10-デリ(和・洋)惣菜店企画/厨房設計
景気低迷の影響から全般的に不振となっている外食市場であるが、その中でも中食市場が唯一の成長分野として注目が高まっていることだ。わずか約5年間で約8兆円市場にまで増加しているなど需要の変遷やニーズの変化など、今後の業態として最も将来性が有望視されている業態の一つであることだ。
デリ・惣菜店とは、これまではデパートの地下の食品売り場で客に提供されたていた業態であり、その業態が単独店として路面、駅中、生活者の生活圏に至るまで広く展開を広めていることに市場規模も拡大があることだ。
これまで中食というカテゴリーが物販あるいは外食というように曖昧な位置づけにあったものの、コンビニエンスの弁当や食材コーナーで販売する料理のように、中食も新しい時代の外食の一つの提案のカタチという理解でよいだろう。
いまでは、デリ惣菜業態は各企業が種々なカタチのスタイルを実験展開している状況にあり、今後は趨勢として参入企業は増加傾向にあることだ。
いわゆる欧米にあるデリ・惣菜店のように、テイクアウトする客と店内に配置された客席でデリ・惣菜料理を楽しむというように業態としては変化していくことが予測できるだろう。
この店の場合には、あくまでもデリ・惣菜を販売する店として単独店として企画しているものであることだ。最近では高齢者や主婦層だけではなく、単身女性や男性客など販売スタイルも比較的スマートなスタイルをとっていることで幅広い客層が利用しやすくなっていることだろう。
デリ・惣菜としは、個食パックにしてあるもの、好きな量だけ計り売りで買い求めることができるスタイルの二つの方式で販売していることが多く、客層ターゲットとしては、高齢者層、主婦層、単身世帯、働く女性層など男女問わず幅広い客層にターゲットを合わせることがビジネスとしての成立を高めるものになるだろう。
また食の安全、健康、安全というキーワードでメニューづくりを企画することは必須条件であろうし、立地としてもターゲット層が多く回遊する立地や駅中、帰宅する間に位置していることがポイントであることだ。
デリ・惣菜の単価としては、約1g1.5円から3円という幅で料理内容に合わせて価格設定することが購買しやすい価格帯であり、ロス率や売れ残り率をいかに低下させるかがビジネスとしての盛衰を左右することになることを理解しておくことだろう。
またデリ・惣菜類の美味しい盛り付けで購買欲を喚起刺激するものであり、料理の盛り付けや演出など細部まで配慮することを忘れてはならない。
/ゾーニング計画の重要ポイント
平面計画
この店のゾーニング計画としては、入口に向かって正面に冷蔵ショーケースと背後にメインキッチン、その右側に事務所などの付帯施設を配置していることだ。
入口から店内に入ったエリアに中央に常温保管の食材のディスプレイラック、壁側には保冷タイプの個食パック、弁当、惣菜、デリなど和食・洋食など客層に合わせた品揃えをしておくことだろう。
レジカウンターの下には、和・洋惣菜の計り売りの料理をディスプレイする冷蔵デリケースを配置し、計り販売にも対応できるように企画していることだ。
店の利用方法としは、各コーナーに陳列した惣菜料理を見て最後にレジカウンターで清算してもらうという仕組みであり、企画構成としは、いかに衝動買いや視覚的刺激購買を促進することがビジネスとしての成立要素を高めることになるだろう。