三和 導代 です。
一昨日より長野県の縄文の地である飯田、駒ヶ根に来ています。飯田市は私が37年以上前に新婚旅行できました。廃村となった大平宿に来たのです。全くの人が住まない電気もない民家を借りて、薪と信州そばを持って宿泊したのです。当時はどこに連れていかれるのかはわからず高坂の後についていきましたが、まさか新婚旅行でこのような所に行くとは夢にも思っていませんでした。この村には誰も住んでいませんでした。夜空の星々だけは満点です。かなりのUFOが飛び交っていた記憶があります。
しかし火の起こし方もよく知らない私は煙ばかりでて火が良く着かずにお湯が沸騰せずにせっかくの信州そばがねっちょり、お水も十分なくひどい状態のお蕎麦を食べた記憶があります。今でももこの大平宿は飯田市の管轄として保存され、宿泊体験ができるようです。もちろん公共機関のアクセスはありませんので、車だけです。携帯電話の通じないようです。今となっては楽しい体験ができるかもしれませんね。
駒ヶ根は南アルプスと中央アルプスに囲まれた飯田線の町です。東京からは新宿から高速バスが出ています。ここには以前より海外青年協力隊の訓練所があります。今はコロナ禍で海外派遣ができませんので、訓練所には若者はいません。ここはフランス語圏に派遣される若者の訓練所です。私は同じ長野県の二本松で訓練を受けましたが、一度は訪れたいと思っていた場所です。
今回は飯田市の下郷歴史民俗資料館を訪れました。旧石器時代より縄文時代にかけての石器や土器が展示されています。特に顔面把手付釣手土器は非常に興味深い土器です。数少ない土器の一つで儀式に使用されていた可能性が高いようです。
そして同じ飯田線の伊那市創造館もかなりおもしろい博物館です。外観も内観も重厚ですが、無料にて観覧することができます。長野県神子柴遺跡出土の石器や国の重要文化財である顔面付釣手形土器は様々な方向から何度見ても飽きないとても魅力ある土器です。数少ない土器ですが3点の展示があります。
さらに受付の方に声をかけますと、地下の地質展示室や実際に発掘中の出土品を真近かに見ることができます。伊那谷には日本にある岩石の大半を見ることができるのです。アンモナイトや牡蠣の化石となど、そして中央アルプスや南アルプスの成り立ちが全く異なること等が事細かに説明されています。10万年前の地層図やス諏訪大社のご神体である守屋山から発掘される今は海から程遠いこの場所から発掘される牡蠣等の化石も非常に興味深いものがあります。守屋山を境に東西ではまったく異なった大地の歴史があるからです。
最後の駒ヶ根は美しい山々に囲まれた縄文の土地です。南アルプスと中央アルプス、全く異なった歴史を持つ山々で生活をしていた縄文人は一体何を考えていたのでしょう。時はゆったりと流れています。駅前のスーパーマーケットに入った際に東京とは全く異なった時の流れを感じました。何も急ぐことはないのですよね。
駒ヶ根市立博物館では戦時中にこの地が登戸研究所の伊那谷疎開地として化学生物破壊兵器を密かの製造していた歴史があることが企画展として紹介されていました。この穏やかな地で密かに進んでいた計画、戦後は秘密戦研究所の記録は消されました。GHQの眼を逃れるために。この隠蔽された歴史が住民の記憶と証言によって実態が明らかになって来たのです。負の歴史を掘り出す勇気に私は拍手をしたいと思いました。
美しい山々と川は日本の財産です。末永く守っていってほしい長野県の自然に触れる僅か2日間の旅でありました。