山陰山陽の滝旅 #15


萩市とその周辺は滝だらけ。

自己都合で選りすぐった滝に。


その滝には駐車場がありません。地元の方を探しましたが出合えず、やむなく公民館のスペースに停めさせていただきました。滝は左の道の先なのですが極狭の道で歩くことに。

山口県と言えばオレンジ色のガードレール。県道を中心に特産の『夏みかん』色に塗られています。

急な坂をヘナヘナになりながら………。

滝への入り口。

滝はお寺の跡にあるのですね。

近くの三明戸湧水とともに名水百選に選定されています。

苔むした石段、石畳を登っていきます。

滝が見えてきました。

びっしりと苔の楽園。

阿字雄の滝

雨上がりは柱状節理さえも生き生きと。

更にもう一筋の滝も出現。

先ほどまでの雨で名水は濁っていました。

会いに来て良かったと思える滝でした。しばらく無心で滝を眺めてから戻りました。

鬱蒼とする滝前。

石段を降りて車道に。すると………

籠を背負った女性が坂を上がってきました。ご高齢とお見受けしましたが、足取りはしっかりしていました。お聞きすると滝入り口のお宅の奥さまでした。

おばあちゃん水、少なかったでしょう
お父さん普段はどれくらいなのかなぁ
お父さん雨上がりで岩と苔が綺麗でしたよ
おばあちゃんそれは良かった

笑顔がとても温かな奥さまでした。


もう一つ、萩市の滝を訪ねます。


海沿いから山間部に入ると、雨は霧となっていました。滝の標識に安堵するも、五里霧中で大丈夫かな?……と。

標識に導かれて滝の入り口に着きましたが、印刷してきた入り口の画像と違う。

幸い電波を拾えたので確認すると、滝には入り口が二つあって、どうやら上流側の入り口らしい。

霧、距離、急降下と登り具合がわからず、下流側の入り口を再設定して向かいました。

入り口までの林道は、倒木の枝、落石、濡れた落ち葉、そして坂道………かなり厳しい道でした。
どうにか下流側(南側)の入り口に。

下流は霧が無かったので一安心。

かなりワイルドな遊歩道を滝に向かいます。

あまり人は歩いていないような。

少し進むと右手から降りてくる道と合流します。上流側の入り口からは、滝の落ち口には行けるとの情報がありますが、ここと繋がっているのかはわかりません。

滝の下流を渡ります。

そして名物の急階段。

上り詰めると滝は近付きますが、滝前までは厳しそう。無理すれば行けそうでしたが、ここは冷静に判断して諦めました。

急階段を少し戻り、なんとなくの踏み跡をたどりました。

やっと滝全体を見渡せる狭いテラスに。この先で降りるのは不可能、気を抜くと滑落しそうなテラスです。

扇(子)落滝 
せんすおとしのたき/おうぎおとしのたき
霧に霞む落差50m。昔、訪れた藩主が美しさのあまり持っていた扇子を落とした………らしい。

そして、それも頷ける素晴らしい滝です。

下に降りられないもどかしさ。撮影は遠近だけになってしまいます。

ここでも十分に滝の良さが伝わってきますが、やはり滝前に立ちたかった。

最上段は木の葉に隠れてチラ見状態。

下は三筋、真ん中は直瀑、両サイドは段瀑。


ちょっと面白い水の流れ落ち。

裏側に空間がありそうな。

妄想の思いを巡らしながら滝を眺める。

少し霧も晴れただろうか。

おやつを食べながら滝時間。

単一の滝としては山口県を代表する滝と言って良いのでは。

滝前は残念でしたが『また来ればいいさ』と。

ここから遡上することはできたのだろうか。

相棒、待たせたね。


因みに下流側入り口がある林道は、こんなところが何ヵ所かありました。かろうじて通過できましたが………。


【まとめ】

◯2024.4.30 ひとりで。

◯雨上がりの曇り。

◯苔と柱状節理の阿字雄の滝。

◯壮大な扇子落滝。

◯いつかは滝前に。


◯訪れた滝

○阿字雄の滝:山口県萩市

○扇(子)落の滝:同上