厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/コロナ禍の新業態の店づくりのポイント-2
2テイクアウト営業のメリットは?
テイクアウト営業を導入している飲食店のなかには、イートイン(店内飲食)とテイクアウトの売上がほぼ同額か、テイクアウトが少し上回るという好調ぶりを示しているところもあります。その理由は2つあります。
① 客単価が上がる
イートインで売上をアップするには、客数を増やすか客単価を上げる必要があります。小規模の飲食店の場合、客数を多くするためには回転率を上げなければなりません。
しかし、回転率を上げようとするとサービスの質がどうしても低下してしまいます。
つまり飲食店では混んでくると席を詰めてもらったり相席をお願いしたりしがちですが、先客も後客も居心地が悪く、落ち着いて料理を味わうことができません。
これではリピーターを増やすどころか、マイナスの評判を拡散される恐れがあります(勿論繁盛店でサービスもしっかりしていれば問題はないこと)
一方、客単価を上げようとすれば、追加注文を増やすためにサイドメニューを考案したり、値上げというリスキーな判断をせざるを得なかったりします。
その点、テイクアウトや宅配は回転率に関係なく客単価を上げることができるため、やり方次第で容易に売上を伸ばすことができます。勿論、SNS、メニューアプリの、知名度を上げる拡散は必須条件になることです。
例えば、ある天ぷら屋では、店内はつねに満席状態で、テイクアウトのお客様も途切れることなく訪れます。月商から客単価を割り出してみると、イートインは650円でテイクアウトは900円を超えることになります。
250円の差が生じるのは、テイクアウトでは天ぷら盛り合わせを一人で数セット購入する人も多いからでした。
この店のようなケースでは、テイクアウトが経営を支えているということができます。
ランチタイムにテイクアウトを利用していたお客が、お店の味を気に入って、店内でゆっくりディナーを楽しみたいと足を運んでくれる可能性があります。
テイクアウトにはこうした宣伝効果もありますから、忙しくても丁寧な応対をすることが大切です。