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1980年のアルバム(その68 Foolish Behaviour / Rod Stewart)
1980年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.12のアルバム
を続けていますが・・・
ここに登場するのは・・・
Rod Stewart
特に日本においては、'70年代最後に大フィーバーぶりを見せていた彼の人気・・・
でも、それは一過性のようなもの・・・すぐに冷めて、'80年代へ・・・
そしてそんな1980年後半、Rod Stewartの新曲が登場しました。
タイトルは・・・
Passion
まさにRodらしい、タイトルそのものから、熱いナンバーでしたが・・・
日本での話題というのは・・・
「Rod Stewartが某洋酒メーカーのCMに出演する
」
そちらの方が大きな話題でした。
そしてそんなRod Stewartの2年ぶりのニュー・アルバム
が登場
タイトルは・・・
Foolish Behaviour
Rodらしいタイトル
このタイトル曲も、いち早くFM放送で聴きましたが・・・
Stonesを思わせるロック・ナンバー
そしてサビのコーラス部分が、悪ふざけな感じもするナンバー
自分は大いに気に入りました。
そしてアルバムも日本発売へ・・・邦題は・・・
「パンドラの匣」
原題とは全く違う・・・それとも意訳
・・・
恐らくアルバム・ジャケットの赤の水玉のデザインから、そのようになったのでしょう。
そして日本では、シングルとしてリリースされたのが・・・
Oh God, I Wish I Was Home Tonight
こちらは、前述の洋酒メーカーのCMソングとなったからで・・・
Maggie Mayを彷彿させるフォーク・ロック調のナンバー
「今宵焦がれて」の邦題で発売
そして、日本では、B面にPassionが収録されました。
レコーディングは、1979年11月~12月、1980年2月~9月
ロスアンゼルス Record Plant、ハリウッド Cherokee Studios
にて・・・
Rod Stewartヴォーカル
、ハーモニカ
Jim Creganギター
、Gary Grainger
ギター
、Billy Peek
ギター
Phil Chenベース、Carmine Appice
ドラムス
、ティンパニ
Kevin Savigarキーボード🎹
以上が、The Rod Stewart Group
その他、キーボード🎹は、John Jarvis
パーカッションは、Paulinho Da Costa、ヴァイオリン🎻は、Sid Page
サックス🎷は、Phil Kenzie、Earl Price
、James Gordon
トロンボーンは、Billy Lamb、Jim Price
、トランペット🎺は、Lee Thornburg
バッキング・ヴォーカルとして・・・
Susan Grindell、Valerie Carter
、Dianne Steinberg
、Dee Archer
、Tony Brock
、そしてThe Rod Stewart Group
ストリングス・アレンジメントは、Del Newman
その他、曲ごとにゲスト・ミュージシャンも参加しています。
マスタリングは、Strawberry Masteringにて・・・
エンジニアは、Karat Faye、セカンド・エンジニアは、Rick Charles Delena
ミキシングは、Jeremy Andrew Johns、The Somerset Segovia
プロデュースは、Harry The Hook(Rod Stewart
の変名)、The Rod Stewart Group
、Jeremy Andrew Johns
アルバム・ジャケット、デザイン、コンセプトは、Harry The Hook
ほぼ全曲、Rod Stewart、Phil Chen
、Kevin Savigar
、Jim Cregan
、Gary Grainger
の作品です。
A面1曲目、軽くトランペット🎺が聴こえて、一転、ギターからロックン・ロールへ・・・
Better Off Deadでスタート
、こちらは、Rod Stewart
、Phil Chen
、Kevin Savigar
、Carmine Appice
の作品
タイトル値は裏腹、元気の出るスピーディーなナンバー
ロックン・ロール・ギターは、Billy Peek
、コーラス
も盛り上げます。
2曲目、一転してやや重厚なムードにシンセサイザー音が響いて・・・
Passion、語るように歌い始めてパワフルに盛り上げていくRod
ならでは
Carmine Appiceは、シンセサイザー・ドラムもプログラミング
ミステリアスなムードも高めていきます・・・
"New York, Moscow, Hong Kong, Tokyo, Paris, Bangkok~"
まさに世界を股にかけるRodらしいナンバー
、前述の通り・・・
アルバムから第1弾シングルで、全米No.5
、全米R&Bチャート No.65
そして、1981年の全米年間チャート No.38
全英 No.17、アイルランド No.6
、カナダ No.2
、オーストラリア No.16
、ニュージーランド No.7
、オーストリア No.14
、スイス No.4
、西ドイツ No.13
、ベルギー No.4
、オランダ No.5
、アイスランド No.16
、スウェーデン No.5
、南アフリカ No.1
・・・世界中で大ヒット
日本では、最初はシングルB面でのリリースでしたが、後になって、某自動車会社のCMに使われたこともいあって、改めてシングル発売されました。・・・
尚、シングルでは、ロング・ヴァージョン等、色々登場していたようです。・・・
3曲目、ロック・ギターのカッティングに、Gary Graingerの弾くドブロ・・・
Foolish Behaviour、タイトル曲、邦題はここでも「パンドラの匣」
Rodが力強く歌うロック・ナンバー
"Why I Wanna Kill My Wife~"と当時、新婚Rod
の過激な歌詞
そしてサビの部分、酒が入って歌っているようなコーラス
そこへ、Rodの笑い声・・・悪ふざけの感じでそのままメキシコへ逃亡
・・・
Rod自身、ハーモニカも聴かせ、これがロックと言えるナンバー
最後は盛り上がってフェイドアウトしていきます。
自分としては大好きなナンバーです。
4曲目、レゲエのリズム、やや東洋的なメロディ・ラインのイントロから・・・
So Soon We Change、Rod
が'60年代ソウル風に歌うミディアム・テンポ
ここでのドラムスは、Roger Bethelmy、キーボード音🎹が印象的・・・
邦題は「ガラスの恋人」です。
5曲目、ピアノ🎹のイントロから、アコースティック・ギターで、フォーク・ロック調
Oh God, I Wish I Was Home Tonight、邦題「今宵焦がれて」
前述の通り、Maggie Mayを思わせるRod
らしいナンバー
バイオリン🎻が効果的に入り、心地よく響き・・・
ここではベースは、James Haslip、ドラムスは、Colin Allen
ギター・ソロは・・・Jim Cregan、かつてのRonnie Wood
のような存在です。
日本ではCMとのタイアップで、アルバムから第1弾シングル
他でもシングル・リリースされた国があり、西ドイツNo.74、スウェーデン No.4
尚、日本の某洋酒のCFでは、やはりサッカー・ボール⚽を蹴っていて・・・
"Something Mysterious"とか言っていましたね。・・・
B面1曲目、ドラムスのカウント、キーボード🎹が刻むイントロ、ハードなロックへ
Gi' Me Wings、最初からRod
が熱唱するパワフルなナンバー
女性コーラス陣も、ハードなギターも盛り上げます。
ベースは、なんとTim Bogert、Carmine Appice
とは鉄壁のリズム・セクション
またホーンもパワフルに挿入されています。
全米ロック・チャート No.45、邦題は「自由への翼」
1981年の日本公演のオープニング・ナンバー
サンバイザーを被って登場した姿が印象的でした。・・・
2曲目、ピアノ🎹とアコースティック・ギターをバックに、"Miss You, Baby~"と・・・
My Girl、一転して優しく歌われるソウル・バラード
、ベースは、Tim Bogert
Rod Stewart、Phil Chen
、Jim Cregan
、Gary Grainger
、Carmine Appice
の作品、そうタイトルからも、Temptations
へのオマージュと言えるナンバー
ファルセットのコーラス、サックス・ソロ🎷も、Temps
を思わせます。
アルバムから第2弾シングルで、全英 No.32
、アイルランド No.21
、オランダ No.41
、ニュージーランド No.42
・・・世界各国でヒットしました。・・・
3曲目、勢いよくイントロから、ハードにロックン・ロール
She Won't Dance With Me、Rod Stewart
、Jorge Ben
の作品
こちらもスピード感溢れるナンバー、女性コーラス陣も盛り上げ・・・
ノリノリのロックン・ロール・ギターは、Billy Peek
、ベースは、Tim Bogert
この曲のみ、プロデュースは、前作までの Tom Dowd
邦題は、「ダンスは一人じゃ踊れない」、ライヴ向きのナンバーです。
4曲目、エレクトリック・ピアノ🎹に、静かにギターが響いて・・・
Somebody Special、Rod Stewart
、Phil Chen
、Kevin Savigar
、Jim Cregan
、そして何と Steve Harley
の作品
、ドラムスは、 Colin Allen
Rodは、力強く歌いますが、優しさあり、そこへ女性コーラス
ストリングスも効果的に加わるミディアム・テンポのバラード
米国ではアルバム
から第2弾シングルで、全米 No.71
その後、主流となるAORの先駆けといえるかもしれません。
5曲目、ストリングスをバックに、エレクトリック・ピアノ🎹、美しいギター・・・
Say It Ain't True、美しい音をバックに、あの声で歌うRod
女性コーラスもバックアップ、じっくり聴かせます。・・・
ここでもドラムスは、Colin Allen、ギターも効果的に挿入されます。・・・
邦題は「つらい別離」、最後はやはり静かに締められました。・・・
本作品、最初のリリースの時は、カセット・テープ版は、曲順が異なりました。
A面、Foolish Behaviour、Better Off Dead
、Oh God, I Wish I Was Home Tonight
、Gi' Me Wings
、I Just Wanna Make Love To You
、She Won't Dance With Me
B面、Say It Ain't True、My Girl
、So Soon We Change
、Somebody Special
、Passion
そう、カセット・テープの方には、Willie Dixonのブルース、I Just Wanna Make Love To You
が収録され、A面が、ファースト・サイド、B面が、スロー・サイドといった構成になっています。
CDの時代となり、オリジナルの10曲に加えて・・・
I Just Want To Make Love To You (Live)、Passion (Alternate Version)
、Gi' Me Wings (Studio Rough)
、The Wild Side Of Life (Live)
、She Won't Dance With Me (Live)
、(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right (Live)
以上6曲が、ボーナス・トラックとして収録されている盤
もあります。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.12、全英 No.4
ともに、プラチナ・ディスク獲得
オーストラリア No.9、カナダ No.21
、西ドイツ No.23
、オランダ No,8
、ノルウェー No.12
、スウェーデン No.3
、ニュージーランド No.3
・・・
前作には及びませんが、世界各国で、好セールスを記録
そして、日本、オリコン・アルバム・チャート No.19
前作の異常なフィーバーぶりはありませんが、洋楽アルバム
としては、好セールスとなっています。
因みに、自分は、リアルタイムでは、輸入盤で購入しました。・・・
Rod Stewart、本作が出たタイミングで、1981年4月~5月に2年ぶりの来日公演
が発表されました。
前回ほどではありませんが、Rod Stewartのフィーバーぶりは再燃
日本武道館5回を含む全国公演のチケット
はやはり争奪戦になりました。
・・・で、1981年の話になりますが、その来日公演について・・・
今度は日本武道館に見に行き、席は2階東スタンドでしたが、ステージ及び会場全体を見渡すことができました。
・・・ということで、場内の様子を上から見ることができたのですが・・・
Gi' Me Wingsで始まったライヴ
、オープニングから最高潮
・・・のようですが、多くの特にアリーナ席の観客はこの曲を知っているのか・・・
ノリのいいロック・ナンバーだったら、何でもいいのでは・・・そう感じました。
静かな曲でも、Rodに合わせて歌う、といった感じはなく、問題のMaggie May
どうせ客席にマイクを向けても歌ってくれないと、Rod
は悟ったのでしょう・・・
"Maggie, Maggie, Maggie~"とだけ、歌ってくれるよう呼び掛けていたのですが、それでも観客の反応は今一つ・・・
Da Ya Think I'm Sexy?では、2年前のフィーバーぶりが再燃といった感じで盛り上がりましたが、やはり問題は、Sailing
、イントロが流れると同時に・・・
「キャー」とそれまでとは比較にならない絶叫
多くの観客は、ライターを灯したり、ウェイヴを作ったり、それまでと全く違う反応
ここで、自分は、
「Rod Stewartが可哀そう・・・」
ただそのように思いました。
この来日時、Rodは、酔った勢いで、名古屋のホテルの壁をぶち破ったそうですが・・・これは、そんな観客に対する不満の腹いせであると思っています。
SailingとDa Ya Think I'm Sexy?
しか知らなくて、Rod
のアルバム
はまともに1枚も聴いたことがない、それでRod
のコンサートに(特に良い席で)来た者は、コンサートをぶち壊した犯罪者である
・・・そのようにさえ思っています。
1979年の来日公演の少し前あたりから、日本
で続いていたRod Stewart
の異常なフィーバーぶりは、この1981年の来日公演
を境に一気に冷めた
・・・そのようです。
但しほとんどが一過性のまさにミーハー
本当のファンと言える人たちではなかったので、その後のRodの活動に影響を与えることもなかったでしょう。・・・
ただ、このFoolish Behaviour
そのような状況下ゆえ、特に日本では正当に評価されなかったように思いますが・・・
バラエティーに富んだロック・アルバムで、Rod Stewart
の中でも傑出した1枚である
、自分はそう思っています。