1980年のアルバム(その37 LightUpTheNight/BrothersJohnson)
1980年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.5のアルバムを続けていますが・・・
まさにこの時期、タイムリーな人たちとなった・・・
The Brothers Johnson
Quincy Jonesの秘蔵っ子というべき、Johnson兄弟ですが・・・
何といっても、そのQuincy Jonesが、Michael Jacksonの Off The Wall で、大ブレイク
さらには、そこには、ベース奏者として、Louis Johnsonが参加
当然のことながら、The Brothers Johnsonの作品にもこれまで以上に注目が集まります。
そんな中、’80年代の幕明けとともに登場した先行シングルが・・・
Stomp!
パーカッションも響いたノリのいいイントロから、盛り上がるキャッチーなナンバー
そう、作者は、やはり Michaelの一連の楽曲を書いた Rod Temperton
当然の如く、ヒット・チャートを急上昇
そして、アルバムの方は・・・
Light Up The Night
まさにグッド・タイミングなリリースなのですが、なんと Michael Jacksonも参加
話題性も満載で、今までの彼ら以上の勢いで、チャートも上昇していきました。
レコーディングは、1978年~1980年
カリフォルニア州、ハリウッド Allen Zents Recording、A&M Recording Studios、バーバンク Kendun Recordersにて・・・
George Johnsonリズム・ギター、リード・ギター、リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
Louis Johnsonベース、ギター、ピアノ、シンセサイザー、ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
Greg Philliganesエレクトリック・ピアノ、ピアノ🎹、シンセサイザー
Rod Tempertonエレクトリック・ピアノ、Steve Porcaroシンセサイザー
Paulinho DaCostaパーカッション、John Robinsonドラムス
Jerry Heyトランペット🎺、Gary Grantフリューゲルホーン、トランペット🎺
Kim Hutchcroftフルート、サックス🎷
Larry Williamsフルート、サックス🎷、シンセサイザー
そう、ホーンは、The Seawind Horns
Bill Reichenbach Jr.ユーフォニウム、ストリングス・コンダクター、トロンボーン、スライド・トランペット
そしてバッキング・ヴォーカルは・・・
Alex Weir、Augie Johnson、Jim Gilstrap、Josie James、Merry Clayton、Richard Heath、Scherrie Payne、Susaye Greene-Brown、Valerie Johnson、そして、Michael Jackson、Quincy Jones
凄い顔ぶれです。
マスタリングは、A&M Studiosにて、Bernie Grundman
ミキシング、エンジニアリングは、Kendun Recordersにて、Bruce Swedien
アシスタント・エンジニアリングは、John Van Nest、Ralph Osborn、Randy Pipes、Tim Gerrity
シンセサイザー・プログラミングは、Steve Porcaro
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey
リズム・アレンジメントは、The Brothers Johnson、Quincy Jones、Rod Temperton
シンセサイザー・アレンジメントは、Johnny Mandel、Quincy Jones、Rod Temperton
バッキング・ヴォーカル・アレンジメントは、Quincy Jones、Rod Temperton
そしてプロデュースは、勿論、Quincy Jonesです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Chuck Beeson、Glen Wexler
デザイン、カバー・コンセプトは、Ed Eckstine、Glen Wexler
イラストレーションは、Kurt Triffet、写真撮影は、Glen Wexler
そのようにクレジットされています。
A面1曲目、パーカッションのリズム、ギターのカッティングに合わせて・・・
Stomp!でスタート
Rod Temperton、Louis Johnson、George Johnson、Valarie Johnson
4人の作品、ストリングス、ホーンが入り優しく歌うGeorge
大人数のコーラスがバックアップ
そしてサビの部分のあのリズム、Rod Tempertonならでは
Louisのチョッパーベース、Georgeのギターもフィーチャーされ・・・
最後はラップ風のリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、先行シングルで、全米 No.7、全米R&Bチャート No.1、全米ダンス・チャート No.1、1980年の全米年間チャート No.46、年間R&Bチャート No.15 、その他、オーストラリア No13、カナダ No.49、フランス No.6、オランダ No.11、アイルランド No.14、ニュージーランド No.1、全英 No.6
世界中で大ヒット、日本でも当時かなりオンエアーされていました。
2曲目、ベース音も効いた力強いリズム、ギターも入ってきて・・・
Light Up The Night、アルバム・タイトル曲
Rod Temperton、Louis Johnson、George Johnsonの作品
躍動感のあるホーンにバックアップされ、ノリよく歌う George、Louis
そしてあのリズム、ここでは女性コーラスも印象的です。・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米R&Bチャート No.16、オランダ No.37、ニュージーランド No.19、全英No.47・・・といったヒットとなっています。
3曲目、ホーンをフィーチャーした躍動感のあるイントロから・・・
You Make Me Wanna Wiggle、邦題は「おまえにスリル」
Rod Temperton、Louis Johnson、George Johnson、Valarie Johnson
4人の作品、リード・ヴォーカルには、Alex Weirも加わり・・・、
ホーンをフィーチャー、コーラスも分厚いので、EW&Fを思わせるところも・・・
Georgeのエフェクターを効かせたギターもフィーチャーされます。・・・
4曲目、それまでと一転して、美しいイントロで始まる・・・
Treasure、Rod Tempertonの作品
リード・ヴォーカルは、Richard Heath、エレクトリック・ピアノ中心の音・・・
重厚なコーラスをバックにじっくり聴かせる極上のバラード
タイトル通り、まさに宝石のように輝いたナンバー
アルバムから第3弾シングルで、全米No.73、全米R&Bチャート No.36
ここでは、George、Louisともにバックアップ側に回っているようです。
B面1曲目、陽気な感じにホーンが鳴り響き、そこからディスコ・ビートへ・・・
This Had To Be、シンセサイザーをフィーチャーしたノリのいいナンバー
そう、Michael Jackson、Louis Johnson、George Johnsonの作品
ここでは、Georgeの歌をMichaelがバックアップしていますが・・・
MichaelのOff The Wall に入っていてもおかしくないナンバー
Rod Tempertonの作品とMichaelの作品の微妙な違いを感じられるナンバーと思います。
2曲目、一転してストリングスから、静かに・・・
All About The Heaven、Rod Tempertonの作品
ここでは、Georgeが優しく歌い、ホーンも心地よく挿入され・・・
心洗われる気分になります。
3曲目、軽快なギターのカッティングから、ストリングスも入り・・・
Smilin' On Ya、インストゥルメンタル・ナンバー
George Johnson、Greg Philliganes、Louis Johnson、Jerry Hey
4人の作品、トランペット🎺によるソロ・パートがフィーチャー
この時代のフュージョン・ミュージックを象徴する音作り
後半、シンセサイザーのソロも、最後はホーンでフェイドアウトしていきます。
4曲目、ドラムスから、スキャットも入った心地よいイントロ・・・
Closer To The One That You Love、邦題「いつの日か君と」
Rod Temperton、Louis Johnson、George Johnsonの作品
Georgeの軽快なギターに合わせて、心地よい歌声
ここでもリラックスしたムードになります。
5曲目、ギターのハーモニクス音にエレクトリック・ピアノ等、色々加わってきて・・・
Celebrations
Rod Temperton、Louis Johnson、George Johnsonの作品
ファンキーな音をバックに、シンセサイザーによるメロディ・ライン
ほとんどインストゥルメンタルですが、"Celebrations~"と・・・
サビの部分では、コーラスによる歌あり
Louisのベースをブリッジに、ギター、シンセサイザーもフィーチャーされ・・・
最後はコーラスのリフレインで、フェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.5
全米R&Bアルバム・チャート No.1、全米でプラチナ・ディスク獲得
1980年の全米年間アルバム・チャート No.38
その他、全英 No.22、カナダ No.58、オーストラリア No.57、ニュージーランド No.4、ノルウェー No.12、スウェーデン No.23、オランダ No.43・・・
世界中でビッグ・セールス
文字通り、The Brothers Johnson最大のヒット・アルバムとなりました。
Quincy Jonesに見出された The Brothers Johnson
その彼ら兄弟が打ち立てた金字塔
まさにそれが、この Light Up The Nightと言えるでしょう。
ただこの成功によって1番注目を集めたのが、Louis Johnson
彼のあのパワフルな、チョッパー・ベース、もしくはスラップ・ベース
これは、音楽シーンに多大な影響を与えました。
そして前述の Michael Jacksonの例も然り、Brothers Johnsonとしての活動より、Quincy Jonesのお抱えミュージシャンとしての活動が中心となっていきます。
本作のレコーディング・メンバー・・・
Rod Temperton、Greg Philliganes、John Robinson、Jerry Hey
そして、Louis Johnson
この5人は、この翌年、日本武道館で行われたQuincy Jones公演に同行したのでした。・・・
The Brothers Johnsonとしても、Quincyから離れての活動もが続き・・・
さらに後に、Georgeだけとなった時も存続していましたが・・・
恐らくこのシリーズにアルバムが登場するのは、これが最後と思います。・・・
そんな彼らですが、その後のミュージック・シーンに与えた影響は多大である
改めて実感するのが、この1980年の Light Up The Nightでしょう。
(参考までに・・・)