ぼくの中では恒例行事になっているものの、先月は福岡に緊急事態宣言が出ていた都合で配信で見るしかなかった「今日くると?」。
今月は無事に九州地区の緊急事態宣言が明けたこともあり現場に行くことができました。
この日のゲストは佐賀より元LuCifeRのREN様。
いまはソロアイドルのRENさんなのかな。
オープニングはそのRENさんにクルトの二人を加えた三人でのアニソンのカバー曲からのスタート。
三人ともセーラー服でしたが、RENさんは大人っぽい茶色いセーラー、花畑りんねさんはトラディショナルな紺色のセーラー、宇城ありささんは白い夏服のオーソドックスなセーラーと、オールスターゲームのようにバラバラなユニフォームなところに特別感を演出されていて、その衣装だけで豪華さを感じさせていました。
クルトの二人にRENさんというのは実際すごくレアな組み合わせですし、選曲も曲調はRENさんにぴったりな感じでしたが、ジャンル的にはたぶん宇城さんの得意分野なんだろうという感じもして、楽しかったです。
続いて、LuCifeR時代の雰囲気をほうふつとさせる衣装に着替えてRENさんのソロステージ。
この日、ぼくは会場に着いた時から少し驚いていました。フロアのお客さんの半分ぐらいは、佐賀からやってきたRENさんのファンの方でした。まさかこんなに佐賀からRENさんがファンを連れてくるとは思っていませんでした。
二年前の宇城ありさ生誕祭にLuCifeRが出演したときにも、たしかに佐賀からもファンの方が見えていたけれど、一度解散してメンバーはひとりになっているのに、そのときと変わらず、というかそのときよりもファンの方の勢いを感じました。
その佐賀から連れてきたファンの前で踊るRENさん。LuCifeRの頃から変わらない、いかにもLuCifeRらしい下半身のぶれない力強いダンスは健在でした。
そして驚いたのが歌。
更にはMC。
ごめんなさい。本当に驚きました。
これはぼくに偏見があったのかもしれませんし、佐賀でのリラックスした空気と違い、熊本でのよそ行きという気持ちがあったのかもしれませんが、率直に言うと、こんなにうまかったっけ? と目を丸くしてしまいました。
ぼく自身、RENさんを最後に見たのは去年の夏頃に配信されたYoutubeのライブで、その前はとなるともうそれこそ宇城さんの生誕か、もしくはそのあとにもくむつライブでちらっと見たかなぐらいだったので、期間が開いているあいだにパフォーマンスに磨きをかけれられていたのかもしれません。しかし、以前とはずいぶんと違う印象でした。しかも後半の曲は全くの新曲のお披露目だったんです。それなのに、とても初披露とはを感じさせない完成度でした。
その実力に、そりゃこれだけファンを連れてくるわなと、佐賀から来られたファンの方で埋まったフロアを見渡してぼくは感じていました。
続いては最終形態クルトの登場。
この日はクルト結成二周年の記念すべきライブ。
二周年のお祝いのように新しい衣装に身を包んで、グミチョコパインからライブはスタートしました。
なお、この一曲目にりんねさんが、衣装の靴を間違えるというトラブルが、新衣装だから言わなきゃ誰もわからないのに言って笑いを誘うという、いつものハプニングのグダグダありでスタート。
しかし、この日のりんねさんはキレキレでした。
珍しくソロ曲を歌ったと思うと、踊ってみたのパートでは髪飾りを吹き飛ばすほどのハードなダンス、そのあとのカバーではりんねさんだけが歌うという珍しいこともありました。
ぼくはそれを、グループとしてのレベルを上げるために、りんねさんに重要な役を任せているのだと感じていました。
コロナ自粛期間中、ぼくは動画の配信で「Navi」を、1月に宇城さんのソロのステージで見て、先月は最終形態クルトの両方のステージで見ていました。
個人的な感想としては、全体のステージとしての完成度は1月の宇城さんのステージのほうが高かったけど、「Navi」に関しては最終形態クルトのふたりのほうが断然いいなと思っていました。
それは明らかに花畑りんねさんのタレントが宇城さんを活性化させて、最終形態クルトというグループを作り上げているからだと感じていました。
この二人のコンビは本当に見ているだけで楽しい。
このままりんねさんがレベルアップしてくれればもっとすごいことになる。
ぼくはそんなことを考えてワクワクしながら、躍動するりんねさんを見ていました。
しかしこの直後、大波乱がやってきます。
宇城さんが「クルトから重大なお知らせがあります」と切り出しました。
フロアから定番の冗談で「やめないで」という声も起こったような気がしました。
でも冗談じゃありませんでした。
りんねさんは静かに「今日を持って花畑りんねはクルトを卒業させていただきます」と言われました。
あまりにも重大な発言が唐突に行われたことで、ぼくはぽかーんとしていました。
横で見ていた方に「これ、本当なんですか?」と言われて、「本当にやめるんでしょうね」とぼくは自分に言い聞かせるように言いました。
最後の二曲は最終形態クルトの「Navi」と「Colorfull」。
りんねさんが涙ぐみながら、宇城さんも気持ちを必死にこらえて歌われています。
申し訳ないですが、最高でした。
気持ち的にヘビーな場面だったからこそ、二人の歌う、宇城さんの作詞した歌詞が際立っていたのです。
いつもは楽しげに聴いていた曲なのに、すごく泣ける、深い曲だと改めて感じてしまいました。
1ミリずれたら
出会えない日
悩んで歩いて
ここまで来たよ
(Navi)
去っていった心の態度
良いとこだけ思い出そう
本音? 演技?
迷子でいても
心地よいとこに居よう
自分色の今にしよう
(Colorfull)
この日のような場面を想定して宇城さんは書いたわけではないのでしょうが、あまりにもこの場面にマッチしすぎていていました。そして、つらい気持ちを元気づける歌だったんだなと、強く感じました。
しかし、ライブの雰囲気は途中のMCなどもあって、そこまでしんみりしたものではありませんでした。
MCの合間にPAからBGMが流れたりして笑いを誘う場面もありました。
最後の「Colorfull」のあと、りんねさんは笑顔を浮かべていました。
ぼくはりんねさんのその笑顔を見て、唐突だったけど、こういうメンバーの卒業の仕方もクルトらしいなとは思いました。
歌って踊って遊び倒している二人組。
そんな予測不可能な二人だからこそ、なにが起こるかわからいのはある意味彼女たちらしいのかなと。
できることなら事前に告知をしていただき、みんなで見送る卒業ライブを開催してほしかったというのも本音ですが、これはこれで、花畑りんねに最後の最後でしてやられたと、ぼくの中では強烈なインパクトとして残ることになりました。
なお、花畑りんねさんが卒業しても幸い、最終形態クルトの活動は、当面は宇城さんひとりだけでも続くみたいです。
これについては、ぼくとしても恒例行事になっているので定期ライブも続けてほしいのですが、この定期ライブにしても、宇城さんの中では迷いがあったみたいで、来月に関してはやらないことも視野にあったらしいです。
ただ、この日のりんねさんの卒業直後、今後のクルトはどうなるのかとハラハラしているファンの「来月はどうなるの?」の声を宇城さんが受け止める形で、来月は4月4日に定期ライブが開催されることが、このライブのステージ中に決まりました。
これについては、クルトの定期ライブが恒例行事になっているぼくも安心しました。
最弱リーダーと言いながらも、宇城さんのツッコミにも対等に渡り合い、ステージ上でも宇城さんと一緒に輝いていた花畑りんねさん。
宇城さんと二人で仲良く踊る姿はほっこりさせられ、すごくいいコンビでした。
だからこそ、花畑りんねさんを失うのは最終形態クルトにとっては大きな損失だと思います。
だけど、人が作ったテストでは100点は取れなくても、0から1を作り上げる能力を持ち合わせている宇城さんは、これまでも幾多の困難にも負けずに乗り越えてきたように、もっと素敵な最終形態クルトを作り上げてくれるとぼくは信じています。
新たな局面を迎えたからこそ、来月の定期ライブが楽しみです。