遺言・相続手続 実務講座 その21「相続放棄でクレームを起こさないために③」 | 実務直結!行政書士 開業準備 実践講座

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『そうだったのか!行政書士』『行政書士合格者のための開業準備実践講座』『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』他の著者・竹内豊が、失敗しないための開業準備について語ります。

今回も相続放棄について書きます

相続放棄は
「親が借金の方が多いので放棄する」
といった債務超過の場合の他、
被相続人の遺産を分散させたくないので、
相続人のうち一部の者だけが相続する場合に
利用されます。


ただし、被相続人の配偶者(夫または妻)と
その子が相続人の場合で,遺産を配偶者
だけに相続させるために
子の全員が相続放棄をするときには注意が必要です。

前回もお話しした通り、
被相続人に直系尊属(父母や祖父母)や
兄弟姉妹がいる場合、子の全員が相続放棄をしても
第2順位や第3順位の相続人が
順次に相続人となります

したがって、配偶者が単独で相続人になるためには
第1順位から第3順位までの相続人の相続放棄が全て
家庭裁判所に受理される必要があります

では、第1順位の相続人から第3順位の相続人までが,
一度にまとめて相続放棄の申述を家庭裁判所にしれば
いいのではないかと思いますが、
それはできません