ブラック企業「同族経営はヤバイ」 |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
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ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 一代で会社を大きくした経営者は独善的な人が多いらしい。だからこそ会社を大きくできたのだろうが、そのために従業員をないがしろにしていいわけではない。

 

 

 私が出入りしていた取引先も酷いものだった。会社は右肩上がりだったのだが、中途採用が次々に辞めていき残る人数は限られていた。1年間に10人以上採用して正社員として残るのは23人。その23人も12年で居なくなる。そもそも年間10人採用すること自体が異常だが…。大卒の新入社員を採用したこともあったが、残っている正社員は同情したものだ。「履歴書を汚すことになる」「四大出たのに人生つまずきの始まり」だと。

 

 当然神経を病む者も続出し、社長はハローワークから呼び出しをくらったこともある。だが、そんなことはどこ吹く風で、「文句があるなら辞めろ」「俺がここまで大きくした会社だから俺のやり方に従え」とばかりに金儲けに奔走。従業員は単なる駒としか見ていない。まさに非人道的であり外道そのもの。これだから独善的経営者は始末が悪い。

 

 また、このような会社は同族経営に見られる傾向であり、身の丈に合わない企業ごっこをやりたがっている。今まで3社ほどそのような会社と契約して出入りしたことがあるが、皆同じだった。ビッグモーターのように息子が神の如く威張りまくり、年上の社員がヘコヘコしなければならないという構図をイヤというほど見てきた。

 

 

 かつて企業向け接遇講座の平林都講師が話題になった。鬼マナー講師として知られ、その厳しい口調から泣く者が続出。それがテレビで紹介されると非難が続出したものだ。一方でそのくらいやらなければ意味がないという擁護の声も聞かれる。

 

 一代で会社を築いたトップにもこういうタイプの人が多い。自分が成功した経営ノウハウを教えるのだから、会社を大きくするためなのだから、このくらいするのは当たり前という考えだ。だから軍隊のように厳しく鍛えようとする。

 

 だが、230人研修して生き残るのは一人だ。しかし、指導する側はこれでいいと思っている。徹底的に叩き、その中で一人残ればいいと思っている。弱い奴は叩き潰し、強い奴だけ(才能のある)を見つけるのが目的だからだ。

 潰された相手のことなんか考えてはいない。どれだけ傷つけようが気にしない。会社さえ儲かればいいからだ。

 傷つけられた人は人格を否定されて落ち込むだけ。研修で罵倒された年長者が「この歳になって侮辱されるとは思わなかった」と屈辱で怒りをあらわにすることも。

 私自身リクルートが行う研修で同じような目に遭ったので、その悔しさがわかる。人をコケにする講師は、自分が偉いと錯覚しているから始末が悪い。

 そんな腐った研修や講義をする会社はさっさと辞めた方がいい。「あなたの為だ」「会社の為だ」「鍛えてあげる」などと言って、平気で人を侮辱するような会社は絶対伸びない。

 お局的存在が威張っている会社も同様。自分が正しいと思い込んでいる。こういう人物が他社に行くと嫌われるし役に立たない。特に中小や同族経営の会社に居るお局は、自分が井の中の蛙だということを知らない。

 宗教みたいな研修をするところも結果的に離職者が多い。

 そういうとこがブラックだということが分からないから、ブラック企業と呼ばれるところは自覚がないのだ。ブラックのトップは自分を神だと勘違いするべきではない。社員への人格否定が離職者を生むという構図を自覚すべきである。

 

 

[編集後記]

 中小企業のトップで、自分自身をカリスマだと思っている偉そうな奴が講義をやるようなところはさっさと見切りをつけるに限る。