抵当権その1~講義速攻復習(水野塾3回目・スーパー合格Bの2回目前半) | 水野健の宅建・合格魂!養成ブログ

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抵当権は初めて見るとイメージしにくくて難しく感じる方も多いです。

ただ、やはり仕事においても住宅ローン等にからむ抵当権は必須の知識です。

2020年の大改正の際は改正点がなかったのでしばらく出題されませんでしたが

それ以外は毎年出題されるところなので全部捨てることがないように頑張りましょう!

 

  抵当権の成立

お金を貸したときに返してもらえないのは困ります。

そこで貸したお金(債権)を担保する目的で、債務者等の土地や建物に抵当権という権利を設定(付ける)すると

万が一、債務者がお金を返さない場合には、

債権者は抵当権を実行(競売)して、競売代金から優先的に弁済を受けることができます。

抵当権をつけることによって、他の債権者よりも自分の債権について弁済を受けることが

できるようにできるようにする権利です。

 

まず民法の世界では抵当権は書面の作成も登記をしなくても成立します。

(現実世界で抵当権設定は担保差し入れ証や設定契約書作るし、登記は絶対します)

 

抵当権によって優先的に弁済を受けられるように

担保されている債権を被担保債権と呼びます。

 

そして、抵当権を使える人を抵当権者と言います。

抵当権の目的物を差し出しているひとを、抵当権設定者と呼びます。

 

債務者が自分の物件を担保提供するのが良くあるパターン

(住宅ローンを組むと買った人の不動産に抵当権付ける)ですが、

債務者以外のひとが抵当目的物を提供することもあります。

(子供が借金する際に親の不動産に抵当権を設定する等)

 

このように、債務者以外の第三者が所有している

土地や建物などに抵当権を設定する場合は、物上保証人と言います。

 

抵当権はかなり多くの権利に設定できますが

賃借権には設定できないのは覚えましょう。

 

 

  抵当権の性質(付従性・随伴性・物上代位性)

抵当権と被担保債権は運命共同体です。

 

たとえば、

被担保債権が公序良俗無効で成立していなかったら、

抵当権の約束をしたとしても抵当権も成立しません。

 

被担保債権が弁済や免除、時効によって消滅したら、

抵当権も同時に消えます。

 

随伴性というのは、被担保債権が移転したら、

抵当権も移転してついていくという性質です。

 

つまり、

被担保債権が債権譲渡によって債権者が変わったら、

それに伴って抵当権も一緒に移転し、

新しい債権者が抵当権を使えるようになるということです。

 

さらに抵当権は物上代位性も有しています。

 

たとえば、抵当目的物の建物に火災保険が付されている状態で、

当該建物が火災によって滅失した場合、抵当権者は建物が滅失したことによって発生した

火災保険金請求権について、抵当権設定者に代わって行使することができます。

 

ただし、物上代位をするためには、保険金請求権や損害賠償請求権など、

所有者が保険金を受領する前に差し押さえをしなければなりません。

 

火災保険金が実際に抵当権設定者に支払われたあとでは、

物上代位をすることはできなくなります。

 

あと賃料を物上代位するには債務不履行になってる必要があります。

 

 

  抵当不動産の第三取得者

抵当権設定者は、抵当権者の承諾がなくとも、

抵当不動産を自由に使用・収益(貸す)・処分(売る)

できるのが原則です。

 

民法の世界では契約自由ですので

抵当権がついてる不動産でも、抵当権者の承諾がなくても、

抵当権がついたまま第三者に売却することができます。

(実務では抵当権を抹消してから買主に移転するのが通常ですので

仕事と試験と感覚が違うところを潰していくのも大切です)

 

この場合、

抵当付きの不動産を買ってしまった第三者、

つまり抵当不動産の第三取得者は、もし被担保債権が弁済できないとなると、

せっかく買った不動産が競売になり人の物になり所有権を失う可能性があります。

 

そこで民法は、

抵当不動産の第三取得者の所有権の保護するために、

いくつかの制度を用意しているのです。

 

 

  抵当不動産の第三取得者の保護

下記のような制度があります

 

〇第三者弁済

抵当不動産の第三取得者は、

債務者に代わって、弁済により抵当権を消滅させることができます。

弁済で勉強した

抵当不動産の第三取得者は、正当な利益を有する第三者に該当するので

債務者がヤダと反対していても、弁済することが可能です。

もちろん保存費用の償還請求(求償)は可能です。(可能かどうかはともかく)

 

〇抵当権消滅請求

抵当不動産の第三取得者は、抵当権者に対して、

売買代価又は自己の指定した金額を支払って、

抵当権を消滅してもらうように請求することができます。

 

そして、抵当権消滅請求を受けた抵当権者は、

消滅請求を拒否するには、抵当権を実行しなければなりません。

 

抵当権消滅請求に応じるか、

競売するかになるということです。

 

講義でお話しますが競売は債権者にとって実は面倒です。

競売にかけてもすぐに換金できるわけでもなく、予納金といって

競売するにも債権者はお金がかかります。なので消滅請求は第三者にとって第三者弁済より有利です。

 

ですので債務者や連帯保証人のような全額払う義務ある人は抵当権消滅請求できません。

 

〇代価弁済

抵当権者から、売買代価をこちらに払えと請求を受けた場合

抵当不動産の第三取得者が、売買代価を抵当権者払えば、

抵当権が消えるのを代価弁済といいます。

 

抵当権消滅請求と異なるのは、抵当権者からのアクションだという点です。

 

〇自ら競落

競売になったものを、第三者が自ら競落して取り戻すというものです。

 

 

上記の保護は抵当不動産の第三取得者に出費が伴います。

その支出した保存費用等の費用については、

売主(抵当権設定者)に償還請求をすることが可能ということで第三者保護の制度となっているのです。

 

 

 

 

 

  抵当権と賃貸借

抵当権のついた建物を借りて住んでいる場合の話です。

銀行から融資を受けて買った建物には

完済するまでは抵当権が設定されています。

 

〇抵当権の登記がついている物件を借りた場合

抵当権の登記された建物を借りた賃借人は、

大家さんがお金を返さないでいて、抵当権が実行され落札者から明渡しを求められると、

原則として、賃借権を対抗することができません。

※例外は賃借権の登記+総抵当権者の同意+同意の登記があれば借主がそのまま借りていられます。

 

借主は出て行かなくてはなりませんが

直ちにというのは酷なので買受人の買受けの時から6カ月の明渡猶予期間があります。

 

建物の賃貸借の場合には6か月の猶予がありますが、

土地の賃貸借の場合にはこのルールは適用されないという点は気を付けて下さい。

 

〇抵当権がついていない物件を借りて引渡しのあとに抵当権の登記がされた場合

借りた際に抵当権がないのであれば借りた人が勝ちます。

借りた人が住んでる間に大家さんが借り入れのために抵当権設定して登記しても

借りている人の対抗力の方が優先するからです。

 

借主は落札者に出て行けと言われても出ていく必要はありません。

 

抵当権の登記VS引渡し

の戦いで決まるという判断基準を覚えて下さい。

 

今日はここまで。

 

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