Re:five 柊わかば生誕祭 きれいなお姉さんは好きですか?  | 君が好き

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アイドルの話でもしようず。

3月4日から始まり24日まで続くTGCランウェイオーディションに参加しているため、現在、毎日、ミクチャの配信で会うことのできる柊わかばさん。毎日の長時間の配信で柊さんの意外な一面を発見することもできる大変楽しい時間なのだが、ぼくは初めの頃から何度か配信に顔を出して、柊さんの意外な一面に驚いたことがある。

それは「あれ? 柊わかば、意外にアイドル好きなんだ」ということだった。

柊さんがミクチャで流すBGMが、ことごとくアイドル曲でぼくは驚いたのだ。時には鼻歌で歌ったり、一度だけカラオケ配信してくださったこともある。

現役アイドルに対して「意外にアイドル好きなんだ」と感想を抱くのは全く失礼な話とは思うが、率直な感想として、そのくらいアイドルとつながらないイメージをぼくは柊さんに抱いていた。

 

2010年代に日本中を席巻したアイドルブーム、これは今思い返せばアイドルダンスのブームだった。

CDで聴くことが主体だったこともあり、それ以前のアイドルは歌を聴くものであった。踊っている姿といえば、広いコンサートホールで豆粒のような小さい姿を肉眼で見るかオーロラビジョンで見るか、もしくはたまに歌番組で見るかということで、それはそれで特別な体験だったが、もっぱら再生芸術として繰り返しファンに愛されたのはアイドルのダンスより歌だった。好きなアイドルが歌番組に出ても、ヲタクが繰り返し聞くのはCD音源なのが普通だった時代だ。いまでは信じられないが。

それが会いに行けるアイドルが生まれてから、劇場に通えば生のダンスがいつでも見られるようになり、ヲタクがダンスに触れる機会が増えた。インターネットの発達で動画サイトも充実し、ヲタクが再生芸術として繰り返し見るのがCDから動画に変わってきたのもこの頃だ。

そして2010年当時だとメジャーアイドルの劇場公演でもリップシンクするのが普通の時代だった。だからこそ、生でアイドルを見れば、歌を聴くことよりダンスを楽しむことが、ライブでの醍醐味だとヲタクが感じるようになってきていた。

2012年に小学校でのダンスの授業が必修になり、日本国民も義務教育レベルからダンスの底上げが始まった。

2014年に結成されたMONECCO5は明らかにこのアイドルダンスのブームの影響を受け、ダンスに重い比重を置いたグループだった。それは2015年に1周年イベントとして開催された「AMAKUSA IDOL FESTA」のトリで登場したときの一曲目に、メンバーが誰も歌わないダンス曲を持ってきたことでも明確だった。

そんなMONECCO5の最後の新メンバーで、ずっと最年少だった柊わかばさんは、本人の恵まれた身体能力の高さを活かして、ひたすらダンスを魅せるアイドルだった。カメコさんたちに「ばっち(柊さんの愛称)をブレずに撮るのはむつかしい」と言わせるほどのダンスは、ストイックでアスリートのような魅力さえあった。

ご本人もバスケットボールやバレーボールの部活で活躍されていることを公言され、運動会オフ会「モネリンピック」でも大活躍と、スポーツ大好き少女のイメージが強かった。

だからこそ、ぼくは柊さんがアイドルが好きなのは意外に感じられたのだ。

 

昨日はその柊わかばさんの18歳の生誕祭だった。

スタジオ5、新熊本アイドルシアター、天海とここ数年、会場が毎年のように変わっていた柊わかば生誕祭が今年は、天草出身の柊わかばさんの原点ともいえるスタジオ5に帰ってきた。

ステージをパッと見て目を引いたのは、かつてのMONECCO5の生誕祭にようにステージにのぼりが張られていたことだ。それに加え、バルーンスタンドとたくさんのバルーン、パンリーフがステージに並べられ、かつてないほどにぎやかに飾り付けされていて、開演前からぼくの胸が高まった。

開場が暗転し、本日の主役、柊わかばさんの影アナからライブはスタート。

Re:fiveの生誕祭は衣装もセットリストもこの日主役のメンバーがチョイスするのが恒例になっている。この日、柊さんが選んだのは、ネクタイブレザーの衣装。ラクガキアクセルのCDジャケットにも使われているこの衣装は、全盛期のMONECCO5を象徴するような衣装であり、久々の天草での生誕祭への意気込みを、ぼくはその衣装からも強く感じた。

そして、18歳、新成人ということでこの日、柊わかばさんは、初ヘアカラー、初ピアスのお披露目だった。

ピアスは右耳にふたつ、左耳にひとつがライトに反射して光り、大人っぽさを強調していた。

MONECCO5時代はスポーツ少女のイメージもあってか、ショートカットの時代もあったのに、いつのまにか少女が大人になるように長く伸びた髪は、ピンクの可愛さも交じりながらも大人っぽさも感じさせる上品な赤に仕上げられ、すごく似合っていてエレガントだった。

MONECCO5時代の活発なスポーツ少女時代からは、ほんとうにいつのまにかイメージを一新して、Re;fiveの美人枠は柊わかばさんになったなと感じた。

 

生誕の企画コーナーは「柊わかば年表」。

門外不出の子供の頃の写真なども出しながら、柊さんが生まれ、18歳の誕生日を迎えるまでを年表に書くという、これまでの生誕祭ではなかったまったく新しい企画だった。

 

(写真は萌え豚さんにお借りしました)

 

小学校に入学し、9歳でMONECCO5に加入。人生の半分がアイドルという柊さんの18年間の年表を、柊さんが説明し、それに吉川りおさんと一般人Kさんが笑いを交えながら進行する楽しいイベントだった。柊さんのレアな写真や説明も楽しかったが、こういうイベントに吉川りおさんが司会をしてくれるのがRe:fiveの強さだとも感じた。

 

もちろん、現役のRe:fiveも輝いていた。

この日一番の見せ場は、Re:fiveとしては昨年のバレンタインライブ以来とはいえ、そのときは柊わかばさんと橘かえでさんのふたりで演じられたので、現メンバーとしては初の「Avalon」が披露されたことだった。

MONECCO5史上もっともBPMが早く、ダンス難易度が高いといわれていたこの曲を、MONECCO5時代から歌っていた柊わかばさんが、東雲ういさん、空豆かれんさんを従えて歌う姿は、素晴らしかった。

そしてぼくはこれでやっとRe:fiveがMONECCO5を越えることができたと感じた。

MONECCO5の歴史を引き継ぎ、新たに熊本県のアイドルとして再スタートしたRe:fiveにとって、MONECCO5がやっていた曲が技術的な問題で出来ないというのは大きなコンフリクトだったとぼくは感じていた。もちろん、後継グループとはいっても、過去のことをやるのではなく、新しいことを生み出すほうが大事なので、MONECCO5の曲を無理にやる必要はない。ただ、「やらない」と「できない」は大きく違い、もしかしたら真実はできるけどやらなかっただけなのかもしれないけれど、Re:fiveがMONECCO5のやっていた曲で、できない曲があるかもしれないというのは、その曲の難易度が高い曲であればあるほど、それが「Re:five もいいけど、MONECCO5はもっとすごかったんだよ」と言われかねない無言の足かせのようになっている気がしていた。そしてMONECCO5の曲で、もっとも高難易度と思われていた曲が「Avalon」だったからこそ、この柊わかばさんの生誕祭という特別な日に、しかも天草のスタジオ5でこの曲をやってくれたことは、その足かせが吹っ飛んだようにぼくは感じた。

偉大なる先輩であるMONECCO5を、MONECCO5の元メンバーである柊わかばさんが、新しいアイドルグループRe:fiveとして演じ、天草でMONECCO5を越えてくれたのだ。

昨日は柊わかばさんの生誕祭という特別な日であったのだけど、その特別な日についにRe:fiveがMONECCO5を越えたとぼくは実感できたことが最高だった。それが柊わかばさんからの、この日生誕祭に来たファンへの一番のプレゼントだったと思う。

 

デビューしたばかりで熱狂的な人気を生んでいる研修生のひなさんは、はじめてツインテール以外のヘアスタイルを披露し、またもやファンをメロメロにしていた。

柊さんの生誕祭だからこそ見られる、元MONECCO5の吉川りおさんや一般人Kさんとの絡み、個性的なキャラでRe:fiveを盛り上げる東雲ういさんと空豆かれんさん、そこに熱狂的な人気を生んでいるひなさん、をしっかりまとめあげる柊わかばさん。

運動神経が高く、ダンスがすさまじいので、これまではアスリート的なキャラで見られていたところも強かったが、配信でアイドル好きとあらためて気づかせてくれ、ピアスをあけ、髪を染め、気づいたらすごく美人なお姉さまになってた。

そんな柊わかばさんの生誕祭、終わったあと、ぼくはふとつぶやいた。

 

きれいなお姉さんは好きですか?