アイヌプリ・アイヌ民族の文化 | 竹内文書の世界を旅する三和導代のブログ

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三和 導代 です。

 

昨日は久しぶりに東京渋谷にあります國學院大学博物館を訪れました。渋谷駅の新南口からですと徒歩10分のアクセスです。水曜日から土曜の12時以降に予約なく、無料で観覧できます。今回の目的は企画展「アイヌプリ」北方に息づく先住民族の文化 でした。

 

國學院大学博物館の常設展では縄文時代の遺物である土偶や土器の他、日本の神道の歴史を紹介する上で、大神神社の磐座から発掘された遺物、伊勢神宮の祭祀、吉田神道などが紹介されています。とても興味深い博物館、一般の人々も自由に無料で入館できるのはとてもうれしい限りです。

 

アイヌ研究の第一人者であった言語学者であった金田一京介氏(1882-1971)は國學院大學の教授でした。今回の企画展は國學院大學博物館・図書館が所蔵するアイヌ民族資料の他、北海道短期大学部の金田一記念文庫に収められた資料が公開されました。

 

その中で一番目を引いたのが絵画でアイヌ文化を紹介する中に掲げられていた1枚の絵です。写真撮影は禁止となっていましたが、それは「蝦夷島奇観」写、秦檍麻呂著19世紀の作品です。これは原本を書き写したものですが、生き生きとしたアイヌの人々のチセ内の様子が描かれています。中央には大きな熊が腹ばいになっており、その周辺には多くの男性が集まり、何やら儀式の準備している様子です。

 

前時代においてアイヌの人々は、ほとんど絵画に具象的な表現を施し、自らの姿を描くという文化はありませんでした。ですから私たちが現在目にするアイヌの絵はアイヌ人によるものではなく、和人(アイヌ意外の人々)による記録であり創作ですので、デフォルメされているものがとても多いのです。今回展示されて作品もその中の1枚ではありますが、当時の風俗画としては非常によく描かれた作品ではないかと思います。

 

秦檍麻呂(1760-1808)は1798年から度々蝦夷地の調査に携わり、多くの民族史を残しました。「蝦夷島奇観」は変わりゆくアイヌの風俗習慣を記録しようと1799年から1807年に整えられました。朱色を使用した色使いもとても印象的な作品です。展示されている全ての絵画がアイヌ文化を忠実に表現したものではないにせよ、とても気になる1点でした。

 

年末年始はお休みですが来年1月22日まで企画展は開催されています。博物館で販売されているグッズもとてもお安いです。学生さんにも購入しやすくなっているのだと思います。