三和 導代 です。
好天に恵まれた一日を長野県の八ヶ岳麓の茅野市に行ってきました。平成29年現在でも市内には348カ所の遺跡があり、何とそのうち237カ所が縄文遺跡です。その中には縄文中期(約5,000年前から4,000年前)の遺跡からは国宝となっている「縄文のビーナス」や「仮面の女神」の土偶が発掘されています。
まず訪れたのが縄文時代の特別史跡第1号の尖石遺跡、特別史跡に追加指定となった与助尾根遺跡、そして尖石縄文考古学館です。尖石遺跡からは八ヶ岳連峰が大変美しく、縄文時代の人々も同じ光景を眺めていたのだろうなと思いながら広大な敷地の芝生に横たわり、大地からのエネルギーをたっぷりいただきました。
この遺跡がある台地の南斜面に、高さが1mあまりの三角錐状の磐座があります。昔から「とがりいしさま」と呼ばれ、地元の人に大切にされ、崇拝されてきました。その周辺には樹齢は不明ですが3本の古木が寄り添うようにして根を伸ばしています。
与助尾根遺跡には縄文時代の建物が復元されており、樹々に囲まれた大地でゆったりと時を過ごすことができます。今日は平日ということもありますが、2カ所の遺跡内で太陽の光線を顔に浴びながら大の字になって横たわれるなんてとても贅沢は環境です。
そしてその近くにある尖石縄文館の展示も2点の国宝の土偶ももちろん見ごたえはありますが、それ以外の土器も素晴らしい保存状態で5つの部屋に分かれて展示、圧巻という言葉がぴったりです。それだけこの茅野市から発掘されているということなのです。土器の装飾はとても個性豊かで、人面、人体、イノシシ、ヘビ、カエル、サンショウなどの文様も見られます。
ここ茅野は黒曜石の集積と呼ばれると呼ばれるほど黒曜石の原石がまとまって出てくることがあります。黒曜石は火山列島である日本では160カ所の原産地がありますが、その中でも北八ヶ岳から霧ヶ峰にかけての原産地は、本州最大の産地であったそうです。そして黒曜石でつくられた石鏃は近畿から北海道まで運ばれました。
現地に行ってから行く流れになりましたのが、諏訪大社上社前宮と神長官守矢資料館でした。諏訪大社は方々に分かれていますので、私はこれまでこの前宮だけは行ってませんでした。そしてそこから徒歩で諏訪大社上社本宮に向かう途中で気になって訪れたのが神長官守矢資料館でした。守矢家とは古代より明治の初めまで諏訪上社の神長官という役割を務めてきた一族です。(次回に続く)