君が好き -13ページ目

君が好き

アイドルの話でもしようず。

アイドルに正解はない。
当たり前の話だ。
ステージで演じるアイドルは自由に自分らしさを発散すればいい。
そしてファンも、そのたくさんいるアイドルの中から自分にあったアイドルを応援すればいい。もちろん応援しないのも自由である。
それぞれのヲタクには無数の、それこそヲタクの数だけ琴線があり、その琴線に響いたヲタクがティフォシのようにアイドルに熱狂するだけである。
もちろんアイドルをビジネスと考えた場合はその琴線が最大公倍数に響くように、各運営は頭をひねっているのだろうが。

さて、日曜日は去年はコロナ禍で開催されなかった一年ぶりの藤崎みくりさんの生誕祭「#みくり22」とその前に開催されたアイドルイベント「#むさむさ」に行ってきた。
中学一年生でデビューした藤崎みくりさんも、もうキャッチフレーズは中学十年生。デビュー十年目の大きな節目の生誕祭。期待はいやがうえにも高まる。
またみくりさんの社会人生活が始まり、コロナ禍もあって、みくりさんのライブが見られる機会が昨年から激減していたのだが、たまたま先月の新熊本アイドル劇場のイベントでライブを見ることができたので、二か月連続で藤崎みくりさんを見られるということでぼくの予習も十分だった。

そんな期待で膨れ上がったなかでスタートした#むさむさ。
トップバッターで登場したのはpopo.さん。かつて丸山静さんと呼ばれ福岡のアイドルシーンでは活躍されていた方なのだが、そのパワフルなステージにぼくはいきなり度肝を抜かれた。
テーラードジャケットにロングスカート、ピンク色の髪とアイドルらしからぬビジュアルで、まあそもそもアイドルというジャンルではないのだろうが、アイドル離れした卓越されたパフォーマンスが鍛え抜かれた身体から惜しげもなく披露されていた。ダンスも歌も目を見張る素晴らしさで、みくりさんを見に来たはずのぼくが「popo.を見れただけでチケット代の元が取れたじゃん」と言ってしまったほどだった。
これはみくりさんの人柄ももちろんだが、主催者のみなみぶちょーの力もあったのだろう。最初の出演者ですでに「来てよかった」と思わせるイベントの質の良さがすごいの一言だった。

次に登場したのが、そのみなみぶちょーがいま目をかけているシンガー、hinaさん。
わかる。
弾き語りなどもされているようで、アイドルというよりシンガーの枠で、歌唱力はアイドルと比べるとものすごく安定しているのだけど、声が甘くて魅力的で、アイドルヲタクの琴線にも響く声なのだ。だからぶちょーも目をかけているのだろうと感じてしまった。

藤崎みくりさんと演劇で共演した縁でソロ出演してくれたのがMeeLのリーダー、岩戸遥さん。
普段はグループでステージに立たれていて、初のソロ出演というレアなことだったのらしいが、全然そんなことを感じさせない堂々としたステージ。MeeLってアイドルというよりもモデルよりのガールズグループみたいなイメージだったけど、キラキラ感はまさにアイドル。輝いてた。

そして二部の生誕祭も通しでゲスト出演、なんなら前日の撮影会からずっとみくりさんのイベントに出ずっぱりだったのは、ひぜんりささん。
一年ぶりぐらいに見た気がしたけど、「ももものがたり」「はっぴーはっぴーはっぴー」の安定の楽しさで満足。
ピンクと明るい青の衣装が、佐賀県民のぼくとしては、佐賀のアイドルらしい色使いだなとも感じた。

二部はそのひぜんりささんに吉川里緒さんが加わり、新ユニット「りりりossa」というのもあった。このひぜんりささんと吉川里緒さんと藤崎みくりさんは公私ともに仲が良いらしく、その三人の仲の良さが伝わるコラボステージの連続は、もう「りりりossa」としてユニット組んじゃえと思うほどよかった。
「りりりossa」としては自己紹介からボロボロだったので、もっとイベントに出て場数をこなすべきだと、ぼくは現場では老害評論家ヲタクらしく言っていた。なにより、またこの三人のコラボは見たい。

吉川里緒さんは、なんだかんだでこの日出演している出演者の中ではここ数年で一番回数を見ている人だけど、ソロでの出演をぼくが見るのは、それこそおととしのみくりさんの生誕祭以来の二回目。
主催のイベントやグループアイドルだった頃は、もともとまわりがよく見えるタイプだったからか、立場的に若い時からステージのイニシアチブを取らなければいけなく、それはそれでいつもスキル高いなと感心することしきりだったのだけど、こうやって主催でもグループでもなく、ソロで出演している姿が新鮮でよかった。
グループのため、主催イベントだからという責任感から解放された、吉川里緒さんはいつもよりのびのびしてて、こういうりおちもいいなと感じた。

更にはしおたんさんが加わって「りりりossa」は「りりりossaたん」にパワーアップ。
ヲタクの気持ちをえぐるセットリストに、みくりさんをお祝いする歌詞で生誕祭に華を添えていた。
百戦錬磨の完成度の歌声は、なにをやってもしおたんらしいステージになる。その歌声でみくりさんをお祝いする姿が素敵でした。

さて、そんな素晴らしいゲストに囲まれた#むさむさと#みくり22。
藤崎みくりさんは生誕祭ではコラボでの出演が多く出ずっぱりだが、ソロでも#むさむさと#みくり22でたっぷりやってくれた。
ぼくはそれらのゲストで盛り上がったあとに、みくりさんのステージを見ながら「アイドルに正解はない。でもみくりはぼくにとって正解だ」と考えていた。
藤崎みくりさんのステージの特徴は、誰でも知っているカバー曲が立て続けに演奏され、フロアが熱狂にあふれることだ。
以前別のアイドルグループが歌っていた西森桃弥先生の楽曲を、そのグループが解散した後に持ち歌のように歌っていた時期もあったが、基本的にオリジナル曲というのを持ち合わせてはいない。
普通ならばアイドルがアイドルとしてその価値を高めるには、オリジナル曲を持つことが最初のステップなのだが、あえてそれをやっていないのだ。
なぜならばそこに藤崎みくりさんの「アイドルは人を癒し、励ますもの」という哲学があるからだとぼくは感じている。
アイドル、特にライブアイドルにはふたつのベクトルがあるとぼくは思う。
ひとつは自分の価値を高める。綺麗になって歌も上手くなってダンスも上手くなる。プロ野球選手が一本でも多くヒットを打てるように努力するように、アイドルも努力をする。そしてファンもその姿を見て応援し、プロ野球選手がヒットを打てばメガホンを叩くように、そうやって鍛えられた姿が具現化されたステージで感動する。
もうひとつはファンのために歌を唄う。アイドルが歌うことで、楽しんでくれるファンがいるならば、そのファンのために歌う。
このふたつのベクトルはどちらが正しいとかそういうことではなく、どちらも必要なことであり、通常のアイドルは、まずファンに見てもらうために自分を成長させようとしているものである。
藤崎みくりさんにしても、フロアを熱狂させるパフォーマンス力があり、撮影会で写真を撮りたいと思うファンがいるほどのルックスがあるからこそ、アイドルでいられるのも事実だ。
ただ、藤崎みくりさんはその中でも、特にぼくが知った五年ぐらい前からは完全にファンのために歌うことにベクトルを向けているように感じていた。
そしてぼくはそのスタイルが大好きなのだ。
生誕祭の物販、ぼくの前に並んでいた知り合いのヲタクに、藤崎みくりさんが「(ライブ)どうやった? 元気出た?」と声をかけていた。
盗み聴きではあるが、ぼくはそれを見ながらまさにこれこそが「藤崎みくり」がここにいる、ヲタクもここにいる理由だと感じた。
純粋にファンの人を元気づけるパフォーマンスをする。そのことに重きを置いている。それもファンのニーズを読むというビジネス的な視点ではなく、むしろマスクなんていうまったくニーズにないものを作ってまでファンを楽しませる。そして純粋にファンの人を癒し励ますためにステージに立つ。そのスタイルは少なくとも五年以上、ぼくはみくりさんから感じるし、揺らいでいないと思う。
だから藤崎みくりは正解なのだ。
 

10月10日の朝、Re:fiveを見に行こうかとツイッターを覗いたら、トレンドにホークスの「工藤監督辞任」が上がっていた。昨年、ジャイアンツを四タテする強さを見せ、日本シリーズ四連覇も果たしたホークス。そのホークスを率いる監督が、たった一年足らずでこんなことになっていることに驚きながらぼくは熊本に向かった。
まさに一寸先は闇。明日の明日に、栄光があるのか、挫折があるのかはわからない。
ただただ、毎日のあわただしさと世の中の変わり具合に驚くばかりである。

Re:fiveの所属事務所であるファイブエンターテイメント。
こちらもこの2か月間はあわただしく動いていた。

・熊本市に新劇場を開設
・新劇場開設に合わせてクラウドファンティングの実施
・吉川里緒のタレント復帰

ホークスの監督でさえ成績不振になる時代だから、これがどう転ぶかはわからない。
ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言ったが、テクノロジーが日進月歩で発達し、予期せぬことが世界中で起こり続ける現在では、いったいなにが真実でなにが正しいのか、判断が難しい時代になっている。個人個人があふれる情報から、たまたまインプットした価値観を他人に押し付け、それが正しいと信じこむ根拠のない価値観が幅を利かせているからだ。

ただし、ぼくの根拠のない価値観から言えば、Re:fiveの新劇場は「いいスタートを切れたなあ」という感想を持っている。
目標金額の250万円には届かなかったが、たった1か月で70人から581509円も資金を集められたのは大したものだ。
またこのクラウドファンティングの終盤に、ファイブエンターテイメントに復活することが発表された吉川里緒さんが、クラウドファンティングのリターンに名を連ねたことが、支援金額が増えたことに強く影響しているように感じた。それだけでも吉川里緒さんの復活はRe:fiveに貢献したといえる。

そうして先週、オープンした新劇場。
熊本市の中心部から1キロほどのアクセスに恵まれたその劇場で行われた10月3日のこけら落としは、ほぼ満席だった。
クラウドファンティングで集めたスポンサーの名前が貼られたステージ。
そこには出演しているRe:fiveはもちろんだが、見に来ているファンにとっても「俺たちの居場所」という帰属意識を、特にクラウドファンティングに出資している方は抱けているように感じた。
ゲストは藤崎みくりさんだった。
熊本に最初のアイドル劇場を作った熊本アイドルプロジェクトの「それな」を藤崎みくりさんが、かつての熊本アイドルのレジェンドに敬意を表すようにカバーした。まさにこの「新」熊本アイドル劇場のオープニングにふさわしいゲストだなと感じた。
また、Re:fiveの正規メンバーも熊本アイドルプロジェクト出身のAiry☆SENSEの「キミがくれたキセキ」をカバーしていた。
まさに熊本正統派アイドルの歴史を伝え、その系譜にRe:fiveがいてここから歴史が始まることを伝えるようなカバーだった。

Re:fiveは藤崎みくりさんを挟んでの前半と後半に合計一時間ほどのステージで暴れまわった。
新しい劇場と環境が変わったからこそ、これまで影のリーダーとして地味にRe:fiveを引っ張っていた橘かえでさんの存在感が、ひときわたくましく見えた。
ステージが狭く感じるほど、柊わかばさんは躍動していた。
研究生のゆめはさんも、さきさんもそれぞれのらしさを見せ、正規メンバーにはない彼女たち独自の輝きを浮かびあがらせ、Re:fiveの世界を奥深くしているように感じた。
この日は椿まりあさんと研究生のさくらさんは不在だったが、結論から言うと「いまのRe:five」の全力を見られたステージだったと思う。
天草の人には申し訳ないが、「天草まで行かなくてもRe:fiveが見られる」とぼくはうれしくなった。

華々しいオープニングイベントの翌週ということで、10月10日のRe:fiveは研究生のさくらさんも含めて五人で迎えてくれたが、来週にゲストを呼んでの初の対バンイベント「Center of the 9 」を控えていることもあって、先週の半分ぐらいのファンの入りだった。
運営さんには申し訳ないが、このくらいのファンの入りだったからこそ、ぼくは楽しいなと思った。
客席にいるファンの顔はメンバーもほとんど知っている顔、ということが、メンバーをリラックスさせ、そのメンバーの余裕がファンの「俺たちの居場所」感を強めているように感じたからだ。

セットリストは

君とRestart
ラクガキアクセル
MC
霖雨のファンタジア
シルエット
MC(企画 吉川里緒司会)
St…you
This summer
朝からカツカレー
Encore
私、アイドル宣言((ゆめはソロ)
なんてんまんてん

だったと思う。

いまのところRe:five唯一のオリジナル曲「君とRestart」からスタートして、MONECCO5の代表曲「なんてんまんてん」で締める。
このあいだ、メンバーはところどころチャレンジしながら全力のステージを見せてくれた。
アンコール前最後の曲だった「朝からカツカレー」を最後の曲と思わず、歌い終わった後に「次が最後の曲です」と言ってみたり、イントロ前に並んだフォーメーションが全然違うらしく「間違えました」と言いながら正確な位置に戻ったりとトラブルも多数。
でもファンにとっては「俺たちの居場所」だから、そういったトラブルも心地よく感じられた。

なお、この日は「研究生ゆめはラストライブ」でもあった。
これからRe:fiveとしての成長が期待されていたゆめはさんだったが、家庭の事情で愛知に住むことになり、熊本のアイドルであるRe:fiveを卒業しなければならなくなった。
アンコールでソロ曲を踊ったあと、ステージは主役のゆめはさんの挨拶となった。
このとき、ぼくはMONECCO5時代から続くRe:fiveらしさを感じられる場面があった。
ステージの真ん中にゆめはさんが立ち、ゆめはさんを挟むように右からわかばさん、さくらさん、ゆめはさんの左側にさきさんがたち、その左側にかえでさんがいた。
そして何気ない仕草なのだが、まず両端のかえでさんとわかばさんがステージの上に座ったのだ。戸惑ったようにゆめはさんとさきさんが目を合わせた時、かえでさんが「わたしたち、こういうとき、座るんです」と言った。
たしかにMONECCO5はステージの上でよく座っていた。スタジオ5はオールスタンディングだったが、企画や生誕などの重要な場面では主役を残して、メンバーはもちろん、ファンまで座るのが当たり前だった。
主役以外が座り、主役の言葉に耳を傾ける。
この景色は独特のアットホーム感がある。
ゆめはさんは、時々笑いを織り交ぜながら、それぞれのメンバーに、そしてファンにお礼を言ってくれた。
その暖かい空気がぼくはずいぶん居心地よく感じた。

今後、Re:fiveの劇場がどう進むか。
ぼくの根拠のない価値観で言うと、寄席の定席のような当たり前で試行錯誤できる空間であってほしいなと思った。
ぼくのような地方在住者にとって落語は、いまは亡きイムズホールや市民会館などで聴くものである。
ただし、筋金入りの落語通は東京に四つしかない寄席こそが最上らしい。
しかし、ぼくも何度か新宿の末廣亭に行ったことはあるけれど、正直、寄席で色物などと一緒に落語を見るよりも、ホールで噺家を見たほうが楽しいなと素人だから思った。
実際寄席は、たまたま都内で時間が空いた時に行ってもふらりと寄れる手軽さがあるが、ホール落語と呼ばれる東京を中心に行われる落語会は、当日はもちろん前売りでもチケットの入手が困難なことが多い。
これは、まあ落語協会と落語芸術協会の噺家に限った話ではあるが、落語家にとって寄席はホームグランドであり、ホールは晴れ舞台だからである。
「完成品」を見せるホール落語と違い寄席落語には「未完成」なりの面白さ、真剣さがある、と言われている。
そして、ぼくはRe:fiveにとって劇場はそんな空間になってほしいなと感じた。
たとえば他のアイドルのイベントにゲストに呼ばれた時、そこでは完成度の高いステージで新規のファンを魅了してほしい。
その代わり、劇場で、少なくともワンマンでは、これまでやったことないチャレンジや、今日しか見れない一回性の特別なものを引き続き見せてほしい。
そして、昨日のリラックスしたアットホームな空間では、昨日しか見られないような特別な空間を何度も、メンバーとファンの信頼から感じることができた。
今後も、そして将来的には劇場が満杯になっても、その挑戦やハプニングが見られる劇場になってほしいなと感じた。

最後にぼくという愚者の経験からのインプットを思い返すと、九州アイドルの劇場のパイオニアは福岡にあったボックスシアターと思う。
そこで出演していたHRの公演は、AKBと同じようにセットリストもアンコールまで決まっている予定調和的な公演だった。
ただし、MCの時間が異様に長かった。
AKBの劇場公演もセットリストは決まっているが、ひとりずつが自己紹介したあとにフリートークをするなどMCが異様に長い。
これはファンにこの日しか見られないものを提供しようと考えられた結果だと思う。
それが正しいとは思わないが、そのような魅力も加味して、その日しか見られない公演をやっている劇場になってほしいなと感じた。
そもそも、いまや自前の劇場を抱えているアイドルは決して多くない。
だからこそ、ここで試行錯誤して、常に晴れの舞台で完成度の高いパフォーマンスを見せているアイドルにはできないことをやってほしいと思っている。
 

ライブ中の「活動縮小であって、アイドルを辞めるわけではありません」という宇城ありささんの言葉に救われたぼくがいます。
てなわけで今日、6月20日は宇城ありささんの誕生日。それに合わせて宇城ありささんの生誕祭も開催されました。
ただ、ぼくは会社のある県が緊急事態宣言下、それも今日までの緊急事態宣言ということでオンラインで見ました。
悔しかったよ。
一曲目が、益城さわのさんと二人で「Over the display」。
画面越しで見てたのですが、どばーっと鳥肌が立ちました。
この場にいたかったという悔しい思いがわいてきますが、それは仕方なし。
その勢いのまま二曲目は「三次元アレルギー」。
正直、当時はそこまで熱心におとまむ系ロディをぼくは見ていたわけではなかったけれど、熊本のアイドルシーンを見ていたヲタクにとっては最高のプレゼントでした。
そこから、まず最初のゲストのAnderelaの登場。
宇城さんのファンからすると去年の夏頃の激辛カレーの動画が記憶にあると思うのですが、YOUTUBEで活躍するAnderelaに宇城さんと益城さんの3人で一曲コラボ。
そこからAnderelaさんが二曲。まるでYOUTUBEの踊ってみたを生で見てるような感じで披露してくれてました。
六曲目に入るところで、このいま行われているステージがオープニングアクトという衝撃の事実が告げられ、宇城さんが登場。クルトでもおなじみの曲を踊って、それから益城さんとAnderelaさんというレアなふたりで一曲。
益城さわのさん、関東在住でアニソンDJの活動が最近メインみたいですけど、踊る姿もやっぱり素敵です。おとまむ系ロディの頃から衣装を手掛け、器用な女性というイメージがぼくにはあるのですが、ステージでバリバリ踊る姿を見ると本当に器用な何でもこなせる人だなと感じます。
最後にAnderelaさんが一曲見せてくれて、八曲のオープニングアクトという謎展開が終わりました。
こんな謎展開の構成と、サブカルヲタ文化みたいなものをたっぷり見せてくれるのもいいなと感じました。

次のゲストは佐賀で活動している愛菜さん。
佐賀で活動している愛菜さん。
すごくアイドルらしい清潔感のあるビジュアルで、佐賀のアイドルらしくしっかり歌を聴かせてくれました。
RENさんとのユニットでも活動しているとのことでしたが、総じて佐賀のアイドルは歌唱力が高いのが伝統のようになっているなと感じました。
熊本の人にとっては初見の人も多かったでしょうが、機転の利いたMCでも楽しませていて、この日ファンになった人もいたんじゃないかなあと思うほど素敵な方でした。

そして、先ほど「総じて佐賀のアイドルは歌唱力が高い」とぼくがうっかり言ってしまった伝統を最初に作った張本人のひとり、高園渚さんが登場。
久しぶりに、それこそソロになってからは初めてステージを拝見しましたが、やはりすごい存在ですよね、この方は。
ソロということでやりたいことがやれているのか、とてつもなく人をひきつけるステージをされてました。
さすがとしか言いようない素敵な時間でした。

最後のゲストは1月の「今くる」で新曲を発表したRENさん。
今風のダンスをするアイドルから、ソロになって歌を聴かせるステージにスタイルが変わった印象を受けました。こちらも差がアイドルの伝統にもれず、聴かせてくれます。
「うっきー」と親しげにMCで宇城さんのことを呼びながら、誕生日のムードに花を添えてくれてました。

それぞれのゲストのステージを堪能した後に、いよいよ新衣装に身を包んだ宇城ありささんが登場しました。
一曲目は、「今くる」のステージでもおなじみの「グミチョコパイン」。
ステージからフロアを見ながら嬉しそうに歌う宇城さんを見ていると、きっと客席は幸せな光景が広がっているんだろうなと感じました。
コロナ禍でファンの声が聞こえないため、その雰囲気がわからないのがちょっと悔しいと思いました。
一曲、オーストラリアで歌った曲をはさんで、「Navi」。そして本当に久しぶりに「カナタ」を唄ってました。
実はこのカナタに入る前に曲がすぐに始まらず、マイクを持って宇城さんがちょっと固まる時間があったのですが、その間にオーストラリアでやった曲の話をしてくれて、この辺の機転と、なにがなんでも来てくれた人を楽しませるという宇城さんのスタイルが見られてよかったです。
その「カナタ」と対局するように最新曲の「ハチドリ」。小さな鳥ががむしゃらに壁にぶつかりながら空を飛ぶ歌詞が心を揺らします。
最後の曲は、いまやおとまむ系ロディだけでなく宇城ありささんの代表曲とも言える「チャリで来た」。
もともとグループで演じられたこの曲をひとりでパワフルにやってくれました。

コロナ禍で声が出せないため、フロアのファンの手拍子だけのアンコール。
その手拍子に応えてステージに登場した宇城さんは「拍手はアンコールの拍手でよかとですかね?」と言って登場。
ここで熊本弁のスイッチが入ったのか、ここからステージの終了、物販の案内まで熊本弁で通してました。
この熊本弁のMCを見ると、本当に宇城ありささんは奥が深いなと思います。
結局はファンを楽しませるために全力を出してくれるからそうなんているのだろうけど、宇城さんの持つそれぞれの魅力的な個性が、ふとした瞬間に弾けてぶつかってくる。
この奥の深さこそが、唯一無二のアイドル、宇城ありささんの魅力だと最後の最後まで感じました。
冒頭でも書いたように、あくまでも「生誕祭が最後」「アイドル活動が縮小」であって、宇城ありささんは今後もアイドルではあり続けてくれるそうです。
「なかなか前を向けない時代」とライブ中に宇城さんは現在を表現されていましたが、その時代を乗り越え、また気軽にアイドルのライブに行けるようになった時には、また宇城ありささんを見に行きたいとぼくは感じました。
最後に宇城ありささん、誕生日おめでとうございます。
そして、とりあえずアイドルを続けてくださるようでほっとしました。


 

 

コロナ禍で思うように県外移動もできない今日この頃。
一縷の望みとして最終形態クルトの定期ライブ、「今くるVol.26」をオンライン配信で見ました。
ライブ配信をつなげて見たら、まず画面に映ったのはステージに立つ宇城ありささんとファンの人との会話。


ゆるい。
 

宇城さんは先日の菊池市非公認ゆるキャラきくちくんとのコラボツイキャスの話を、フロアのファンと会話していました。

「みんな見てくれてた割にはコメント少なかったんじゃない?」と宇城さんが言うと、どこからともなく「もぐって見てた」と開き直ったファンの発言。まだ一曲も演じられていないのに、笑いがあふれているのが画面越しにも伝わっていました。
そんな笑いのあふれる空気を残して、宇城さんがステージから去ると、交替するようにゲストのIaraさんがステージに登場しました。
おとまむ系ロディをリスペクトしたような赤いカラーセーラー。
2月にゲスト出演した時と同じセットリストで、まずは三曲を披露。
個人的に二年前の曲だけど、現在のアイドルシーンを象徴するような一曲目は、新しい空気を熊本のシーンに持ってこようとしている意気込みを感じていいなと思っています。
前回はこの三曲だったので、ここで終わりかなと思っていたら、なんと最後に熊本県のPRソング「ダイスキ!くまもとファイヤー」を熊本で三年ぶりにやってくれました。
もともとは2010年に村おこし的な感じで発表されたこの曲ですが、熊本のローカルアイドルシーンでは思い入れの強い人の多いこの曲。まだまだまん延防止法適用の熊本では、この曲の見せ場であるフロアとのコールレスポンスを思いっきりやるわけにはいかず、配信を通してファンの「言いたい」という声も聞こえていましたが、この日会場にいた人のボルテージが上がっているのが画面越しにも伝わりました。


「Iaraでした。ありがとうございました」とIaraさんがステージをハケると、いよいよ宇城ありささんの登場。
最終形態クルトのおなじみの曲「グミチョコパイン」からライブはスタートしました。
実は6月20日の生誕ライブが最後の生誕ライブとアナウンスされ、宇城ありささんのアイドル活動も、もうあと何回も見られるものじゃないということもファンには伝わっています。
最終形態クルトの定期ライブ「今くる」も26回目の今日で、一区切りということがMCで伝えられていました。
もともと二人組だった時のクルトを見ているから、正直に言うと、宇城さん一人でクルトの曲をやるのはなにか寂しい感じがするのも事実です。
でも、そういうファンの複雑な気持ちも全て受けいれた上で、それでも見てくれるファンのためには最高のパフォーマンスを提供する、ここが宇城ありさの強さだし、すごさだと感じさせました。
伸びやかな歌声は最終形態クルトのライブというよりも、今年の頭のくまフェスの予選のようなクオリティの高さで歌い上げ、もともと二人で和気あいあいと踊っていたダンスは、宇城ありささんひとりで踊りきり、最終形態クルトの楽曲の楽しさを伝えていました。
それからは最終形態クルトのライブでよく歌われているアニソンのカバーになりましたが、そこにIaraさんも急遽乱入。

即興でのコラボレーション。

こういう自由さも最終形態クルトらしくていいなと感じます。
アニソンに続いては、宇城さんのセトリにしては珍しく鉄板のアイドルソングをIaraさんとコラボでやって、最後の曲が「Colorfull」。
おとまむ系ロディと比べて最終形態クルトの楽曲は、宇城さん曰く花畑りんねさんのキャラクターも深くかかわっていたこともあり、バリバリの個性の強い曲というよりも、牧歌的な阿蘇の大草原で聴きたいような感じがします。そういう意味で、インパクトはおとまむ系ロディに比べると弱いかもしれないけど、最終形態クルトらしさというのが確実にあるのが素晴らしいいなと改めて感じました。
アンコールは宇城さんが「まだクルトでやってない曲あるよね」と言った言葉の通り、クルトの三曲目のオリジナル曲「Navi」。

これも阿蘇で太陽のもとでピクニックをしながら聴きたいような曲です。

その雰囲気を地下の会場で宇城ありささんは演じてくれます。

そして、宇城さんだけじゃなく二人組のときも、地下の会場で、この牧歌的な雰囲気を作り上げていたんだなと思うと、これまで何気なく楽しんでいた最終形態クルトの凄みを改めて感じました。やはり、宇城ありさはタダモノではないのです。

本当に最終形態クルトらしい、楽しいライブを今日はオンラインで楽しむことができました。
 

今日のこのライブをもって、最終形態クルトの定期ライブは、コロナ禍もあり、いったん休止することになりそうです。
アイドル、宇城ありささんと確実に会えるのも、6月19日の生誕ライブ前夜祭と6月20日の生誕ライブまでとなってしまいました。
宇城さんが今後またアイドルをやるのか、もしくは他の形でアイドルシーンに登場するのか、よい経営者になろうとまったく違う分野で活躍されるのかはわかりませんが、ゆるーく熊本のアイドルシーンを支えた最終形態クルトのこの楽しさを忘れないでいたいとぼくは思いました。
まだ福岡が緊急事態宣言発令中のため、残念ながら会場には行けないけど、オンラインで見る6月20日の生誕ライブもかなり楽しみにしています。

まあ、ざっと本気を出せばこんなものである。
MONECCO5の解散、期間限定ユニットでの活動、熊本アイドル複合ユニットでの活動。ここ四か月で様々な紆余曲折があったが、その時間、準備されていた新グループはやはり満を持しての登場だった。

てなわけで、4月18日の熊本NAVAROでのRe:fiveのデビューライブに行ってきた。
まず、会場にアコースティックギターの音色のOvertureが流れたところから驚かされた。
期間限定ユニット「かえでとまりあ」や、熊本アイドル複合ユニットの「ARK FANTASIA」でも使われていたMONECCO5のOvertureではなく、そのイメージを一新するOverture。これだけでグループの本気度というものが伝わってしまうではないか。
そして一曲目が、Re:fiveのためのデビュー曲「君とRESTART」。
これまでのMONECCO5のイメージを一新するBPMの速さはサビになっても止まらない忙しい曲。だが、そこにはこれまで見たことない新しさ。そしてその新しさを支えるメンバーのスキルの高さ。やっぱり本気になれば、この子たちはすごいじゃないかとぼくは震えた。
忙しさに合わせて繰り広げられるダンスは、まるでステージ上の時間だけが倍速動画のように流れているかのような錯覚に陥ってしまうほど、不思議な空間を作り上げていた。
この曲の発表直前、公式ツイッターでは楽曲制作陣が同じとあってARK FANTASIAの「霖雨のファンタジア」の続編の意味合い的なツイートがされていたが、いわゆるMONECCO5らしさを残して熊本アイドルの曲らしく仕上げた「霖雨のファンタジア」とはまったく違う新しさが「君とRESTART」にはあった。
Overtureで驚かされていたぼくは、この「君とRESTART」に大いに驚かされた。正直、ここまでぼくが5系アイドルの新曲に驚き、心が震えたのは、全盛期のMONECCO5が「キセキノサキヘ」を発表した時以来だった。
「キセキノサキヘ」で感じたような、いままで見たことのない新しさがそこにはあった。
この新しさは強烈で、その後二曲目以降に演じられたMONECCO5やARK FANTASIAの曲が、これまで全く感じたことがなかったのにやけに古臭く感じられたほどだった。
新たなアイドルのスタートともに時代も新しくなっている。
この日は1時間半にも及ぶ長丁場のライブだったが、最後にももう一回「君とRESTART」をやってくれて、二回目に見てもこの曲は新しいとぼくは目を白黒させながらその新しさを感じていた。

そして新しさの中で、心機一転したからこそ、これまでのMONECCO5の流れを引きずることなく新たにメンバーさんが先を見据えているのを感じられた。
MONECCO5のエースだった椿まりあさん。安定の歌唱力を「君とRESTART」のスピード感のあるダンスの中でも披露できるスキルはさすがの一言。
その椿さんはMCで「七年もやっていてまだこの程度。もっと上に行きたい」と厳しい表情で決意表明をしていた。
地図がなければ、行き先が見えていなければ、そこにはたどり着けない。
その言葉には、椿さんの目指す目標が見据えているのだなと感じられ、ぼくは頼もしく感じた。
目標を見据えているのは、柊わかばさんでも感じられた。
彼女は力強く「強みが欲しい」と言っていた。
並のアイドルらしさで満足することなく、柊わかばにしかないオンリーワンを生み出し目指す。
昨年までは中学生ということで天草から出る機会が少なく、またイベント自体も出演回数が少なかった柊さんだが、持ち前の身体能力の高さは織り込み済み。そんな彼女が意識的に自分らしさを極めればすぐにオンリーワンを生み出せられるだろう。
ステージで最も周りが見えていたのは橘かえでさんだった。マイクを使い慣れていなかったためか、スイッチのミスが何度かあり歌声がフロアに響かないシーンがあったのだか、そのとき慌てずにフォローしていた柊さんはまさにステージの支柱だった。「今度こそRe:fiveでリーダーになりたい」という発言は、ファンやメンバーには冗談めかして受け取られていたが、ダンスや歌唱力の安定感は当然として、周りが見えていてアドリブやトラブルも持ち前のキャラで対処できている強みは、Re:fiveのステージの実際大黒柱だろう。橘かえでがいてこそのRe:fiveなのは間違いない。
新メンバーのさくらさんは、数曲のみの出演で、ステージもMCもまだまだ固さが目立ったが、大物感がやけにある感じだった。いま被っている猫が外れた時、とんでもない個性をぶつけてきそうな匂いがぷんぷんした。また、その個性を喜んで受け入れてしまう5erと呼ばれるファンに囲まれているこのグループに入ったことはさくらさんにとっても幸運だと思うし、早く個性を爆発させるところを見てみたいと感じた。

MONECCO5を解散して、Re:fiveとして再デビュー。
「君とRESTART」という楽曲に、それぞれのメンバーの生き生きとしたステージに、この変化は間違いなく成功だったとぼくは思う。MONECCO5というブランドを捨てたことで、新しさがうまく発揮されたように感じた。
生き残る者は、力の強い者でも頭の良い者でもなく、変化に対応できる者とはかのダーウィンの名言。
蛇が脱皮して成長するように、MONECCO5という皮を脱ぎ捨てたRe:fiveは、これまでMONECCO5が成し遂げられなかったステージに向かって走っていくことだろう。