三和 導代 です。
昨日のブログでも書きましたが、伊那市創造館の地下1階の地質展示室は今思い出しても相当面白い場所でした。現在、発掘中の出土品が所狭しと陳列され真近かに見ることができます。ま日本にある岩石の大半を伊那谷で見ることができ、それらが沢山無造作に陳列されているのです。名前は見たことがある鉱物ばかりですが、実際に一つ一つ目にできるのはとても勉強になります。
今年は京都の鞍馬山にも2度行きましたが、古代からの鉱物が残る道を歩くチャンスがありました。ここで見た珍しい名前の鉱物ももちろん創造館に展示されており、一般公開はされていませんが、無料で声をかければ観覧可能なこのお部屋はとてもおススメです。たまたま発掘に関わっている方が中で作業をしていらっしゃいますので、ご丁寧に説明までしてくださいました。
また伊那市や駒ヶ根市は中央アルプスと南アルプスに囲まれた町ですが、何とこの2つの山脈の構成と歴史は全く異なったものであることを生れて初めて知りました。
中央アルプスは今から70万年~80万年前にかけて高くなり始めて、現在3000m級の高い山となりました。その秘密は両側にある断層で、海洋プレートが東から押し寄せてきて、アジア大陸がその力を押し返しています。その力で、絞り出されるように中央アルプスができました。
南アルプスは今から250万年前から高くなり初め、現在の3000m級の高い山となりました。そして何と今でも1年に4㎜ずつ高くなっているのです。その秘密は海洋プレートがぶつかってくる力です。フィリピン海洋プレートが南アルプスを東から押し上げているので、西側に傾きながら高くなっているのです。このような言葉の説明だけでなく、実際に模型が飾られプレートの動きを自分の手で回してみることができるのは老若男女問わず理解しやすい展示です。
諏訪大社のご神体山である守屋山から牡蠣の化石がで来ることを昨日書きましたが、なぜこんな内陸部の山からでてくるのでしょうか。日本列島は今の形になる前に太平洋と日本海がつながる一つの海でした。フォッサマグナの海を呼んでいます。この梅の西側に守屋山があったのです。ですから牡蠣や蛤などの海岸で見られる生物の化石が発見されるのです。やがて海底火山の噴火でこの山は埋まり、盛り上がって陸地となって今のような地形となったのです。ですから守屋山の左右では全く異なった地層となっているのです。