付箋と王羲之と顔真卿 | 書法家 武田双鳳の「そうほう録」

書法家 武田双鳳の「そうほう録」

「書で人生を豊かにする」をテーマに、日々のオモシロさを探求する書法家・武田双鳳の日記

オンラインサロンメンバーの通学生の方からも、清書作品を郵送していただいています。

 

 

お稽古の時に提出された清書と混同してしまわないよう、「こちらを提出してねー」という旨のメモ書きの添付をお願いしているのですが、そのメモ書きの可愛さに、183㎝の大男が胸きゅん。。

今日は、オンラインコースの方に向けての動画撮影。さらに、揮毫の様子を分かりやすくお伝えできればなぁーと、新しい機材を導入。

 

 

 

 

動画撮影に加えて、来月は「基礎書法講座」の準備も。4~6月は初唐三大家や顔真卿などで「楷書の基礎」を学びましたから、7月は「行書の基礎」をやってみようと、「王羲之」について研究していました。

 

 

議論はあるところですが、王羲之の代表作といえば「蘭亭序」。それを効率よく学ぶには、古来より、蘭亭序と並んで「行草書の双璧」とうたわれる顔真卿「争坐位稿」があれば便利でしょう。

 

 

「褚遂良を研究することで王羲之と顔真卿が理解できる」と言われたりしますが、さすがに、稽古時間のキャパを越えそうなので、蘭亭序と争坐位稿にとどめる予定です(今月の基礎講義で褚遂良「雁塔聖教序」を取り上げましたので、受講された方は、ぜひ復習をされてみてください)。

 

 

ただ、蘭亭序と争坐位稿の書法を理解するためには、その時代背景に関する知識が必要になってきます。書道史の流れについても、おおざっぱに解説しますので、生徒の皆さん、「すぐわかる中国の書」のご用意をお願いします。

 

 

4月から、中国の書ばかりを取り上げていますので、そろそろ、日本の書の歴史も取り上げたいところです。

 

 

京都道場は空海の東寺が徒歩圏内ですし、大津道場からは「久隔帖」で最澄の比叡山が一望できますから、「風信帖」や「久隔帖」などについても触れてみたいですね(みんなで、書法ツアーなんかも行ってみたいー)。
 

ただ、稽古時間には制約がありますから、来月は、「王羲之と顔真卿の行草書」の「さわり」だけに留まるでしょう。

 

 

楷書が完成した後で「書」を輸入した日本は、「書史の前提を欠く」とか「三折法の理解が浅い」と言われたりします。

 

まずは、「楷書のくずしが行書、行書のくずしが草書」といった、日本人にありがちな単純化思考を脱し、いかに、このシロノワールのように「立体的理解」を構築していくか。

 

書法道場のユニホームに、なぜ「鏨」を掲げていくのか。また、みんなで「書の本質」に立ち返りながら、書の楽しみを深めていきたいものです。

 

 

 

 

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