「ドロ沼“争族”はなぜ起きるのか②」
前回は遺産分けの2つの条件についてお話しました。覚えていらっしゃいますか?
そうです、「相続人の全員参加と全員合意」でしたね。
遺産分割協議とは、いったんは法定相続分のとおり分けられた亡くなった人の遺産を、子どもや配偶者(夫や妻)などの相続人が具体的に分け合うための話し合いです。
遺産とは、ひと言でいえばお金です。土地や建物はお金じゃないと思われる方もいるかもしれませんが、売ればお金になります。つまり遺産分割協議はお金を分け合う話合いです。
世の中お金に関する話し合いほど難しいものはありません。なぜなら、お金が嫌いな人はめったにいないからです。みんなが好きなお金を(しかもまとまった金額!)、みんなが納得するように話を付けることが相当難しいということはご理解いただけると思います。兄弟同士でお金を仲良く分ける場面を想像できる人は相当幸せな方です。うらやましい限りです。
その相当難しいことを身内同士でやることが遺産分割協議なのです。次回は、身内同士特有のモメる原因をご紹介しましょう。