医療界の殿様商売 |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
コスメ関連、学校関連、アダルト関連、体験取材など様々な
分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 いつも取材に協力してもらっている歯科医師がいる。腕が良く穏やかで優しい性格なので多くの患者から慕われている。そんな人柄の先生が珍しく怒っていた。

 

 怒りの矛先は関西の某医療機器メーカーだ。あまりにも殿様商売をするので頭に来ているという。確実で良い製品を作っている希少なメーカーなので、全国の病院から耐えることなく注文がくる。そのため鼻が高くなりすぎてサービス精神などまったくないらしい。先生はその対応の悪さに怒っていたのだ。

 

 そのメーカーに対しては東大病院も出入りを拒否した。調子の悪い機器はすぐに修理をしなければ患者の命にかかわることがある。ところが、いくら修理を頼んでも来てくれないというのだ。そもそもメンテさえ行わないという。まさにメーカーとしてあるまじき行為。さすがに看護師たちが怒り狂い、出入りを拒否してもらったという。

 修理に来ない理由は次の話で察しがついた。

 東京港区青山にあるクリニックでは、レントゲンの修理を頼んだところ、技術者ではなく営業マンが来たという。そして、故障個所の話はまったく聞こうとせず、いきなり新しい機器を売りつけようとしたのだ。

 高額な医療機器などそう簡単に買い替えできるはずもない。困った院長は、結局他の業者に修理を頼むことになったのだが、簡単に直すことができたという。完全に壊れたのならまだしも、ちょっとした故障にも関わらず、修理よりも買い替えを勧めるメーカーに院長は今でも激怒している。

 客の意向など最初から無視する典型的な殿様商売。「あなたが買わなくても他が買ってくれる」「欲しがる病院はいっぱいいるし、自分たちが売らなければ病院側が困るだけ」というスタンス。患者のことなど考えず、病院の足元を見て、自己の利益しか考えていない。

 こういう会社は大なり小なりどこにでも存在する。違法ではないのだがなんか気分が悪い。

 

[編集後記]

 世の中はこんな不条理が多い……。