今から10年以上前に椎間板ヘルニアを患ってから、地元の整形外科のあるクリニックに数年間ずっと通い続けていた。診察は3~4カ月に一回くらい受け、4種類の薬とシップを処方されていた。後はリハビリルームでマッサージと電気治療を毎週一回受けていた。
それを5年間繰り返していた時にふと思った。このまま続けていても本当に治るのかなと。右脚の痺れは相変わらずだし、腰痛は忘れた頃に突然起きる。しかし、その痛みはリハビリを受けなくても湿布で緩和される。だから、何となく惰性でダラダラ通院していた。
そこで、医者に今の治療法で意味があるのかを思い切って聞くことにした。…と思ったら、突然閉院することが決まった。最後の診察の日、医者に聞いた。
「電気治療は効果あるんですか?」
「週に1度では効果はないです」
「マッサージは?」
「同様です」
「これからも薬を飲み続けないといけないですか?」
「今が落ち着いているのなら、痛くなった時だけ飲めばいいです。」
次の日から薬を飲むのをやめた。
リハビリを受けなくなった代わりに、自宅で風呂に入るようになった。本音を言うと、露天の温泉は好きだが、風呂は好きではない。忙しくて入る時間が惜しいのと、のぼせやすいからだ。だから、いつもシャワーで済ませていた。
しかし、毎回風呂に入るようになってから体に変化が起こった。数ヶ月後、腰痛が起こらなくなったのだ。過労時は起きるので治ったわけではない。それでも頻繁に起こらなくなったのは確かだ。
それからというもの薬は一切飲んでいない。1ヶ月分だけ手を付けずにしまってある。それには意味があるからだ。痛くなった時のためにとっておいたというのもあるが、もう一つ別の理由があったからだ。その続きは『薬の話 ~その2~』で。
[編集後記]
風呂が体にいいことは知っていたが、これほど顕著に変化が出るとは思わなかった。腰痛の頻度が少なくなっただけでなく、夜中にトイレに行かなくなったのだ。一時は頻尿かと思えるほどの回数いっていて、己のジジィ化を覚悟したほどだった。また、夜中に目が覚めることもなくなった。夏の風呂は苦痛だが、健康のためには仕方ない…。