遺言・相続手続 実務講座 その22「相続放棄でクレームを起こさないために④」 | 実務直結!行政書士 開業準備 実践講座

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『そうだったのか!行政書士』『行政書士合格者のための開業準備実践講座』『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』他の著者・竹内豊が、失敗しないための開業準備について語ります。

またまた、相続放棄について
お話します

さて、相続放棄の申述書を提出する日は
被相続人の死亡を知った日から3か月以内とされています
この期間のことを「熟慮期間」といいます

さて、熟慮期間を
「被相続人の死亡から3か月以内」
と思いこんでいる人がいますが、
これは大きな間違いです

熟慮期間は、
原則として,被相続人が死亡し
自分が相続人となったことを知った日から
3か月間です

万が一、親が死亡してから3か月が経過した方から
相続放棄の相談を受けたとき
「あなたの場合、親が死亡して3か月が経過しているから
もう放棄は無理ですよ。親の借金を払ってください」
と答えたら、相談者の人生を狂わせてしまいます

仮に熟慮期間を過ぎていると思われても
家庭裁判所に相続放棄の申述を勧めるべきだと
私は思います


なぜなら、放棄できる、できないは
私たち行政書士や法律職が判断するのではなく
あくまでも裁判所が判断するからです


なお、熟慮期間が目前に迫っていたり、
放棄をする・しないに時間を要するような場合は、
相談者に「相続放棄または承認の期間伸長の審判申立」
を家庭裁判所にするように勧めましょう