厨房設計/オープンキッチン計画のポイント
飲食店における企画として厨房を開放するオープンキッチンの店が増加傾向にあるだろう。
これも生活者のライフスタイルの変化や食に対する興味や好奇心の現れでもあることだ。また昨今の食材に対するトレサビリティーなどむしろオープキッチンであることがゲストの食材への不信感を払拭するポイントになっていることも理由の一つであろう。
まずオープキッチンの企画や厨房計画で大切なことは、キッチンを演出するための材料として何が必要であるのか、種々の視点から企画内容を具体化していくことであろう。
要するに客席から開放されたキッチンがどのように見えるのか、食へのライブ感や好奇心を刺激するものになっているなど具体的にキッチンのイメージコンセプトを明確化することだ。
オープキッチンの演出材料としては、例えば、調理している全体が客席から見渡せるように計画すること、ただし洗浄エリアなど演出材料として不的確な施設は区画することが鉄則であろう。
また調理前の食材類をディスプレイし演出訴求する、排気フードにデザイン装飾を施す、客席から見える厨房内の壁は全てデザインタイルを装飾するなど企画するフードビジネスのコンセプトに合わせて演出方法を検討することが大切になることだ。
オープンキッチンは客席環境と同化したデザイン空間の一部であり、見せる部分と見せない部分をしっかりと明確化しておくことである。
せっかくオープンキッチンのコンセプトで企画された厨房計画が、オペレーターのレベルで生かされるあるいは意味をなさないなどそこで働くスタッフも十分にオープンキッチンでの作業や動作、備品類の配置に至るまで気遣いをしなければならないところだろう。
つまりオープキッチンを企画する場合に注意しておかなければならないことは、厨房は内装デザインの一部として計画するという視点を忘れてはならない。
そこに来店する生活者の五感を刺激し、食への期待や好奇心を最大限に引き出してこそ、オープキッチンを企画する意
味があることを理解しておくことだ。