1975年のアルバム(その48 Atlantic Crossing / Rod Stewart)
自分が洋楽を聴き始めた当初、ロック・シンガーとしてよく聞く名前に、Rod Stewartがありました。
元Jeff Beck Groupで、その当時、日本人ベーシスト、山内テツさん
が加わったということで話題のFaces
のリード・ヴォーカリスト
そして、バンドとしてより、ソロとしての方が売れている
ハスキー・ヴォイスで、キツツキのようなヘアー・スタイル、タータン・チェックのファッション
そして元サッカー選手
それが・・・Rodのイメージでした。・・・
そんなブリティッシュ・ロックを代表するRod Stewartがアメリカに渡って、凄いミュージシャンたちと傑作アルバム
を作った
それが・・・
Atlantic Crossing
なんとLPレコード時代は、A面がFast Halfと、アップ・テンポの曲
B面がSlow Halfと、バラード・ナンバー
それも話題に
そして自分としては、日本発売された頃に、FMで全曲エアチェックできました。
1975年9月のことと思います。
アルバムのプロデュースは、特にEric Claptonの作品で名高いTom Dowd
Booker T. & The MG'sのメンバーをはじめ、まさにアメリカのミュージシャンのオールスター・キャストが参加しています。
A面すなわちFast Sideに針を下ろすとノリのいいリズムで、自作のThree Time Loserでスタート
Sam Cooke、Otis Redding
、David Ruffin
らに影響を受けたRod
らしいソウルフルな歌
バックの女性コーラス、そしてThe Memphis Horns
が盛り上げます。
続いてレゲエ調のリズムから、Alright For An Hour
軽快なギターを刻んでいるのは共作者のJesse Ed Davisでしょう。
3曲目、力強いドラムスから、スピード感あふれるAll In The Name Of Rock 'N' Roll
自作の歌詞もユニーク、軽快なピアノ、そしてここでもホーンが活躍です。
そして親しみやすいメロディのギターのイントロから・・・Drift Away
この2年前に、Dobie Grayが大ヒットさせたナンバー
日本でも「明日なきさすらい」として有名ですが、このようなナンバーもすっかりRod
は自分の歌にしています。
そしてこの面最後は、硬質のギターのイントロから、ロックン・ロール、Stone Cold Sober
まさにStones風但しここでギターを弾きまくっているのは、当時はまだStones
の正式メンバーではなかった盟友Ron Wood
ではなく、共作者であるSteve Cropper
でしょう。
ノリノリで最後は拍手、スタジオ・ライヴの雰囲気
ここで、Fast Sideは終り・・・
でも本当にFastと言えるのは、3曲目と5曲目だけじゃないかな・・・そうも思っていました。・・・
さてB面、Slow Sideへ・・・
アコースティック・ギターのイントロから、I Don't Want To Talk About It
Crazy HorseのDanny Whitten
が書いたナンバー、Rod
のライヴでの定番曲の一つ、「マスコミに捧げる・・・」と歌い始めます。後になってシングル・カットされました。・・・
続いてもアコースティックなサウンドをバックに、It's Not The Spotlight
Barry GoldbergとGerry Goffin
の共作、バックにはDavid Lindley
が参加
尚、日本では浅川マキさんが日本語でカバーしていました。・・・
そして、Isley Brothersのヒットでもお馴染みのThis Old Heart Of Mine
やはりこのような曲はRodならでは
です。
’80年代後期になんと本家のRonald Isleyと再レコーディングして、ヒットしましたが・・・
Isley大好き人間の自分でも、このAtlantic Crossing
ヴァージョンの方が大好きです。
曲の方はミディアム・テンポのStill Love You
この面で唯一のRodのオリジナル
泣きのフィドルも効果的
Rodファンの友人が「RodにI Still Love Youって言われたら、女の子はたまらないぜ」そう言っていました。
最後はアコースティック・ギターのイントロから、Sailing
全英No.1、但し全米ではあまりヒットしませんでした。・・・
Pete Carrのギター、そしてArif Mardin
によるストリングスでドラマチックにエンディングとなりました。・・・
このアルバム
LPレコードとして購入したのは少し後なのですが、この当時、カセット・テープに録音したものを何度も何度も聴いていました。・・・
この年、Jeff BeckのBlow By Blow
がギタリストのためのギタリストのアルバムと言われていたのですが、それならかつての盟友であったRod
のこのアルバム
はヴォーカリストのためのヴォーカリストのアルバム
ではないか
・・・
当時中学生ながら・・・子供心にそう思っていました。
尚、元々、ソロとしての方が人気のあった感じもするRod Stewartでしたが、このアルバムの成功で、完全にソロ・アーティストに
そして同時にRon WoodのThe Rolling Stones
への正式加入で、Faces
は消滅したのでした。・・・
ところで、この頃、Rod Stewartは当時のガールフレンドだった女優のBritt Ekland
と色々なところに顔を出していて、派手さを振りまいていて・・・そういったところもRod Stewart
の魅力の一つだったと思います。
今回は、この時期(1975年頃)についてのみ記させていただきました。・・・