くまフェスx@JAM予選会 宇城ありささんが最強だった理由はこれだ | 君が好き

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アイドルの話でもしようず。

くまフェスx@JAM予選会、ぼくが応援していた宇城ありささんの結果は予選敗退だった。

もっともこういうコンペティションは、絶対的な評価から結果が出るのではなく、相手あっての相対的な評価で結果が決まるため、見事勝ち抜いた空想モーメントL+のパフォーマンスが素晴らしかったのだから、どうしようもなかった。

またイベント自体も、課金に対してアイドル側が特典を付けるようなことが禁止されていたようで、フェアだったと思う。結果発表も、審査員などいなくて、すべての票数が公表されたというのもフェアだなと感じた。

そのため、どんなにうまくやってもあの日の空想モーメントL+に勝つことはできなかったかもしれない。

だけど、やっぱりあの日の宇城ありさは最強だったともう一度ぼくは言いたい。まあ、ぼくの価値観ではと一応言っておきますが。

 

あの日のステージ、ぼくの中で唯一消化不良感があったとしたらセットリストに「カナタ」が入っていなかったことだ。もっといえば、お恥ずかしいことに内心では特別なステージだから、本当に特別な時にしか披露されないおとまむ系ロディの「Over the display」をやってくれないかなと思っていた。

もっとも上記の曲はやってくれなかった。

ただ、だからこそ終わってみれば最強だったとぼくは感じた。

宇城さんのソロのステージをここ二年ほど見ていなかったため、二年前の印象になるが、宇城さんのソロステージといえばおとまむ系ロディの「チャリできた」「カナタ」にアニソンカバーを織り交ぜている印象が強かった。今回はイベントの趣旨上、すべてオリジナル曲で臨むのは予想できたが、そこにはきっと「カナタ」も入っていると思っていた。

そこでの一曲目が「コンテニュー」。

新曲である。直前まで歌詞を練られていたとか。

衣装もそれまでのピンクを基調としたものではなく、白いだぼだぼのパーカーをラフに着こなしたスタイル。

ピンクの衣装にツインテールという宇城ありささんの代名詞ともいえるビジュアルではなかったことに大きくぼくは驚いた。

だけど、そこにショックはなかった。

むしろ前回のブログでも書いたように、知り合いのヲタクもそのビジュアルを「かわいい」と絶賛していたが、新たな魅力であふれていた。

狩猟、管理栄養士など宇城ありささんはもともと情報量の多いアイドルである。毎日動画配信、毎月東京と熊本でイベント主催を行い、熊本でのユニット・最終形態クルト、東京ではsecret accountのメンバーでもある。つまりそれだけ引き出しの多いアイドルで、ここでも新しい引き出しを開けてくれたのだ。それはいままで宇城ありささんを見てきた人でも改めて「かわいい」と再確認するほどのものだった。新しい魅力をここで出してこれたのは本当にすごいと感じた。

新曲も、これまでのアニメっぽさやアイドルっぽさを演じているのとは全く違うストレートな歌唱。ストレートに歌ったからこそ、本来は演じることで影を潜めていた歌唱力が表面に出ていたと思う。ここでも再確認で、「宇城ちゃん、歌は普通にうまかったんだ」といまさらLINEを送ってきた知り合いもいたが、まさに脱帽の歌唱力だった。

アイドルの殻を被ることで中々目立つことのなかった実力が、新しい曲で、普段は表に出てこなかったところが姿を現し、ぼくらを驚かせてくれたのだ。

アーモンドチョコレートが好きだけど、たまにアーモンドをナッツだけで食べたら、そのアーモンドのおいしさにめちゃくちゃ驚いたという感じだろうか。わかりにくいたとえだったらごめんなさい。

二曲目は最終形態クルトの「グミチョコパイン」、三曲目はおとまむ系ロディの「チャリできた」、四曲目は最終形態クルトの「navi」。三曲とも1月頭に開催された熊本での最終形態クルトの定期ライブでもやっていた、おなじみの曲。さすがの安定感だった。

この日の宇城ありささんのステージのテーマに、いま応援してくれている人だけではなく、こういうイベントだからこそ見に来てくれている以前に応援してくれた人、ステージを見てくれた人、つまり宇城さんの言葉を借りれば「力を貸してくれた人」に感謝を伝えるということがあったらしく、ところどころそんなメッセージがちりばめられていたのが素敵だった。

ツイッターで宇城さんのステージの感想で「いい人そう」と書いている人がいたけれど、そんな彼女の人となりが見える一幕だった。ダンスを見るのでも、歌を聴くのでもなく、宇城ありさを見る。その価値がかなり伝わったと思う。

ラストはソロ曲の「ハチドリ」。

ラストに持ってきただけあって、この曲はそんな引き出しの多い宇城ありささんの一面を感じられた曲だったと思う。ご存知のようにハチドリとは世界最小の鳥ではあるが、142cmの小さなアイドルが鳥のように高いところを目指す姿を、しっかりしたもともとの実力であるアーモンドを甘いチョコでくるんだアイドルらしい歌い方で歌いあげていた。

このラストまでしつこくもなんとなく最後に「カナタ」をやらないかなと思っていたぼくは、でも「ハチドリ」でよかったんだと思った。

「チャリできた」で盛り上がった、この日宇城ありささんが感謝を伝えたいと思っていた、かつてのおとまむ系ロディを知っている人にすれば「カナタ」のほうが受けただろうと思う。もっと言えば「Over the display」が飛び出せば更なるインパクトがあったかもしれない。

だけど、ピンクの衣装にツインテールではない宇城ありささんは「ハチドリ」を選んだ。

だからこそ、ここに宇城ありささんが最強だったという感想にぼくは落ち着いた。

 

なぜか。

これはぼくの価値観なのだが、アイドルは新しいことに挑戦し続けてほしいと思っている。

評価というと上から目線でえらそうでもうしわけないが、まあ、大学の優良可の成績にたとえると、

 

優 新しいやり方に挑戦して成功した

良 新しいやり方に挑戦して失敗した

可 いままでのやり方で成功した

不可 今までのやり方で失敗した

 

ということだ。

それで普通の生活では、どうしてもこの「良」と「可」の基準が逆になるが、ぼくはクリエイティブな仕事は絶対に失敗しても新しいやり方にチャレンジすることが大事だと思う。

そしてこの日の宇城ありささんは、これまでの集大成が求められるコンペティションで新しいチャレンジをした。実際、いままで宇城ありささんを見てきた誰もが目新しさを感じたほど新しかった。

このスタイルが最強なのである。

ぼくとしては、結果は相対的なものなのでステージが素晴らしかったので十分に「成功」と思う。つまり通知表を上から目線で偉そうにつけるならば「優」である。だから最強なのだ。

もっとも、残念ながら目標だったくまフェスx@JAMの出場権は得られなかったから「失敗」という人もいるかもしれない。でも、それでも「良」なのである。

しかも挑戦はこれで終わりじゃないだろう。むしろは、今後もステージや彼女自身の売りでもある企画力も併せて、たくさんのチャレンジをしてくれることと思う。そのたびにぼくはやっぱり宇城ありさ最強と言ってしまいそうで、それが楽しみだ。