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1981年のアルバム(その70 WhyDoFoolsFallInLove/DianaRoss)
1981年のアルバム・シリーズ
70枚目として、登場するのは、女王
Diana Ross
何といっても、話題は、あのMotown レコードを離れた
'70年代に入り、The Jackson 5、Temptations
等、看板アーティストが次々とMotown
を、離れ・・・
遂には、Supremes時代から、稼ぎ頭と言えるDiana Ross
まで
これは大きなニュースでした。・・・
これで1980年のヒット・アルバム Dianaに続いてのChic
とのコラボ作品
の話もなくなり・・・
同名映画のテーマ曲 It's Mu Turn(邦題「今度は私」
、1981年 全米No.9
)と未発表曲3曲を収録したコンピレーション・アルバム To Love Again
シングルでは、あのLionel Richieとのデュエット
同名映画のテーマ曲 Endless Love、それらを最後にMotownを離れました。・・・
そしてRCAレコードへ移籍、心機一転、勢いよく登場した新曲は・・・
Why Do Fools Fall In Love
Frankie Lymon & The Teenagersの1956年の大ヒット曲 (全米No.6
、全英No.1
)、The Beach Boys
のカバーでも知られるナンバーです。
カバーとはいえ、軽快でポップなヒット性のある楽曲
そして、アルバムの方も、同名で・・・
Why Do Fools Fall In Love
何と、Diana Ross自身による初のプロデュース作品
もう1つ話題は、そのジャケット写真、見開きのジャケットの彼女の衣装は・・・
ハイレグ・ファッション、これは、Donna Summerへの対抗のようにも思えました。
ジャケット写真撮影は、Douglas Kirkland
裏ジャケット写真撮影は、Claude Mouginとなっています。
尚、本アルバム、契約の関係で日本では、大手レコード会社から出ることになり、
邦題は何と「ファースト・レディ」
シングルの方は、「恋はくせもの」となりました。
レコーディングは、1980年~1981年、ニュー・ヨーク Power Stationにて・・・
Diana Rossリード・ヴォーカル
、バッキング・ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
Yogi Hortonドラムス
Ray Chewローズ🎹、アコースティック・ピアノ🎹、アレンジメント
Eric Galeエレクトリック・ギター
Jeff Mironov
エレクトリック・ギター
Neil Jasonベース、Ralph MacDonald
パーカッション
Paul Riserストリングス・アンド・ホーン・アレンジメント
Lamar Alsopコンサートマスター
その他、楽曲ごとに多彩なミュージシャンが参加しています。・・・
エンジニアリングは、Larry Alexander
アシスタント・エンジニアリングは、Dave Greenberg
マスタリングは、Sterling Soundにて、Ted Jensen
プロダクション・マネージャーは、Matt Murphy
プロダクション・アシスタンスは、Sephra Herman
プロデュースは、前述の通り、Diana Rossです。
A面1曲目、ドラムスのロールから、Mantattan Transfer
を思わせるコーラス
Why Do Fools Fall In Love、Frankie Lymon
、Morris Levy
の作品
前述の通り、Frankie Lymon & The Teenagersの1956年の大ヒット曲
Dianaは、優しく軽快に歌い出し、ノリのいいホーンも入り、盛り上げていきます。
ギターは、ハード・ロック界のBob Kulick
、テナー・サックス🎷は、George Young
、アレンジは、Rob Mounsey
、ホーン&ストリングス・アレンジメントは、Bert De Coteaux
、前述の通り、邦題は「恋はくせもの」
です。
第1弾シングルで、全米No.7、1982年年間No.54
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートNo.2
、1982年年間No.46
、全米R&BチャートNo.6
、1982年年間No.43
、カナダNo.17
、カナダAC No.5
、オーストラリア No.15
、ニュージーランド No.3
、オランダ No.1
、1981年年間No.79
、ベルギー No.1
、1982年年間 No.49
、フィンランド No.25
、スイス No.9
、アイルランド No.9
、そして 全英 No.4
、1981年年間 No.72
・・・カバーとはいえ、世界中で大ヒット
ラス・ヴェガスで撮影されたPVも印象的でした。・・・
2曲目、ベースが響いてややミステリアスなムードで・・・
Sweet Surrender、Leonard Stack
、Cheryl Christiansen
の作品
語るように歌い始めるDiana、代表曲Love Hangover
を思わせるところも・・・
ベースは、Francisco Centeno、印象的なハーモニカは、Don Brooks
タイトなギター、ストリングスも効果的に入ってきます。・・・
3曲目、ドラムスの一撃から、ドラマチックなハードなイントロ・・・
Mirror MirrorMichael Sembello
、Dennis Matkosky
の作品
"Mirror, Mirror On The Wall~"と歌い始める Diana
そう、勿論、グリム童話「白雪姫」の悪役王妃の台詞からの引用・・・
ハードなサウンドにホーンが加わり、ホーン・アレンジメントはRandy Brecker
終始出てきてソロも聴かせるギターは、Bob Kulick
Eric Gale、Jeff Mironov
は、リズム・ギターに回って、Diana
は熱唱
アルバムから第2弾シングルで、全米No.8
、全米R&Bチャート No.2
、全米ダンス・チャート No.14
、1982年の全米年間チャート No.86
、その他では、カナダ No.29
、ニュージーランド No.15
、フィンランド No.24
、オランダ No.27
、ベルギー No.22
、そして全英No.36
、前曲
に続いて大ヒットとなりました。
4曲目、シンセサイザー、ピアノ🎹のイントロから、"My Love~"とDiana
Endless Love、勿論、Lionel Richie
の作品
、同名映画
のテーマ曲で・・・
彼とのデュエットで、1981年、9週連続全米No.1の大ヒット曲ですが・・・
ここでは、最初から彼女1人の歌、参加ミュージシャンも異なって・・・
シンセサイザーは、Ed Walsh、アコースティック・ピアノ🎹は、Patrick Rebillot
オリジナルにほぼ忠実ですが、ソロ・ヴァージョンというよりは、セルフ・カバー
そのように言えると思います。
B面1曲目、ストリングス、ホーンでダイナミックなフィリー・ソウル風イントロから・・・
It's Never Too Late、Dan Hartman
の作品
、邦題は「愛のメッセージ」
"Get The Massage, Oh, It's Never Too Late~"、コーラス
に続きDiana
Supremesのスタイルも思わせ、そんなバッキング・ヴォーカル
は・・・
Leata Galloway、Margaret Dorn
、Millie Whiteside
、ローズ🎹は・・・
Leon Pendarvis, Jr.、躍動感があり、ヒット性のあるナンバー
尚、作者のDan Hartmanは、元Edgar Winter Group
脱退後、ソロ名義でInstant Replayが大ヒット
これ以降も多くのヒットに関わりますが・・・残念ながら早逝されました。・・・
2曲目、ドラムスにストリングス、エレクトリック・ピアノ🎹が奏でられ・・・
Think I'm In Love、L. Cheryl Taylor
の作品
、邦題は「恋の気分で」
Dianaは、コーラスに続き優しく歌い始め、リラックスしたムードも感じるナンバー
アコースティック・ピアノ🎹、シンセサイザー、アレンジは、Ron Frangipane
Ray Chewは、ローズ🎹となっています。
3曲目、ホーンの音から、アップ・テンポのブルース調で・・・
Sweet Nothings、Ronnie Self
、Dub Albritton
の作品
軽快にノリよく歌うDiana、テナー・サックス・ソロ🎷は、Michael Brecker
ホーン・アレンジは、Randy Brecker、ローズ🎹、アレンジLeon Pendarvis, Jr.
途中、語るようにDiana、最後もサックス🎷で締められます。
4曲目、ホーンにストリングスが加わって、往年のMotownサウンド風のイントロから
Two Can Make It、Dean Pitchford
、Tom Snow
の作品
ここでのベースは、Francisco Centeno、ポップな感じで軽快に歌うDiana
そして、Eric Galeがタイトなギター・ソロ
を聴かせます。
邦題は「二人の世界」です。
5曲目、ドラムスが響き、元気よくかけ声で・・・
Work That Body、Diana Ross
、Ray Chew
、Paul Jabara
(作詞)の作品
Leata Galloway、Margaret Dorn
、Millie Whiteside
の3人とともにDaiana
"Reach,2,3,4,5,6,7,8~"と、文字通りワークアウト・ソング
ホーン、ギターのカッティングがノリよく盛り上げて、最後はかけ声だけに・・・
アルバムから第3弾シングルで、全米No.44
、全米No.34
、オランダ No.15
、アイルランド No.10
、そして全英No.7
、特に英国
では大ヒット
やはりエアロビクス・ブームの時代に応じて制作された楽曲
尚、当時の特大ヒット、Olivia Newton-JohnのPhysical
との因果関係は・・・
レコーディング時期から考えて、無いと思われます。
CDの時代になり、2014年のExpanded Edition
には・・・
ボーナス・トラック (Funky Town Grooves)として・・・
Mirror Mirrorの7インチ・ミックス・ヴァージョン等6曲が追加収録されています。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.15
全米R&Bアルバム・チャート No.4、プラチナ・ディスク
獲得
カナダ No.33、ゴールド・ディスク
獲得
、オーストラリア No.47
、オランダ No.3
、フィンランド No.3
、ゴールド・ディスク
獲得
、ノルウェー No.5
、スウェーデン No.6
、そして全英No.17
、ゴールド・ディスク
獲得
全米チャート上のランクは今一つですが、さすがに世界中でビッグ・セールス
さらに日本、オリコン・アルバム・チャート No.28
やはり彼女のネーム・バリューと発売元が大手レコード会社に移った・・・
そこに起因しているでしょう。・・・
正直、Why Do Fools Fall In Loveは、全米No.1
になると思ったのですが・・・
それでも続く、ロック色の濃いMirror Mirrorも大ヒットし
・・・
Diana Rossは、新天地で、’80年代、新たなスタートを切ったと言えるでしょう。
尚、ほぼ同時期に、古巣であるMotownレコードは、2枚組ベスト・アルバム
All The Greatest Hitsをリリース
Lionel RichieとのEndless Love
、It's My Turn
等がフィーチャーされ・・・
全米No.37、全米R&B No.14
、ゴールド・ディスク
獲得
、全英No.21
、プラチナ・ディスク
獲得
、オランダ No.24
・・・となっています。
’70年代後期、Diana Rossのお株を奪っていた感じのDonna Summer
そしてこの数年後に登場する超スーパースター Whitney Houston
さらには、Diana Rossの弟的存在でもあった Michael Jackson
・・・みんな早逝してしまいました。
そんな中、2015年1月、日本武道館での来日公演
で健在ぶりを見せてくれた時は、本当に嬉しく思いました。
ポピュラー・ミュージック界のR&Bの女王 Diana Ross
1981年のWhy Do Fools Fall In Love
1つの大きな再スタート地点と言えるでしょう。・・・