「責任感」という言葉の教育観の違い【特別寄稿】 | 中学受験・高校受験 学力を伸ばす方法

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学習塾「テイクオフ」は2023年2月19日で閉塾しました。
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森下武三は、森下和装工業(横浜市)で
畳・襖・障子の仕事をしています。

匿名にて寄稿頂きました。普段、私たちがあまり意識しない観点からのご意見です。皆様の参考になるかと思いますので、

以下、掲載致します。(恐縮ながら、執筆者についての情報は開示できません。)


―「責任感」という言葉の教育観の違い―


「責任感があります」という言葉を聞いて大抵の日本人はこれを褒め言葉、またはプラスの意味だと思う人がほとんどでしょう。

実は欧米ではこういう表現はあまりしません。「責任」という言葉は「Responsibility」に直訳できますが、例えば通信簿などに「責任感のある子です」などと記しません。なぜなら、日本と欧米ではこの「責任」に関して大きく意識の差があるからです。

欧米では「責任感がある」のは当たり前のことなのです。あえて褒めることではありません。あって当たり前なのです。幼児のころから植えつけられる意識なのです。欧米では「やらなければならないこと、義務」といったような意識であり、子供ならお手伝い、自分の持ち物の管理、勉強などがそうでしょう。ですから、もちろん、これを守らなかったときには罰をうけたり、大変しかられたりし、そして徹底的に責められます。

こうして、子供は責任に対してしっかり意識をするようになります。子供のうちから植え付けられるようなことですから、大人になって、会社の面接で「責任感がある」などと履歴書に書けば、先方には長所として書いた意図がわからないかもしれません。

日本で「俺が責任を持つ!」などといっている、いわゆる「いい上司」は、向こうでは当たり前のことなのです。そして、会社の方からも「責任の所在、範囲」をはっきりしてくれます。何をして達成をすればお給料をもらえるかをきちっと提示してくれます。日本の会社は他の人が残業をしていたら、帰りづらく、またその仕事を手伝うことが多いのですが、欧米ではそれぞれ帰宅します。それは責任の所在がはっきりしているからです。反対にもし、「グループのメンバーの仕事が終わったか確認すること」が仕事の範囲であれば、もちろん、帰宅せずにまってくれます。

日本では家庭が一生懸命に責任感の強い子に育てるのに対して、欧米では自然と社会がそうさせているとは不思議ですよね。 ただこれをつきつめると、奥深く、宗教の違いなどからかもしれません。

この責任感の意識は一見受験には関係ないように思えるかもしれませんが、実は受験のむこう側の最終的なゴールなのです。将来、仕事の責任を立派に果たせるように子供たちは今、勉強しているのです。理想論に聞こえるので、見過ごしがちですが、これはしっかり意識していかないと将来国際社会にでたとき、一番困ることかもしれませんね。



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