抵当権その2~講義速攻復習(水野塾4回目・スーパー合格Bの2回目後半) | 水野健の宅建・合格魂!養成ブログ

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抵当権その1~講義速攻復習(水野塾3回目・スーパー合格Bの2回目前半) | 水野健の宅建・合格魂!養成ブログ (ameblo.jp)

 

 

抵当権が実行され競落した者が新しい所有者になります。

 

土地と建物が一緒に競売に出て両方落札できれば良いですが

もし、建物だけに抵当権がついていて建物だけを落札となった場合

逆に土地だけに抵当権が設定されていて建物には設定されていない場合

競売の結果、土地と建物の所有者が異なるようになるようなケースもあります。

 

そのような際にどうなるのかをいう話が法定地上権、一括競売となります。

 

  法定地上権

まず民法では、まだ使える建物を壊すのは社会経済上不利益だという視点があります。

なるべく建物は壊さないようにということです。

さらに,抵当権者も法定地上権発生するのを認識しているという考え方があります。

抵当権者にすごく不利益になる時は成立させないようにしています。

(地上権がついている土地は安くなります。更地と地上権がついている土地の価値はかなり違います)

 

例えば

Bが自己所有の土地の上に建物を所有しており、

この建物だけにAのために抵当権を設定した

というケースで考えます。(土地と建物が同一の所有者)

 

抵当権実行で競売となるのは、

抵当権がついている建物だけが競売で売りに出ます。

 

そして、その建物をCが競落すると、

CはBが所有する土地のうえに建物を所有している状態になり

人の土地に建物を所有することになります。

 

土地の上に建物を所有するためには、

所有権・地上権・賃借権・使用借権などといった、

土地を使える権利(利用権)が必要です。

 

ところが、Cは建物の権利だけを落札しており、土地については無権利で

建物を所有しているような状態になってしまいます。

 

そこで、民法は、Cが所有している建物のために、

「法定地上権」を成立させることで建物とCの使う権利を守るのです。

 

 

  法定地上権の成立要件

 

法定地上権は、抵当権実行によって

土地と建物の所有者が別々になったときに、

建物を取り壊さないで済むように建物の所有者が土地に自動的に地上権発生させるものですが、

成立するための要件があります。

 

講義でお話した通り2をしっかり意識して下さい。

 

1抵当権設定時に土地の上に建物が存在すること

2抵当権設定時に土地と建物の所有者が同一であること

3土地と建物の一方または双方に抵当権が存在すること

4競売の結果、土地と建物の所有者が別々になること

 

所有者が同一であるか否かは、

登記の名義ではなく事実状態で判断するという点は覚えておいてください。

 

試験では

土地と建物が同一人に帰属した後に土地に2番抵当権とあると

1番抵当権がまだある以上、土地の1番抵当権者に損をさせてはならないので法定地上権不成立です。

(この場合、競売前に1番抵当権が消滅している場合は成立します)

 

あとテキスト記載無いですが

土地と建物が同一人に帰属した後建物に2番抵当権とあれば

1番抵当権者からすれば法定地上権成立した方がよいので

2番抵当権で判断して法定地上権成立となります。

建物を壊さないでしかも抵当権者にも損をさせないからです。

 

 

ここは判例がたくさんありますが結論を全部暗記などせず

理解すると暗記の部分がかなり減るのが法定地上権です。

 

  一括競売

法定地上権が成立しない場合に

更地に抵当権設定した後に建物を築造したケースがあります。

その場合に一括競売というものがあります。

 

抵当権を実行して競売にかけることができるのは、

抵当権がついている土地だけのはずですが、土地だけ競売にかけて、

土地の上の建物に法定地上権の成立を認めると、

競売にかけても安い値段しかつけられないことになって、

抵当権者のに損をさせることになります。

 

(基本的に、宅地というのは更地が最も価値が高いから、

更地としての担保価値を抵当権者は高く評価していたはずだからです)

 

そこで、更地に抵当権を設定した後、抵当地に建物が築造されたときは、

土地と共に建物を競売にかけることができる

「一括競売」が可能となります。

 

抵当権がついている土地だけでなく、

うわものの建物についても競売にかけることができるのです。

 

建物の所有者からすれば抵当権設定していない建物を売られますが

結果的にはそちらの方が良いのは講義でお話した通りです。

 

抵当権者が優先的に弁済を受けることができるのは、

抵当権の権利がある土地の代金についてのみで、

建物の代金については、建物の所有者に支払われることになります。

 

  抵当権の順位譲渡・順位放棄(譲渡・放棄)

近年の過去問の出題回数は多いところですが正答率があがらないポイントです。

文章での解説を読んでも計算にアレルギーがあると逃げたくなる嫌な所だからです。

 

ただ令和5年・令和元年・平成27年・平成18年と

これだけ出題されているのですから完全捨てるのはもったいないですね。

 

講義通りに

下記に記載する最低限の知識を持って過去問トライしてみて下さい。

それで出来る範囲で解答できるくらいになるのは可能な方は多いはずです。

 

抵当権の順位の放棄・順位の譲渡

先順位の抵当権者が後順位の担保権者(抵当権者)に対してする処分です。
 

順位譲渡の場合は、優先順位あげちゃう。
順位放棄の場合は、あげた先順位の抵当権者ともらった後順位の担保権者(抵当権者)が同順位となり、

それぞれの債権額に応じて配当金を配分します。放棄はいっしょにつかうのですね。

譲渡はあげる・放棄は共有のイメージです。

 

もし1番抵当権者が3番抵当権者に放棄した場合

2番抵当権者は部外者なので影響がないという点を知っておいてください。

 

順位という文言がない抵当権の譲渡・放棄は

抵当権を無担保債権者に対してする抵当権の処分です。
 

抵当権者が抵当権者以外に対して、その抵当権を譲渡・放棄するということです。

 

 

  根抵当権とは

根抵当権は、一定の範囲内の不特定の債権を設定した金額の範囲内で担保するために、不動産に設定された抵当権のことです。

一定の範囲なのに不特定ってなによ?とわかりにくい言い回しですが

「全ての債権を担保(包括根抵当権)」というのま認められず、

手形債権・小切手債権・銀行取引・売買取引のように

一定範囲を決めておく必要があります。

 

A銀行とB社が貸し借りの取引をするにあたり

抵当権を登記したり消滅したりしていたのでは、

非常に手間がかかりますし、登記費用(登録免許税・司法書士の報酬)ももったいないです。

そこで、1億円という限度額(極度額)を設けて、根抵当権を設定して、

その限度額の範囲内であれば出し入れ自由というイメージです。

(実際は極度額いっぱいまで貸す銀行はないです。極度額8割程度くらいです)

 

 

なので一度借入をして全部完済して債務がなくなっても抵当権とは異なり

消滅させないで次の借り入れに備えるのです。

 

このことを、元本確定前の根抵当権には付従性・随伴性がないと言います。

根抵当権が出題されるときによく出る

債権譲渡があった時のケースです。

 

抵当権であれば債権譲渡があれば抵当権はくっついていく

債権を譲り受けた人が抵当権実行できるのに対して

 

元本確定前の根抵当権はくっついていかない

債権譲渡受けた人は根抵当権は使えない

 

というポイントは大切です。

 

ちなみに元本確定後はくっついていきます。

 

  極度額の変更

根抵当権の極度額を変更するためには、利害関係人の承諾を得なければなりません。

 

極度額の増額

抵当権も根抵当権も順位が上の者から優先して返済していきます。

 

もし極度額を1億円から1億5000万円に増額した場合、

後順位の抵当権者方の配当がなくなったり減ったりする可能性があるので

承諾が必要なのです。

 

極度額の減額

減額の場合は後順位抵当権者は損はしません。

この場合根抵当権を担保に借入しているもの

転抵当権者といいますの承諾が必要です。

担保である根抵当権の極度額が減る=担保価値が減るからです。

 

 

債権の範囲の変更

債権の範囲の変更は元本確定前はできますが

元本確定するとその名の通り元本確定しているので範囲の変更は不可です。

 

あと債権の範囲は変更になっても極度額が変わらなければ

利害関係人の承諾は不要です。

 

 

  根抵当権の元本確定

根抵当権は、極度額の範囲内であれば、自由にお金の貸し借りができるようになります。

しかし、根抵当権を消滅したいこともあります。(実務だと解除で根抵当権抹消が多いと思います)

そこであるのが元本確定です。

 

元本確定をすると、債務が確定し、新たな債権を担保しなくなり

根抵当権は普通の抵当権と同じ性質になるのです。

 

 

元本確定は期日を決めて(2年間と決めて根抵当権を設定)おいたり、

確定期日の定めがない場合、

債権者はいつでも確定請求できすぐに確定します。

設定者は、設定から3年経過後に確定請求すれば請求から2週間経過すると確定します

 

数字よりも債権者の方が少しだけ有利になってる点を確認してください。

 

あと競売したり、債務者や設定者が破産したら当然元本確定します。

 

根抵当権はあまり深入りはしないで

余裕があっても上記の範囲にとどめておきましょう。

 

でわわ('ω')ノ