厨房設計/インド料理店/スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

平面計画/ゾーニング計画の重要ポイント




この店のゾーニング計画としは、入口に向かって右側キッチンスペース、手前に外部からも見えるようにタンドリー釜を配置、その奥に洗浄エリア、そのエリアに隣接するように事務所、トイレなどの付帯施設を配置し、左側にベンチシート席、2人席、4人席など種々の客層にも適合できるように客席形態を配置していることだ。

全体のオペレーションの流れとしては、ランチタイム、ディナータイムに関わらず全てテーブルサービスを基本としていることであり、この店の場合にはパントリーの背後に料理をキッチン側から提供できるディッシュアップを配置している。

注文のオーダリーとしては、客席数としては伝票処理でもサービスは可能であろうが、繁忙時の煩雑さや種々の料理の注文メニューがキッチンへ伝える方法としては、オーダーエントリーシステムを採用することが理想的であろう

各部施設計画のチェックポイント

パース図-1

街に点在するインド料理店のイメージは、あまりにもインドという国の象徴や宗教的環境に片寄りすぎないことであり、この店の場合には、インドというイメージカラーにこだわることなくタンドリー釜の演出訴求や入りやすさを優先したでサインイメージにしたことであろう。

勿論入口看板や雰囲気は、インド料理店としての顔づくりはするものの、インド象や寺院の黄金色などほとんど使用していないことだ。むしろカレーの香辛料の色など比較的おとなしいクミンの薄いグリーン、カイエンペッパーの赤と紺色を混ぜ合わせたカラー、レンガブロックなどをデザイン装飾のイメージとして構成し、家具類も無垢基調の茶系の染色をしたもので企画していることだ。




パース図-2

タンドリー釜の施設計画の詳細イメージである。タンドリー釜のテーブルの天板はマーブルトップとしナン生地の引き伸ばしなどテーブルの温度が一定を保てるように配慮していることだ。

テーブルの下部には、タンドリー釜で調理した料理を盛り付けるための皿類を補完しておくためのスペースを確保しておくことがポイントであろう。

またその横には、料理を提供するためのディッシュアップを配置し、その他の料理も全てこのスペースから提供されるように配慮しておくことが理想的であることを忘れてはならない。

その隣には、その他多種多様な料理の調理を簡易的にできるようにスチームコンベクションオープンを配置し、下部にはコンベクションで使用するシートパンラック収納を配置していることだ。

パース図-3

クッキングラインの施設計画の詳細イメージである。クッキングラインはタンドリー釜ラインと前後の作業に合わせて調理機器の配置構成をしているものであり、背後には生地を保冷しておくための冷蔵コールドテーブルを配置していることだ。

クッキングラインの構成としては、ガスレンジ、下部には什器備品が収納できるスペースを確保、またガスレンジの左側には、フライヤー、その隣には食材保冷用とワークテーブルを兼用した冷蔵コールドテーブルを配置計画することを忘れてはならない。

ほとんどの料理には、ナンを添えて提供するメニューが多く、タンドリー釜の使用頻度が高く、主軸料理は全てメインキッチンで調理されることを想定しておくことが理想的であろう。




パース図-4

洗浄エリアの施設計画の詳細イメージである。洗浄エリアの機器配置や構成は業種・業態が大きく変わらない限り、さほど大きく変化するものではないことだ。

ラインの左右にソイルドテーブルが配置されることでその後の構成は洗浄機、クリーンテーブル、下部にプレートシェルフあるいは周辺にラックシェルフトいった計画が一般的であろう。

この店の場合には、客席数も58席前後しさほど多くないために、下膳される食器類はその都度直接洗浄エリアへ返却されることが多く、ソイルドテーブルでの残菜類の処理や食器類の種分けまでサービス側が行うことが多いことだ。

洗浄エリアの使い方も繁忙時には、選任の担当者が配置するものの、アイドル時には洗浄ラインを稼働しないといった店も多く、料理提供を優先し下膳作業の一環である洗浄作業はその都度対処するといったオペレーションに変わりつつあることを忘れてはならない。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。