1978年のアルバム(その9 FootLoose&FancyFree/RodStewart)
1978年のアルバム・シリーズ
続いては最高位全米No.2ということで・・・
Foot Loose & Fancy Free / Rod Stewart
実はこのアルバム、1977年の年末にリリースされ、さらには、その時期に、先行シングルであった、You're In My Heart
もチャートを上昇していたので・・・
1977年のアルバムで取り上げるか、迷ったのですが・・・
1978年になり、アルバム・チャートNo.2に
Fleetwood MacのRumours
は、追い抜けず、そしてSaturday Night Fever
の登場で、結局No.1
には届きませんでしたが・・・
1978年度初頭にチャートを賑わしていたアルバムということで、こちらで登場となりました。
尚、邦題は「明日へのキック・オフ」
そう、Rod Stewartが、サッカー選手
であったことは、あまりにも有名ですよね。
1976年から1977年にかけて、シングル Tonight's The Night (Gonna Be Alright)が8週連続No.1
そんな大ブレイク中とほぼ同時期に、Rod Stewartが、ツアーもできる スーパー・ロック・バンド
を結成する
というニュースが伝わってきました。
そしてそのバンド結成のために3名は、某ロック・バンドから脱退するとのことでしたが・・・
先ず、Carmine Appice
Vanilla Fudge、Cactus
、そして日本では何と言っても、Beck, Bogert & Appice
としての来日公演
で、ツー・バスのドラムス
でド肝を抜くプレイを披露してくれたスーパー・ドラマー
この時期、KGBのメンバーでしたが・・・
尚、Jeff Beckは、BBA
を組んだ時、ヴォーカル
をRod
にして、Led Zeppelin
以上のバンドを作ろうと考えていたこともあったようです。
それ以外では、Jeff BeckのBlow By Blow
のベーシスト、Phil Chen
Steve Harley & Cockney Rebelのギタリストで、その後、Rod
の片腕的存在となる Jim Cregan
かつてRodのFaces
時代に前座を務めたこともある、Gary Grainger
Chuck Berryの門下生で、前作
にも参加していた、Billy Peek
このようなメンバーが集められたのでした。・・・
アルバムが日本発売されて間もなく、高校時代の唯一、洋楽の話ができる友人が、「このアルバム
の、You Keep Me Hangin' On
、Carmine Appice
とVanilla Fudge
で一緒だった、Mark Stein
も参加しているんだろう
・・・」
そんなことを言って、このアルバムを購入していました。・・・
そして、その友人に触発されてか(笑)少し経ってから、このアルバム
「明日へのキック・オフ (Foot Loose & Fancy Free)」を購入したのでした。
Rod Stewartリード・アンド・バッキング・ヴォーカル
メンバーは前述の通り・・・
Gary Graingerギター、バッキング・ヴォーカル、Billy Peek
ギター、バッキング・ヴォーカル、Phil Chen
ベース、ドラムス、バッキング・ヴォーカル、Jim Cregan
ギター、バッキング・ヴォーカル、Carmine Appice
ドラムス、バッキング・ヴォーカル、John Jarvis
キーボード、バッキング・ヴォーカル、Phil Kenzie
サックス
その他、曲ごとに多彩なミュージシャンが参加しています。
レコーディングは1976年~1977年
ロスアンゼルスの、Marla Sound、エンジニアは、John Naslen
、Sy Potma
Cherokee Studios
、エンジニアは、Andy Johns
(バッキング・ヴォーカル
も・・・)、George Tetko
Wally Heider Recording Studios、エンジニアは、David Gerts
、Wally Heider
マスタリングは、Lee Hulko
プロデュースは、3作続けて、お馴染み、Tom Dowd
です。
アルバム・ジャケット写真は、表面は、David Alexander、内ジャケットは、Kent Gavinとクレジットされています。
A面、ドラムスの一撃から、Rodの雄叫び
Hot Legsでスタート
、やや長めのイントロ
基本的にはシンプルなロックン・ロールですが、トリプル・ギターで重量感を感じます。
、Rod
とGary Grainger
の作品
、勿論、女性の脚のこと
I Love You, Honey~、Rod
らしい歌
Phil Chenのスラップ・ベースから、Biily Peek
のロックン・ロール・ギター
オープニングを飾るに相応しいナンバー
アルバムから、第2弾シングルで、全米No.28
、全英No.5
コンサートでもオープニング
が多いナンバーです。
2曲目、ファンキーな、You're Insane
RodとPhil Chen
の作品
、邦題は「まともじゃないよ」
パーカッションで、Paulinho De Costa、Tommy Vig
そしてサックスのPhil Kenzie、サビの部分では、Rod
の歌を盛り上げます。
3曲目、Fred Tackettの奏でる美しいアコースティック・ギターから・・・
You're In My Heart (The Final Acclaim)、邦題は「胸につのる想い」
Rodの歌
に続いて、Richard Greene
のバイオリンが叙情的に入ってきます。
Rod自身の作品で、別れたガールフレンド、Britt Ekland
に捧げたナンバー
(それにしても、1年前のヒット曲 Tonight's The Night~は、Britt
との歌だったのに・・・)
尚、ここでは、Steve Cropperギター、David Foster
キーボード、Nicky Hopkins
シンセサイザーが参加
、ドラムスは、Roger Bethelmy
前述の通り、先行シングルで、全米No.4、全英No.3
大ヒットとなりました。
4曲目、再びCarmine Appiceのドラムスから、ハードなギターが入り・・・
Born Loose、邦題は「生まれながらのルーズ野郎」
Rod、Gary Grainger
、Jim Cregan
の共作
Rodが得意とする、スピード感あふれるロックン・ロール
やはり、トリプル・ギターで迫力のあるサウンド、ソロは、Billy Peek
パーカッションは、Paulinho De Costa
そして、ギターに絡んでくるハーモニカ
なんとロック界のレジェンド、John Mayall
いったん、スローダウン・・・そして再び息を吹き返し、そのハーモニカもフィーチャー、パワフルにA面は終了となりました。・・・
B面、ストリングス音がフェイドインしてきて、オルガンがメロディを奏で・・・
ハードなギターと、パワフルなドラムス、そしてRodが歌う・・・
You Keep Me Hangin' On、「キープ・ミー・ハンギン・オン」
勿論、The Supremesの1966年の全米No.1
ヒット
で作者は勿論
Holland-Dozier-Holland
そして、1967年にVanilla Fudgeがカバー
、全米No.6
に
そう何を隠そう、Carmine Appiceは、そのドラマー
水を得た魚のように叩き、そこで歌っていた Mark Stein
は、バッキング・ヴォーカル
で参加
、セルフ・カバーとでも言えそう・・・
そんな役者が揃った中で、Rodが熱唱
一瞬ブレイクがあり、壮大なストリングスをバックに、ピアノがブリッジとなり、ギター、再びハードなサウンドとなっていきます。
ストリングス・アレンジメントは、Del Newman、8分に近い大作となっています。
Vanilla Fudgeヴァージョンが、日本で人気があったということもあって、それに近いこのRod
のヴァージョン
も日本独自でシングル・カット
長い曲ゆえ、A面B面に分けて、B面は「キープ・ミー・ハンギン・オン (パート2)」となっていました。
尚、1987年に、Kim Wildeも全米No.1
ヒット
にしています。
余韻を残した前曲のメロディがピアノで奏でられたところで、Rodが歌い始める・・・
(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right
Luther Ingramの1972年、全米No.3
の大ヒット曲
、作者は、Homer Banks
、Carl Hampton
、Raymond Jackson
叙情的なPhil Kenzieのサックスとかけ合い、Rod
は熱唱
Atlantic CrossingのDrift Away
同様、その時点での割と新しいR&Bナンバー
を取り上げたRod
、泣きのロック・バラードとして歌いこなしています。
この曲も、David Fosterエレクトリック・ピアノ、Steve Cropper
ギター、Roger Bethelmy
ドラムスと、You're In My Heart~
と同じようなメンバー
ストリングス・アレンジメントは続けて、Del Newmanです。
アコースティック・ギターの音が重なり、悲し気なメロディが奏でられ・・・
You Got A Nerve、Rod
とGary Grainger
の作品
メランコリックに熱唱するRod
ギターは勿論のこと、シンセサイザー等も効果的です。
やや重厚なムードとなったところで、やや明るい曲調のアコースティック・ギターが奏でられ、そのストロークから、Rodが歌う・・・
I Was Only Joking、邦題は「ただのジョークさ」
RodとGary Grainger
の共作
Maggie May以降、アコースティック・ギターのストロークをバックに歌う、ミディアム・テンポのロック・ナンバーは、Rod
ならではのもの
メンバーもコーラスでバックアップ
アコースティック・ギターに重なる、Jim Creganのエレクトリック・ギターのソロ
バックの音は、徐々に静かになり、最後は、Rodの歌
で締められます。・・・
アルバムから、第3弾シングルで、全米No.22
、全英No.5
アダルト・コンテンポラリー・チャートにも登場、No.31でした。・・・
アルバムの方は、前述の通り、全米No.2
、全英No.3
文字通り、1977年~1978年にかけて、チャートを賑わした1枚でしょう。
前述の友人の薦めの通り、本当に聴き応えのあるアルバム
聴く時はしっかり、聴き入っていました。
ちょうどこの年、NHKのYoung Music Showで、Rod Stewart
のライヴ
が放映されました。
時期的には前作のリリース後で、メンバーは既に、Carmine Appice
ほか、新しいメンバーになっていました。
その内容は、Tonight's The Night (Gonna Be Alright)から始まって、観客も一緒に歌っていて、最初から盛り上がっているコンサート、「新聞記者に捧げます」と、I Don't Want To TalkAbout It
、ストーリー性のある The Killing Of Georgie
では、ステージ上で倒れたり、そして極めつけはMaggie May
、なんとお客さんだけに歌わせて・・・そして最後は、やはりSailing
で、締めていました。・・・
このライヴ
見たいなぁ・・・日本で見ることができる日が来るのだろうか
・・・
この時はそう思っていたのでした。・・・
Rod Stewart、ちょうどこの年あたりに、日本で大人気となっていきます。・・・
この「明日へのキック・オフ (Foot Loose & Fancy Free)」でファンになった人たちが、温故知新といった感じで、Jeff Beck Group
や、Faces
も含めて、Rod Stewart
への関心をどんどん広めていく・・・
そのような人気なら良かったのですが・・・
残念ながら、そのような状況下での人気爆発ではなかったのでした。・・・
(1976年のアルバム その18 A Night On The Townに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12381478900.html
(1975年のアルバム その48 Atlantic Crossingに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12348686777.html