遺言・相続手続 実務講座 その24「限定承認がやりにくいワケ」 | 実務直結!行政書士 開業準備 実践講座

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『そうだったのか!行政書士』『行政書士合格者のための開業準備実践講座』『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』他の著者・竹内豊が、失敗しないための開業準備について語ります。

ご存じのとおり、
相続が開始した場合
相続人は次の三つのうちのいずれかを
選択できます。

①相続人が被相続人(亡くなった方)の
 土地の所有権等の権利や借金等の義務を
 すべて受け継ぐ「単純承認」

②相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない「相続放棄」

③被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、
 財産が残る可能性もある場合等に、
 相続人が相続によって得た財産の限度で
 被相続人の債務の負担を受け継ぐ「限定承認」

なお、相続人が、②の相続放棄又は③の限定承認をするには、
家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。


さて、③の「限定承認」はとても合理的です
しかし、実際には利用件数はごくわずかです
(興味のある方は、「司法統計」でお調べください)

限定承認が利用されにくい一番の理由は
相続人全員が共同して家庭裁判所に申述を
行う必要があることです。


限定承認の相談を受けたときには、まず
「相続人全員の協力が得られますか」
とお尋ねしましょう


この「相続人全員」という言葉は
遺産分割のいろいろな場面でキーワードになります

遺産分割の相談がきたときは
「相続人全員」という言葉を
常に意識しましょう