厨房設計/カフェレストラン/スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/カフェレストラン/スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント

平面計画/ゾーニング計画の重要ポイント




この店のゾーニング計画としては、入口に向かって右側手前、キャッシャースタンド、メインキッチン、奥に洗浄エリア、その後方にトイレなどの付帯施設を配置し、左側にソファー席、6人席、4人席、ベンチシート席、比較的閉鎖された客席、ダイニング空間とキッチンエリアを区画する間に高いブック、CDラック(3000ミリ)を配置していることだ。


この店の場合には、時間帯によって客層や使い方が異なってくることを想定し、幅広い客増に適合するように客席形態を計画しておくことが大切であろう。

サービスの仕組みとしては、テーブルサービスのフルサービスのスタイルをとっているため、客席とキッチンの注文は、オーダーエントリーシステムを活用していることだ。

客席の間隔も差別化の一環として広く配置し心地よい空間環境を維持できるように配慮しておくことを理解しておくことだろう。

各部施設計画のチェックポイント


パース図-1

カフェレストランのイメージとしては、コーヒーの茶系色、ダークグリー、オレンジなど色採りのカラーを内装デザインに施すことが多いものの、この店の場合には、店内の天井が高く全体のイメージとしても、モルタルのスケルトングレーと無垢の温かみがある木調家具、床のフローリグなど無機質な質感と温かみのある無垢の家具の温かみなど落ち着いた独特の空間でサインを計画していることだ。

またところどころに配置したグリーの色が空間のカラーポイントとして視線に安らぎを与えるなどブックラックも素材の木目を生かした仕上げにしていることがポイントになるだろう。

パース図-2



ドリンクラインの施設計画の詳細イメージである。カフェというこだわりも訴求しているため、コーヒーマシーンは手動式のエスプレッソマシーンを配置し、横にはコーヒー豆を挽くためのコーヒーミル、下部には、種々なバリエーションコーヒーを製造できるように冷蔵コールドテーブルを配置、隣にスムージープレンダー、ジュースディスペンサー、下部にはアイスメーカーなど計画していることだ。

アルコール類は瓶そのままで提供するものやグラスに移して提供するもの、その他デザート類など商品や素材類を保冷しておくための冷蔵ショーケースを配置しておくことが理想的であろう。

ドリンクパントリーの配置としては、左右両側から客席に出入りできるように計画しておくことがサービスをスムーズに進めるためのポイントであることを忘れてはならない。

パース図-3



クッキングラインの施設計画の詳細イメージである。クッキングラインの調理機器の構成としては、右側からパスタボイラー、シンク、オープン付きガスレンジ、脇台、フライヤーなどのメイン調理機器で構成されていることだ。

勿論キッチンの調理機器は、店で提供する料理内容や種類によっても異なってくるものであるが、この店の場合には、グランドメニュー数で約20品程度であるため、ガスレンジ、フライヤー、パスタボイラーなどパスタ茹で上げ専用機があれば、ほとんどの料理を調理できる機器構成にしておくことが理想的であろう。

基本的にグランドメニューの種類が少ないために、ランチの日替わり、毎月グランドメニューは季節の旬素材に合わせて料理内容の提案を変更するなど、カフェだけではなく、料理にもこだわりを持っていることを訴求できる料理を調理できる設備配置を計画しておくことを忘れてはならない。

パース図-4



洗浄エリアの施設計画の詳細イメージである。洗浄ラインの構成や客席数70席以上に場合には、ボックスタイプの洗浄機で各ラインを構成することが基本的な計画のポイントであろう。

配置計画もパントリーの背後に位置していることや客席から下膳されてくる食器類がすぐにソイルドテーブルに下膳できるように、850ミリのテーブルの高さ、下部からも下膳できるアンダーシェルフなどを配置していることだ。

食器類はソイルドテーブルに配置したバスボックスにサービススタッフ側が食器ごとに仕分けできるようにしておくことが、洗浄スタッフの作業を軽減することができるように計画しておくことが理想的であろう。

この店の場合には、洗浄エリアの作業も客席スタッフが担当し、ソイルドテープが食器類でいっぱいになる前に、洗浄エリアに入り食器類を洗浄するスタイルをとっていることだ。

繁忙時以外は、ほとんどの時間帯はスタッフが作業を兼務することが機能的且つ効率的であることを忘れてはならない。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。