【書法道場展hanamuke 御礼と次回「游藝」へ 】
第十回書法道場展「hanamuke」は、数えられただけでも1,237人の方にご来場いただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。
ご来場くださった皆さま、応援してくださった皆さま、そして制作・準備・会場運営に力を尽くしてくださった生徒の皆さんに、心より御礼申し上げます。
今回の会場には、生徒の皆さんが自ら言葉を選び、自らの感覚で書を選び取り、それぞれの想いを込めて制作した作品が並びました。
同じ書道であっても、書く言葉も、表現も、一つとして同じものはありません。だからこそ会場には、手本をなぞるだけでは生まれない、一人ひとりの書の息づかいが満ちていたように思います。
今回の書法道場展のテーマである「はなむけ」は、私が創作した一文字です。
字形は「忄」(りっしんべん)に「盡」(「尽」の旧字体)を組み合わせたもので、「こころを尽くす」という意味を一字に託しました。
もともと「はなむけ」は、旅立つ人を送り出す言葉であり、漢字では「贐」や「餞」と書きます。
送別の宴や贈り物を意味する字ですが、私が大切にしたかったのは、物を贈ること以上に、誰かの門出に際して心を尽くすということでした。
そこで、「贐」に含まれる財物を表す「貝」を、「心」を表す「忄」に置き換えました。
さらに「盡」を合わせることで、余すところなく、最後まで、まごころを尽くすという意味を込めました。
会場に並んだ作品の数々にも、まさにその「こころを尽くす」という精神が表れていたように思います。
誰かに何かを届けたい。自分の言葉を、自分の書で世に問いたい。その願いが、それぞれの作品の奥にたしかに息づいていました。
今回の「はなむけ」作品には、次の漢詩を添えました。
「言為心本 情由言生 書磨其言 以養其心」
人は日々、言葉を発しながら生きています。
そして、その言葉は知らず知らずのうちに、自分の心のあり方を形づくっていきます。
書とは、その言葉を磨き、深め、整えることを通して、自らの心を養っていく営みでもあります。
書法道場展に展示された書は、単なる作品ではありません。
姿勢や呼吸を整え、古典や歴史文化に学び、自分の身体と言葉に向き合いながら、「どのように書で心を尽くすか」を考え、試行錯誤と工夫を重ねて生まれたものです。
道場展は終わりましたが、書の道はここで終わるものではありません。
作品を仕上げた経験も、多くの方に見ていただいた経験も、これからの書の歩みにとって大きな糧になっていくはずです。
ここでいったん初心に帰り、また本来の書に親しみながら、言葉を磨き、心を磨き合う稽古を積み重ねていきたいと思います。
サプライズで10回目記念の花束をいただきました!
嬉しすぎます
次回の書法道場展は、第11回「游藝」です。
「游藝」とは、ただ技術を競うことではなく、藝の中に遊び、藝を通して自らを深めていくことです。
書くことそのものはもちろん、作品づくり、展示、鑑賞、対話に至るまで、すべてが書の学びであり、稽古である。
そのような思いを込めて、次回のテーマを「游藝」と定めました。
来年もまた、生徒の皆さんそれぞれが、自分の言葉と表現に向き合いながら、書の世界を深く、自由に遊び、生きた書を世に送り出してくれることを楽しみにしています。
≪第11回 書法道場展「游藝」≫
2027年3月18日~3月22日開催予定。
烏丸御池しまだいギャラリー 入場無料。
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今回の書法道場展をきっかけに、書法道場にご関心をお寄せくださった方へ。
書法道場では、ただ手本通りに書く力を養うだけでなく、古典に学び、身体を整え、言葉と表現を深めながら、自分の書を育てていく稽古を行っています。
書いてみたい。
もっと深く学んでみたい。
自分の言葉を、自分の書で表せるようになりたい。
そのように感じてくださった方は、ぜひ体験入会にお越しください。
初心者の方でも大丈夫です。
書の上達だけでなく、書を通して自分自身と向き合う時間の豊かさを、実際の稽古の中で感じていただけたら嬉しく思います。
書法道場は、作品を見て終わる場所ではなく、自らが書の世界に参加していく場所です。
次はぜひ、見る側としてだけでなく、書く側としてもご一緒できましたら幸いです。