1978年のアルバム(その35 Blam! / Brothers Johnson)
1978年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.7のアルバムが続いていますが、次は・・・
The Brothers Johnson
Quincy Jonesの秘蔵っ子、といった感じで、デビュー時から、注目を集めた George Johnson、Louis JohnsonのJohnson兄弟ですが・・・
前作Right On Timeからのシングル Straeberry Letter 23が全米No.5の大ヒット
これによって、日本でもファンの幅を広げ
そしてもう一つ大きな注目を集めたのが、当時は、チョッパーとも言われていた
Louis Johnsonのスラップ・ベース
そんな人気者となった Brothers Johnsonだけに、新作が大いに期待されるのですが、1年ぶりにリリースされたのが・・・
Blam!
何かタイトルからだけでも、凄く熱いパワーが伝わってきそうです。(笑)
レコーディングは、1978年・・・
カリフォルニア州、ロスアンゼルスの Cherokee Recording Studios、Westlake AudioRecording、ニュー・ヨークの A&R Recordingにて・・・
George Johnsonリード・ギター、リード&バッキング・ヴォーカル
Louis Johnsonベース、ギター、ピアノ、シンセサイザー、ヴォーカル
彼らの従兄弟の Alex Weirリズム・ギター、ヴォーカル
あと参加ミュージシャンが凄い
David Fosterシンセサイザー、エレクトリック・ピアノ
Larry Carltonギター、Steve Khanギター
Harvey Masonドラムス、Steve Shafferドラムス
Wayne Vaughnエレクトリック・ピアノ、バッキング・ヴォーカル
Richard Teeエレクトリック・ピアノ、アコースティック・ピアノ
Eddie "Bong" Brownパーカッション
TOTOとしてデビュー寸前のSteve Porcaroシンセサイザー
Steve Foremanティンパニ
ホーンは・・・
Lawrence Williamsシンセサイザー、サックス、アルト・フルート、クラリネット
Kim Hutchcroftサックス(アルト、ソプラノ、バリトン、テナー)、アルト・フルート
Jerry Heyトランペット、フリューゲルホーン、ピッコロ、フレンチ・ホルン
Gary Grantトランペット、フリューゲルホーン、スライド・トランペット、ピッコロ
William Reichenbachトロンボーン(バス、アルト)
Michael Breckerテナー・サックス
バッキング・ヴォーカルは・・・
Babi Floyd、Bobby Rodriquez、Frank Floyd、Gwen Guthrie、Kenny Pickens、Patti Austin、Raymond Simpson、Richard Heath、Tom Bahler、Yollanda McCullough、Vivian Cherry、William Eaton、Zachary Sanders
さすがに、Quincy Jonesといった顔ぶれです。
ミキシングは、Bruce Swedien
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey、Quincy Jones、Tom Bahler
アソシエイト・プロデューサーは、Tom Bahler
プロデュースは勿論、Quincy Jonesです。・・・
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Roland Young
イラストは、Drew Struzan、写真撮影は、Glen Wexler
前述の通り、熱いパワーが伝わってきますね。
A面、熱いかけ声から、ファンキーにスタート
1曲目は Ain'f We Funkin' Now
Alex Weir、Louis Johnson、Quincy Jones、Tom Bahler、Valerie Johnsonの作品
典型的な’70年代のディスコ・ソングに多いビートですが、Louisのベースを軸に、
ホーンも挿入、コーラスも入り、分厚いサウンドに
後半には女性コーラスも・・・そしてギターもフィーチャーされます。
シングル・カットされ、全米No.102 、R&BチャートもNo.45と今一つ・・・
邦題は「ファンキン・ナウ」で、日本でもシングル発売されていました。・・・
2曲目、一転して、ストリングス音から、Georgeが歌う重厚なバラード・・・
So Won't You Stay、David FosterとHarvey Masonの作品
女性コーラスも曲を盛り上げ、サックス・ソロも・・・
終始効果的に出てくるギターは、Larry Carltonと思われます。
3曲目、躍動感溢れるホーンとシンセサイザーのイントロから・・・
Blam!、アルバム・タイトル曲、Alex Weir、David Foster、George Johnson、Louis Johnson、Quincy Jones、Tom Bahlerの作品
Louisのベースが、軽やかに響き、それにのせて歌う George
パワフルなホーンは、EW&Fのサウンドを思わせます。
"Well, Well, Well~"のリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
B面・・・シンセサイザー音から、宇宙を思わせる、ホーンを中心として、ティンパニも入り、交響曲風に・・・
Rocket Countdown / Blastoff
William ReichenbachとJerry Hey、ホーンの2人の作品でインストゥルメンタル・ナンバー、ちょうど Star Warsのサウンド・トラック等を思わせます。
コーラスが入って、続くのは・・・
Ride-O-Rocket、邦題は「ライド・オン・ロケット」に・・・アルバム
なんと、Nickolas AshfordとValerie Simpsonの作品
重厚なコーラスと、ホーンも軽快なリズムをバックに、Georgeが歌います。
シングルとしてリリースされましたが、全米No.104、R&BチャートNo.45
今一つの結果でした。・・・
続いて、キーボードから、ファンキーなLouisのベース
Mista's Cool、インストゥルメンタル・ナンバー
Ed Eckstine、Larry Williams、Louis Johnsonの作品
Louisのスラップ・ベースを軸として、シンセサイザー等がファンキーなメロディを奏でます。、最後の方ではタイトルのスペルが口ずさまれます。・・・
少し静まって、軽いビートで始まるのは・・・
It's You Girl、ここでの歌は、Georgeでなく、Alex Weir
George Johnson、Louis Johnson、Quincy Jonesの作品
コーラスがAlexの歌をバックアップ、サビの明るい部分は印象的
そして、Steve Khanが心地よいギターを聴かせてくれます。・・・
アルバム最後は、やはりLouisがベースを刻み、キーボード、ホーンと加わる・・・
Streetwave、Alex Weir、Jerry Hey、Louis Johnson、Wayne Vaughnの作品で、インストゥルメンタル・ナンバー
重厚なホーン・セクション、そしてベースにバックアップされ・・・
シンセサイザー、サックスがメロディを・・・まるで都会の夜のサウンド・トラック
このナンバーでフェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、全米No.7、全米R&BチャートNo.1
これまでの3枚の中で、最大のヒット・アルバムとなりました。
当時の作品で言えば、EW&FのAll 'N Allと双璧を成せるとも言うべき、1曲1曲のクォリティの高いアルバムと思います。
ただ収録時間が、(特にA面は・・・)短いのですよね。・・・
それとこのアルバムからなぜかシングル・ヒットといえるヒットが出なかったのですが・・・(タイトル曲 Blam!をシングル・カットすべきだったのでは・・・)
もう少し収録時間が長く、シングル・ヒットが出ていたら、全米No.1になっていた・・・そのように思っています。
自分自身、このアルバムを1番聴き込んだのは、1996年3月の大阪ブルーノートでの来日公演の頃だったかもしれません。・・・
前述の通り、その公演では、Louisは参加せず、Georgeだけ、ヒット曲は本人の歌で聴けるものの、Louisのベースが無いというのは・・・気の抜けたような感じであったことは否めません。
またいつかは・・・と思っていたのですが、2015年にLouis Johnson・・・
叶わぬ夢となってしまいました。・・・
兎に角、1978年
その時代のサウンドを何歩も何歩もリードしていた・・・
それが、The Brothers Johnsonでした。
(1977年のアルバム その73 Right On Timeに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12589764617.html