0.
ビジネス書を読みますと、しばしば選択と集中が重要で、
資源をどこに振り向け、どこを切り捨てるかが重要だと書かれています。
1.
受験勉強でも、選択と集中は重要と言えば重要です。
しかし、どの科目に余計に時間を割き、別の科目は時間を減らす、という意味ではありません。
勉強時間の割り振りは、それほど重要な観点ではありません。
そのことよりも、生活時間の中での選択と集中です。
つまり、携帯スマホの時間やテレビを見ている時間を削り、時間という資源を勉強に振り当てる
ということです。
成績不振の原因の多くは、勉強の仕方というよりも、そもそも勉強時間が少なすぎることにあるからです。
2.
頭で考えるのは簡単ですが、携帯スマホの時間を削って勉強時間に振り向けるというのは、
容易なことではありません。
そもそも、そうするべきということは、とうの昔からわかっていたはずのことで、
なぜそれができなかったのか、という問いが先にあります。
中学生になってからではなく、小学校の低学年の頃には、
言われているのにできない、という現象が既にあったはずです。
それがなぜか、という点に戻って考えていかなければ、この問題の解決の糸口は見えません。
3.
いつかやる気スイッチが入って、見違えるように自律的に行動できるようになるはずだ、
という希望的観測は、感情論としてはわかりますが、実際に、受験勉強の中で
やる気スイッチが入るというケースは極めて稀でしかありません。
受験勉強のなかでのやる気スイッチという言葉自体が、
教材販売者側が作り出した幻想だと考えるべきです。
4.
数十年というスパンで考えますと、見違えるほど逞しくなるということは実際に目にすることです。
学生時代は勉強が嫌で逃げ回っていたものの、仕事に就いてから、自ら専門知識を習得していき、
周囲から頼りにされる存在になるというのは珍しいことではありません。
しかし、中学校生活3年間の中で、最初は勉強大嫌いで全く勉強しなかった生徒が、
やる気スイッチが入って猛勉強するようになるということは、まずあり得ません。
もちろん、幾らか成績が上がるということは、あり得ます。
全く勉強していなかった生徒が少しだけでも塾などに通えば短期的に成績を上げることは可能です。
しかし、勉強の重要性を自覚して、自律的に勉強するようになるということはまずありません。
5.
というのは、大人や社会は、「勉強しろ」と言うものの、実は、勉強の重要性を十分に
自覚していないのは、そう言っている大人や社会の側だからです。
大人が考えるほどには重要なものでもないにもかかわらず、
勝手に重要なものというレッテルを貼って、子どもに押し付けているだけなのです。
自分の見栄や世間体のために、子どもを勉強させようとしているだけなのです。
そんな及び腰の論理で、子どもを説得できるはずがありません。
毎日のように「勉強しなさい」と言ってみたところで、
自分からどんどん勉強するようになることはまずありません。
6.
現実として起こりうるのは、遅々とした、極めて地味な変化に過ぎません。
希望を失わない対応が、わずかばかりの生活習慣の改善を生み、
上下動を伴いながら、幾ばくかの子どもの思考様式の変化を通じ、行動変化と結実します。
しかし、相当な労力と時間を要するものです。
成果は高校受験までに出ない可能性も十分にあります。
それでも諦めずに、正しいものであり、価値あるものと信じぬける姿勢が、
子どもを変える可能性を包含します。
7.
目の前の出来事ばかりを追いかけていると暗澹たる気持にもなりますが、
日本には、世界に冠たる様々な文化があります。
日本の学校教育もその一つです。今でも世界に誇るべき高い水準の学校文化があります。
学力検査でも世界最高水準にあります。協調的な行動様式も強くみられます。
戦後という短い期間だけ考えても、日本の学校教育は、様々な学校危機を乗り越えてきました。
そこにあったのは、生徒と直接対峙する学校教員の協力の姿勢です。
それぞれ様々な思想を抱えながらも、重要なポイントでは協力して力を尽くすという姿勢が、
時々の教育問題を打破してきました。
グローバリゼーションに足元をすくわれないように、足元を見つめ直して
子どもに対していくことも重要だろうと思います。
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