
フィリップ・L.ボイキン率いる正統派ゴスペル・グループ。
ゴスペルを中心に、ジャズやブルース、R&Bなど
ブラック・ミュージック全般を、美しいハーモニーと
圧倒的歌唱力で歌い上げ、アメリカの伝統の
歴史を受け継ぐ正統派グループである。



低音になるとお腹にドスンと響く低音。
痺れる~たまりませぬ~ (´∀`)




<予定公演プログラム>

ゴールデン・ゲート・クワルテット:ボーンズ、ボーンズ、ボーンズ
黒人霊歌:揺れるよ幌馬車
メル・トーメ&ロバート・ウェルズ:クリスマス・ソング
カーク・フランクリン:ジョイ
アーヴィング・ゴードン:アンフォーゲッタブル
ジョージ・デヴィッド・ワイス&ジョージ・ダグラス:
この素晴らしき世界   他



公演日時 : 2016年12月16日(金)
会場 : 白寿ホール

①15:00開演(14:30開場) 
②19:30開演(19:00開場) 
※休憩なし約1時間
各回全席指定3,000円(税込)

そして明日は大好きなジャマイカレゲエ~(≧▽≦)

5月25日(水)帝国劇場13時開演の

「天使にラブ★ソングを~シスター・アクト~」を

観に行きました。




帝国劇場エントランス教会仕様。大聖堂




ロビーのパネル。巨大すぎて全体入らず…




キャストサインボード。一部誰のサインか分からず…



プログラムと




公式グッズ情報。靴下がカワイイ。




<タイムテーブル>



音楽:アラン・メンケン/歌詞:グレン・スレイター

脚本:チェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー

演出:山田和也



<出演>(太字がこの回のキャスト)


森公美子/蘭寿とむ

石井一孝 大澄賢也 

石川禅 春風ひとみ 浦嶋りんこ ラフルアー宮澤エマ

今井清隆 鳳蘭 園山晴子 河合篤子

坂元宏旬 さけもとあきら 俵 和也 藤田光之

井上陽子 岩﨑亜希子 大月さゆ 木村帆香 

酒井翔子 首藤萌美 鈴木裕香 須藤香菜 樋口 綾 

三木麻衣子 湊陽奈 柳本奈都子 吉田理恵






シスターというと、代々仏教徒なのに、母の理想を

勝手に押し付けられ、先生がシスターでしつけが厳しい

カトリック系幼稚園に入園させられ、人生で最もつまらない

2年間だった幼稚園時代を思い出すトラウマ扮装。

だからという訳ではないが、前回公演時は

なんだかんだで見逃してしまい今回初見のシスターアクト。

映画「天使にラブソングを」は大好きで何度も見たが、

ミュージカル版では、歌う歌も、ところどころの流れも違うんですね。

もっとゴスペルゴスペルしているのかと思ったら、

ロック調で衣装もド派手。舞台版もすごく良かった。





森さんデロリス、ソウルフルな歌声がすごい迫力だった。

今井さん神父様は、だんだんギンギンギラギラの衣装になって大笑い。

「ゴシックゥ~」体クネクネがクレヨンしんちゃんしていて面白かった。

修道院長の鳳蘭さんの神への信仰心と大きな愛に感動。

カーティス役の石川禅さん、オレ様感MAXですごみがあった。

前回見たのがヴァンパイアの優しい教授役だったからなおさら…

大好きなラフルアーエマちゃん、原作のイメージにピッタリ。

出来る事ならば「王家の紋章」のキャロル役で見たかった。

力強いしっかりした歌声が大好き。喉が強そうに見える。

石井さんのエディ、思いっきり昭和していてふきだしてしまった。

汗もふきだしエディだったようだけど。デロリスを幸せにしてくれそう。





ドロンジョとトンズラーとボヤッキーや「ハリーポッター」の

マルフォイのとりまき達といい、強くてカリスマ感のあるボスには

どうして間抜けな手下共、という構図になっているのでしょう。

パブロ、ジョーイ、TJのボケボケ3人組に大笑い(≧▽≦)

それにしてもKENTAROさんとさけもとあきらさんの

髪がある役は新鮮だったな。

デロリスが歌うシーンでダンスをするさけもとさん、

胸筋盛り上がる見事に鍛え上げられた肉体美を披露。

あまりにも美しい筋肉のつき方で、セクシービームが

出ていたのでオペラグラスで集中的に見てしまいました。






シスターたちが一斉に歌うシーンでは

ステンドグラスの色がカラフルに変わり、綺麗でした(´∀`)

指揮の塩田明弘さんが、パウロ6世の扮装で

役の一人として登場した時にはビックリしました。斬新!

カテコではヴァンパイアの時同様、上口君がダンス指導。

怪しげな方言まじりでの熱い指導で客席大ウケ。

入場時にいただいたサイリウムブレスレット大活躍。

最初から最後までパワフルで楽しい舞台だった。




5月21日(土)王子小劇場18時開演の

「演劇」を観に行きました。




<タイムテーブル>




作・演出谷賢一


<出演>


谷賢一、東谷英人、大原研二、塚越健一、中村梨那、

堀奈津美、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、

井上裕朗、小角まや(アマヤドリ)、渡邊りょう(悪い芝居)、

中田顕史郎、井上みなみ






先週に引き続き、DULL-COLORED POPの舞台。

活動休止公演との事で、しばらく観る事が出来なくなるようですし…

前回同様、開演前から舞台の中央に立ち、

入場してくるお客さんに、足元の注意を

うながしながらお出迎えしてくれる谷さん。

開演時間ピッタリのなると「時間ピッタリに始まる、

という業界初の試み。よってこの時間も

上演時間に含まれています。携帯電話の電源は

お切りください。僕も切りますよ」と言ってご自分の

携帯電話を見せて電源を切ってみせる。

「トイレに関しては休憩がなく、かつ狭い空間ですので

極力我慢していただきたいが、どうしても行きたくなった場合には

舞台の上を通って行っていただいてもかまいません。

役者達は気にしないで演技を続けますから大丈夫です。

今まではそのようなお客さんはいなかったのですが、

もうそろそろ出る頃ではないかと思うのですが…」

なんていう説明まであり、そんな事を聞いたら、逆に

急にトイレの事を意識し始めてしまい、プレッシャーに…A-_-;)

出演者に谷さんの名前が入っていましたが、

この説明の部分だけの出演だった。







先週観た短編集の一つ、「全肯定少女ゆめあ」に似ていて、

ランドセルをしょった小学生の男の子二人が出てきて

楽しそうに遊んでいる。子供から見ると、大人は

さぞかし嘘つきで汚く見えるんだろうな、と思うような舞台。

食事中に子供の目の前で夫婦喧嘩。

一緒に息子の卒業式のブレザーを買いに行く約束を

していたのに、仕事が休めなくなった父親。

「忙しいから」を繰り返す父親にヒステリックにどなる母親。

たまりかねてちゃぶ台をひっくり返す父。ちゃぶ台返し、久々に見た。

そんな中、何事もなかったかのように、もくもくと

食事を続けるおじいちゃん。夫婦がいなくなった後、

孫に語る「人生においての主役について」は深い話だった。








いじめに遭い、自殺未遂をした、しずか、という少女について

「いじめ」はなった、として隠ぺいしようとする学校側と

真実を明らかにしたいと主張する一人の教師。

しずかの父親と、加害者(と言われている)少女の父親を

交えての話し合いが予想のつかない展開になって行く。

他の生徒への影響から卒業式にしずかを出席させたくない

学校側に、出席させてほしいと頼むしずかの父親だったが、

父親の暴力が明らかとなり、形勢が逆転していく。

小学生が登場して、「僕はこんな大人にはならない」と

上下ジャージ姿の先生の前で言い放つが

「自分も小学生の頃はこんな大人になるつもりではなかったけれど、

大人になったら皆こうなってしまうのは仕方がない事、

と言い訳じみた自己弁護する姿が悲しそうだった。






いじめに遭って自殺未遂をした車いすの少女が

何かとても楽しいことでも語るかのように、ハイテンションで明るく

壮絶ないじめの様子を説明するところは、竹中直人さんの

”笑いながら怒る人ネタ”のような気味の悪さを感じ…

謎のホームレス役、中田顕史郎さんも何かの宗教の教祖様風だし、

加害者の父親役の渡邊りょうさんは紳士的に見えて

正常と狂気が入り混じったような言動で教師にセクハラもどきの

圧力をかけるし、で一度見るとクセになる内容、

不思議な役どころ満載の舞台だった。






5月18日(水)Zeppブルーシアター六本木

19時開演の「WASABEATS」を観に行きました。






<構成・演出> 植木豪(PaniCrew) ...

<出演者>


千葉涼平(w-inds.) 丞威 橋本汰斗 TAKASHI J/B 

大野愛地 皆川まゆむ 戸谷奈保子 戸沢直子 HILOMU 

TAKAHIRO AKI / 植木豪(PaniCrew) 




ロビー



 


この日の日替わりゲストは、ただいまミュージカル

「ブラック・メリーポピンズ」出演中の良知真次君。

頭を軸に回転する大技「ヘッドスピン」で、

ギネス・ワールドレコードにも認定されている、

ヘッドスピン世界記録保持者の大野愛地さんや、
世界のダンス大会で優勝を勝ち取っている丞威(ジョーイ)君等、

ダンス界の世界タイトル保持者がたくさん出演する舞台。

テレビでは見た事があるものの、生で見るヘッドスピンはすごかった。

床が氷でもないのに、どうしてあんなに高速に

連続回転できるのかミラクルなすご技だった。

丞威君は「石原プロ次世代スター発掘オーディション」で、

1万5218人の応募者の中から見事準グランプリを受賞。

CSBインターナショナルの公演で見て以来、ダイナミックな

ダンスに魅了され、陰ながら応援しておりましたので

一日1回出来るネット投票、毎日ポチリました。





国が決めたダンス取締法にのっとって、警察官達が

パトロール。だが、ダンスの魅力には勝てず、

ダンサーたちと共にダンスを楽しみ、最後には

警察官を辞職し、和解する、というような内容でした。

後輩警察官役に千葉涼平さん、先輩警察官役に丞威君。

二人のやりとりが面白かった (≧▽≦)

彼らの上司に良知君。スーツ姿で登場でしたので、

ダンスの披露はあるのだろうか、と思っていたら、

ラストで皆とおそろいのTシャツに着替えてバク転を披露。

舞台出演中の為ハラハラしましたが、華麗なバク転だった。





ダンス技の定番、片手で自分の全体重を支えて逆立ちをする技

(呼び名分からず)をたくさん見る事が出来ました。見事だった~

映像と動きと音楽がシンクロしてショーのような豪華さ。

早乙女太一さんの剣舞と映像のコラボ舞台のような感じ。

この公演、一人一人の得意技を入れたダンス披露が多く、

CSBインターナショナルのダンス公演に比べると

自由度が高いような感じに見えました。

そして丞威君、カンフーもやるせいか、静止した時の

ポーズやかまえがとても美しく、動きがとてもシャープで

やっぱりこの人のダンスは好きだなぁ、と思いました。







5月18日(水)シアターコクーン13時開演の

「8月の家族たち」を観に行きました。




劇場エントランス近くのエレベーター前の記帳台には

蜷川幸雄さんの写真が展示されていました。



<タイムテーブル>






作:トレイシー・レッツ 

翻訳:目黒条
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ


<出演>


麻実れい、秋山菜津子、常盤貴子、音月桂、橋本さとし、

犬山イヌコ、羽鳥名美子、中村靖日、藤田秀世、

小野花梨、村井國夫、木場勝己、生瀬勝久



<あらすじ>


詩人でアルコール中毒の父ベバリー(村井國夫)が突如、失踪。

その知らせを受け、8月酷暑のオクラホマ州の実家には、

両親思いの次女アイビー(常盤貴子)、5年振りの訪問となる

母方の叔母マティ・フェイ(犬山イヌコ)と夫のチャーリー(木場勝己)、

そして長女バーバラ(秋山菜津子)と夫ビル(生瀬勝久)、

その娘ジーン(小野花梨)が帰省してくる。
久しぶりに集まった家族が目の当たりにしたのは、

夫の失踪と薬物の過剰摂取で半錯乱状態となった

母バイオレット(麻実れい)の姿だった。

そしてある衝撃的な事件が起こる。やがて三女カレン(音月桂)が

婚約者スティーブ(橋本さとし)を連れてやってくる。

寝坊した叔母の息子・リトル・チャールズ(中村靖日)もようやく現れ、

一族全員がそろい楽しいディナーを迎えるはずが、

皆が抱える心の闇が見え隠れし始める・・・。






2007年にシカゴの劇場で産声をあげた本作は瞬く間に脚光を浴び、

同年にはブロードウェイに進出、戯曲はピューリッツァー賞を受賞、

作品はトニー賞最優秀作品賞他4部門を受賞。

映画版は、母役にメリル・ストリープ、長女役にジュリア・ロバーツ、

次女役にジュリアン・ニコルソン、三女役にジュリエット・ルイス、

そしてユアン・マクレガー、ベネディクト・カンバーバッチなど

錚々たるキャストが出演した名作。





オクラホマの二階建ての家のセットがよく出来ていて、

本物の家の手前の壁だけを取り払って、

中が見えるようになっているような造りでした。

今年はやけに薬物中毒の舞台を観る機会が多いのですが、

麻実れいさんのバイオレットも怖かった~

足元がふらつきながら階段を下り、這いながら上がる。

ろれつがまわらなくて目はうつろ。親族が談笑しているのに

ひどく攻撃的な言葉で悪言雑言を吐き、周囲を凍り付かせる。

バーバラ役の秋山菜津子さんとの母娘喧嘩は、

口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩になり周囲をあわてさせる。

すごい迫力だった。( ̄□ ̄;)






若い女性と浮気をした夫をヒステリックに問い詰めるバーバラ。

最初は笑ってかわしていた夫・ビルもついにブチ切れる。

あの追い詰め方では修復不可能になるのも無理はない。

夫婦喧嘩があまりにも激しく、リアルなので、マチソワで

あのテンションを保つなんて尋常じゃないと思われる。

犬山イヌコさんと木場勝己さんの夫婦役は、

長年つれそった夫婦感がにじみでていて、夫婦の歩んで来た

歴史が脳裏に浮かんでくるような演技だった。

どうしたらあんな空気が出せるのだろうか…

あらためて役者という職業に尊敬の念を抱かずにはいられない。






母親から精神的に虐待を受けていたバイオレットの

壮絶な生い立ちは聞いていて辛かった。クリスマスプレゼントの

ブーツのエピソードでは思わず顔をしかめてしまった。

とにかく明るい三女のカレン役を演じた音月桂さん、

恋する乙女のハッピーオーラまき散らしがキュート。

スティーブ役の橋本さとしさんは浮気性の色男の役。

ジゴロ役のさとしさんを見た事がなかったので新鮮でした。

明るい髪の色が似合っていて、ジーンをくどくシーンがセクシー。







全体的に、感情の上下が激しくて、ヒステリーな女性陣に、忍耐強く耐える

男性陣、そして最終的に爆発という感じだったような気が… A^_^;) 

母が薬物中毒という設定ではあるが、現実的に一般の家庭に

置き換えると、配偶者亡き後、残された認知症の親の面倒は

誰が見るか、と姉妹の押し付け合いともとれるようなシーンもあり、

思春期の娘と母の親子喧嘩、壮絶な夫婦間バトル、

どこにでもあるような家族の光景なのに、やけにドラマティックだった。

家族間では相手の事がよく分かっているだけに、

相手が一番傷つく言葉でやりこめようとして、口喧嘩もすごい事になる。

そんな中、チャーリーの食事前のとぎれとぎれの長いお祈りや、

住み込みの家政婦・ジョナが作ったなまず料理を気味悪がった

女性陣がお互い食事を勧め合うシーンが面白かった。

後半は怒涛の衝撃告白が続き、驚きの連続 (@_@)

当初3時間超えなので、耐えられるかな、と思ったが、

ストーリーも台詞も面白くてあっという間だった。

コメディとシリアスのバランスが絶妙で濃い舞台だった~(´∀`)



5月15日(日)王子小劇場19時開演の

「全肯定少女ゆめあ」と飲尿ミュージカル

「エリクシールの味わい」を観に行きました。

ネタバレ部分ありますので、お気を付け下さい。



<タイムテーブル>




作・演出 : 谷賢一(DULL-COLORED POP)

作曲・音楽監督・演奏・出演 : 伊藤靖浩

演奏・出演 : 佐藤仙人文弘


<出演>

原田優一、永楠えなあゆ美、川村紗也、一色洋平、東谷英人、大原研二

塚越健一、堀奈津美、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、

小角まや(アマヤドリ)、渡邊りょう(悪い芝居)、ほか







センターに盆状のステージがあり、客席はそれを囲むように

コの字型に配置されており、盆が回るので、

ステージからの距離も近く、どの位置からも見やすかった。

開演時間ピッタリに演出の谷さんから、「休憩はなく、

2演目の間にセット配置時間をはさむが、暗くなるので、

トイレに行くには足元が危ない」等の説明があり、

ストレートプレイの「全肯定少女ゆめあ」の方から始まりました。

赤いスカートにランドセル姿のゆめあをとりまく大人たちの

キャラクターがすごすぎた( ̄□ ̄;) 圧倒されながらも、

大人の汚い部分をドストレートに見せてくれてスカッとした

無垢なゆめあが、大人のむき出しの欲望に

飲み込まれそうになる話。現実的で良かったな。







2演目目の飲尿ミュージカルは、バンド演奏入り。

読んで字のごとく、いろいろな人の尿を飲ませてくれる、という

飲尿バーを訪れた客の話をミュージカル仕立てで

見せてくれる、非常にレアで、興味深い演目でした。

バーのマスター役に大原研二さん、飲尿愛好家の
製薬会社?に勤めるエリートサラリーマン役に原田優一君、という配役。
このサラリーマンがまたのけぞりそうなくらい
濃いキャラクターだった。

グラスにつがれた尿(お茶と思われる黄金色の液体)を飲みながら、

ワインのテイスティングをするかのごとく語られる詩的な表現に大笑い。







ミュージカルなので、もちろん歌があるのですが、歌詞が、

♪マイ、スウィート、おしっこ~、♪飲尿、それはよろこび~とか衝撃的。

なのにメロディとハモリは絶品でそのギャップに脳内プチパニック。

コメディの帝王(と自分の中で勝手に位置づけている)原田君、

素晴らしかった。飲尿愛好家なのに、人との接触を

過度に嫌うという、潔癖症な一面もあるサラリーマンを熱演。

かなりス○トロチックな変態役だったけれど、役の完成度が

高すぎて、実際にどこかにいそうな気さえしてくるから不思議…(≧▽≦) 

薬物中毒の女の子、エリクシールと夢の中で出逢うシーンは切ない。

同性愛やら監禁やらドラッグやら、過激なテーマが盛り込まれ、

台詞もエグいし、不思議な世界だったけれど、ありえない設定を

まじめにやるとこんなにも面白いのか、と思った。

一度見るとやみつきになる舞台だった。谷さんワールド最高≧(´▽`)≦


5月11日(水)俳優座劇場14時開演の

「乳房」~天上の花となった君へ~を観に行きました。







<タイムテーブル>




原作 : 伊集院 静

企画・台本・演出 : 合津直枝

出演 : 内野聖陽 / 波瑠



<あらすじ>


酒とギャンブルに明け暮れる不良中年の演出家の私は、

明るく純真無垢な新人女優・里子と出会い結婚する。

しかし、まもなく里子は不治の病床につく。私は

その現実から逃れるように夜の街をさまよう。

「飲みに行ってきて!」刻一刻と死が近づく時間の中で、

里子はいつにも増して明るく振る舞う。

やがて、ふたりの愛おしい日々が甦り…。

原作となった「乳房」は、演出家・憲一と、妻・里子の

闘病生活を描いた伊集院静さんの自伝的小説。

伊集院さんはこの小説で、吉川英治文学新人賞を受賞しています。






開演前のスタッフによる注意喚起が面白かった。

「携帯電話の電源はお切りください。しばらく電源を切っていなくて

切り方が分からないよ、というお客様は、スタッフがお手伝い

致しますので、お声がけ下さい」と言いながら、客席を

周るスタッフ。電源を切っていなかったお客さん達が

一斉に携帯を取り出し、スイッチを切っていました。

角が立たず、笑いをとりながら、スイッチのオフを

自然とうながすスタッフの対応に拍手を送りたいくらいだった。

だがしかし、この日はビニールカシャカシャ音、手をボキボキと

鳴らす音、いびき、大音量の咳払い音で気が散りました。

生理現象なんだから仕方がないでしょ、というレベルではなかった。

発作?このままだと吐くんじゃないか、と心配なレベルの人もいた。

咳払いに関しては、先日どこかの劇場で「咳払いによる苦情が

多くなっております。ハンカチで口元を押さえるなどのご配慮

お願い致します」という注意喚起をしていましたが…







ダンディな不良中年・憲一役を内野聖陽さんが演じ、妻・里子を

夏目雅子さんの再来と言われる波瑠さんが演じる、という最強コンビ。

朗読劇と言っても、お二人とも台詞を暗記していらっしゃっていて、

本は手に持っているものの、視線はほとんど本には移さず、

演技されていたので、ストレートプレイでした。

上手には壁と椅子とテーブル、下手には、後半病室のベッド代わりに

使われる椅子、というシンプルな舞台。音楽や効果音もあり、舞台奥に

月や花火が投射され、二人の世界をより濃厚に感じる事が出来ました。

里子の死後、病室の壁にかけられたひまわりの絵をはずしたら、

そこだけが日に焼けないで白くなっていた、というラストに

7ヶ月という壮絶な闘病生活がどれほど長く辛いものだったか、

という事を想像させる悲しすぎるエピソードだった。






ショートカットが良く似合う波瑠さんに、在りし日の

夏目雅子さんを思い出し涙… (T_T)

デビューのきっかけとなった化粧品のCMの撮影が、

砂漠で行われた事から♪月の砂漠の歌を歌うシーンが

出てくるのですが、発病後に病室で満月を見上げながら

弱々しい声で歌われたこの歌。聴いていて胸がしめつけられた。

「病気になったおかげで、今までで一番長く憲一と一緒にいられる。

憲一を独り占めできる」、と言って喜ぶ里子。憲一への

深い愛を感じ、そして弱った体でなお、夫の健康状態を

気遣うけなげな里子にさらに涙止まらず…





内野さん、豪快でぶっきらぼうなところが役にピッタリだった。

里子のまっすぐで激しい愛情に当初とまどう憲一。

自分と結婚したから、病気を発症してしまったのでは、と苦悩する日々。

涙をこらえ、平静を装いながら里子を看病し、トイレに行った時に

泣く姿にも涙腺崩壊。客席からも鼻をすする音が…

命の大切さ、とか骨髄ドナーの事とか、

いろいろと考えさせられた舞台だった。







<夏目雅子さんの病気について…>


1985年2月14日、舞台『愚かな女』の公演の最中

10円玉大の口内炎が出来、さらに激しい頭痛等極度の

体調不良を訴える。それでも泣きながら「這ってでも舞台に戻る!」と

頑なに出演続行を望む夏目さん本人を何とか説得して、共演の

西岡徳馬さんの勧めにより翌2月15日慶應義塾大学病院に緊急入院。

急性骨髄性白血病と診断を受けるが、夏目さん本人には

「極度の貧血」とだけ告げ、本当の病名を伏せていた。

すべての仕事をキャンセルして懸命に介護した

伊集院さんの祈りもむなしく、27歳という若さで亡くなった。



実家にいるとき、家族全員夏目さんのファンだっただけに、

亡くなったと聞いた時はショックで呆然としたのよね。

太陽のような明るさと、月のようなミステリアスさ、

両方を持っている妖艶で品のある素晴らしい女優さんだった…(ノω・、)





4月6日(金)大田区民アプリコ小ホール19時開演の

a la carte!! Vol. 8 「本物の声・本物の音楽を紡ぎだす至高の一夜」を

聴きに行きました。




<タイムテーブル>





<出演>


ソプラノ:テイツィアーナ・ドウカーティ

バリトン:大沼徹
ピアノ:吉田貴至 


<セットリスト>

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<アンコール>

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Vol.6のオペラ「電話」から聴きに行っているこのシリーズ、

今回はテイツィアーナ・ドゥカーティさんご出演でした。

テイツィアーナ・ドゥカーティさんは、パヴァロッティ、ドミンゴ、

レオ・ヌッチさん等とも共演経験があり、ベルカント唱法の

真髄を極めたイタリアトップクラスのオペラ歌手との事。

映画「ザ・テノール 真実の物語」では名メゾ・ソプラノ歌手・

フィオレンツァ・コッソット役で出演し、メゾ・ソプラノの歌唱をも

披露され、「奇跡の歌声」、「至高の芸術」と称されている方。

この映画は感動だった。残念ながらこの映画のCDには

ドゥカーティさんの歌声は入っていないんです(T_T)

劇中歌1曲で、観客を物語へ引き込む表現力は本当にすごい。

特に手の使い方が素晴らしいと思った。





一部はキラキラのスパンコールが入った紺のドレスで登場。

天空の調べのような美しい歌声だった ≧(´▽`)≦

久々のソプラノ。うっとりしながら体中の力が抜けていくような感覚。

大沼さんは初めて歌声を聴きましたが、数々のコンクールで

賞を受賞していてオペラ出演も豊富という二期会のオペラ歌手。

圧倒される歌迫力。そしてめちゃくちゃ良い声だった (´∀`) 

酒瓶を持って登場したり、フィーガロ~と歌いながら、回数を

数えたりと客席から笑いが起こっていました。





歌い手さんの歌い方に合わせて全楽曲を一人で弾きこなす吉田さん。

オペラ歌手一人一人の呼吸とタイミングに合わせるべく

歌い手の様子を見つつ、鍵盤も楽譜も見て自分で楽譜めくって…って

声楽専門のピアニストさんて本当にすごいわ。

なめらかすぎてハープの音色のように聴こえるところもあり、

素晴らしい演奏に聞き惚れました。

大好きなオペラからの歌もたくさん聴ことができて、アンコール曲も含めて

選曲も良かったな。プロデュースの吉田さんブラヴォー!

とても贅沢な空間と時間でした。





終演後のお見送りタイムでは、サイン会もありました。

タキシード男子は久々に見た気がする。最初は大沼さん。




吉田さんて芸能界、スポーツ界他人脈広すぎていつもビックリする。

吉田さんブースはいつも人だかりができて、お目にかかるのが大変。

ビックリ顔のサービスショットを撮らせていただきました ( ´艸`)

「今までと違って今回バリバリクラシックなんですよ…」と

おっしゃていましたが、王道クラシックの圧倒的なパワーはすごかった。

タイトル通り、まさに”本物の声、本物の音楽”に浸ることができた

至高の一夜でした。

吉田さんブログ → http://ameblo.jp/takayan-yoshiyan/


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ドゥカーティさん

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裾まで装飾がある美しいドレス。とてもお似合いでした。

蝶々夫人の♪ある晴れた日に、と、この衣装が

マッチして感動だった。




いただいたサイン


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5月5日(木)よみうり大手町ホール14時開演の

KOKAMI@network「イントレランスの祭」を観に行きました。





<タイムテーブル>




作・演出 : 鴻上尚史
出演 : 風間俊介、岡本玲、久ヶ沢徹、早織、福田転球、

藤田記子、三上陽永、田村健太郎、大高洋夫


<あらすじ>


あるとき、地球に580万人の宇宙人が難民として逃げてきて、

各国は国連できまった割り当てに従い、日本では25万人の

宇宙人を受け入れることになる。宇宙人が地球に溶け込み、

生活を始めてから数年がたったある日、売れないアーティストの

佐渡健吾(風間俊介)は恋人(岡本玲)から、自分は宇宙人だと

告白される。これは、宇宙人と地球人の愛と戦いの物語。





二階建て舞台で、これと言ってセットらしいセットがないにも

かかわらず、周りの光景が見えてくるような素晴らしい舞台だった。

宇宙人と地球人の戦い、という壮大な話のようでいて、

普遍的な、”差別”というテーマを重くならずに

笑いを盛り込みながら見せてくれる舞台。

番組プロデューサーが、自分の悲しい生い立ちを

ミュージカル仕立で語ってくれたり、宇宙人排他運動の

リーダーが心の声に連動して、オーバーアクション気味に反応したり、

恋人がある日突然ぽっちゃりしたおばさんに変わっていて

愛せなくなったり、と、笑いながらもハッとさせられるシーンも多かった。




風間俊介さん、恋人が宇宙人と知ってからのとまどいと、

気持ちの浮き沈みが分かりやすく、健吾の感情に共感しました。

テンポが良くて、キャスティングもピッタリ!

何気ない台詞の中に、差別を感じさせる言葉がちらほらと…

自分の言動を見つめなおす良い機会にもなった。

単一民族のはずの日本ですら、国籍、生まれた土地、年齢、性別、

職業、階級、見た目、等で差別があるのだから、多民族国家だったら

戦争も起こるよそりゃ、と思わずにはいられない話…

メディアが操作した、誤った情報から、自分と違う者達を

攻撃しようとする市民達に、ユダヤ人の大虐殺を

思い出し背筋がゾクっとするシーンもありましたが、

恋人を救うために健吾のとった行動に感動して、ラストは

ホロっときました。劇中の音楽も良くて余韻の残る舞台だった。

「ベター・ハーフ」も観れば良かったな。