1979年のアルバム(その63 Volcano / Jimmy Buffett)
1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.14ということで登場するのは・・・
「海」をイメージするスーパースター
Jimmy Buffett
ライヴ・アルバム You Had To Be There
(1978年、全米No.72、ゴールド・ディスク獲得)
このシリーズでは、選に漏れてしまいましたが、それに続く新作
タイトルは、シンプルに
Volcano
「火山」というのも、Jimmy Buffettらしいタイトルと思います。
レコーディングは、1979年5月、モントセラトのAIR Studiosにて・・・
そう、当時はお馴染み George Martinが所有するスタジオ
因みにタイトル"Volcano"は、この島が火山島だから、名付けられたとのこと
(その後、ハリケーン、火山噴火で壊滅的被害に遭っています。・・・)
Jimmy Buffettのお馴染みThe Coral Reefer Bandとしてのメンバーは・・・
Jimmy Buffettアコースティック・ギター、ヴォーカル
Keith Sykesギター、バッキング・ヴォーカル
Barry Chanceリード・ギター
Andy McMahonフェンダー・ローズ、バッキング・ヴォーカル
Mike Utleyピアノ🎹、オルガン、クラヴィネット
Harry Daileyベース、バッキング・ヴォーカル
Russ Kunkelドラムス、パーカッション
George "Fingers" Taylorハーモニカ
その他、楽曲ごとに豪華ミュージシャンが参加
そして、バッキング・ヴォーカルとして上記以外に・・・
Deborah McColl、Alex Taylor、Hugh Taylor、Dave Loggins、Venetta Fields、Brenda Bryant、Paulette Brown、Juan Cadiz・・・がクレジットされています。
ミキシングは、Quadrafonic Sound Studiosにて・・・
マスタリングは、Masterfonicsにて、Glenn Meadows
エンジニアリングは、"Biker" Gene Eichelberger、そしてお馴染み・・・
"Whistlin" Geoffery Emerick
アシスタント・エンジニアは、モントセラトでは、Tim Cuthbertson
ナッシュビルでは、Connie Porter、Jimmy Stroud
モンセラトでの音響技師は、Geoff Irons
プロデュースは、お馴染み Norbert Putnamです。
アルバム・ジャケット
デザインは、Jimmy Buffett、Richard Bibby、Tom Corcoran
カバー・アート、コーディネートは、Tommy Steele
写真撮影は、Jimmy Buffett、Rick Holcomb、Tom Corcoran
そして、ペインティングは、Richard Bibbyです。
The Coral Reefer Bandのメンバーtとの共作を含めて全曲
Jimmy Buffettの作品です。
A面1曲目、カウベルから、軽快なイントロへ・・・
Finsでスタート、Jimmy Buffett、Coral Refer Bandの Deborah McCollと Barry Chance、そして友人の作家 Tom Corcoranの作品
オープニングを飾るに相応しい明るくノリのいいポップなナンバー
パーカッションには、Steve Forman、スティール・ドラムスに、Jackie Dangler
そしてその他あらゆる楽器として、Johnny Montezuma
ハーモニカも含めて、楽しい雰囲気に
"You Got The Fins To The Left, Fins To The Right~"
誰もが口ずさめるような、サビのコーラス、大いに盛り上がります。
アルバムから第1弾シングルで、全米 No.35、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.42、カナダ No.64、カナダAC No.35、カナダ・カントリー・チャート No.62、オーストラリア No.100・・・
Jimmy Buffettのライヴでは観客と一体で最高潮となるナンバーです。
2曲目、ギター、バンジョー・ウクレレ、鳴り物が響き、トロピカルなムードで・・・
Volcano、そう、タイトル曲
Jimmy Buffett、Keith Sykes、Harry Daileyの作品
Donald Douglasバンジョー・ウクレレ、Wilfred Tuittギター、James Elmerベース・パイプ、そして Fingers Taylorシェイカー、Russ Kunkelコンガ
"I Don't Know~"と軽快に、明るく楽し気な雰囲気ですが・・・実は・・・
「火山が噴火🌋したら、どこに逃げたら良いかわからない・・・」とシニカルな歌
最後には「行きたくない場所」が歌われ、その中に"Three Mile Island"も・・・
当時の時代背景を示して、どことなく、Bob Dylanを思わせる歌詞です。
アルバムから第3弾シングルで、全米No.66、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.43でしたが、何とカナダでは、No.1
これは、Three Mile Islandでの原発事故によるものでもあるでしょう。・・・
尚、モントセラトでのハリケーン・ヒューゴ🌀、スーフリエール・ヒルズ噴火🌋による壊滅的被害の後、歌詞の一部が救済の内容に変っているようです。
3曲目、アコースティック・ギターのカッティングとフェンダー・ローズ・・・
Treat Her Like A Lady、Jimmy Buffett、David Logginsの作品
そう、あのシンガー・ソングライターのDave Loggins
バッキング・ヴォーカルでも参加、Jimmyをバック・アップ
ハーモニカも効果的に入るアコースティック・バラード・・・
後半は、ギターを中心にハードなサウンドに
邦題は短縮で「ライク・ア・レディ」です。
4曲目、やはりアコースティック・ギターで静かに始まる・・・
Stranded On A Sandbar、フェンダー・ローズが心地よく・・・
Coral Refer Bandのメンバーによるコーラスも優しくバック・アップ
サビの部分は、ややアップ・テンポに・・・ハーモニカも響きます。
邦題は「砂浜に乗り上げて」です。そして
5曲目、ベース音が響いて、リコーダー、そしてギター、ピアノ・・・
Chanson Pour Les Petits Enfants、軽快に優しく歌い始めるJimmy
リコーダーは、Billy Puett、Bill Jones
Farrell Morrisタンブリン、Steve Formanシェイカー
そしてCoral Refer Bandのメンバーによるコーラス
リコーダーによって、室内管弦楽のようなバックで、歌詞にはフランス語も・・・
最後は、軽いタッチのピアノ🎹で締められます。
邦題は、「幼子の歌」です。
B面1曲目、ピアノ🎹をバックに、ハーモニカも入り、静かに歌い始める・・・
Survive、Jimmy Buffett、Mike Utleyの作品
ピアノ🎹、ベース、ストリングスを中心に、Jimmyがじっくり聴かせ・・・
Coral Refer Bandのメンバーによるコーラスも美しいバラード
最後は、ハーモニカ、ギターで静かにエンディングとなります。
2曲目、一転して、ノリのいいイントロから・・・
Lady I Can't Explain、軽快なアコースティック・ロック
ここでは、歌の内容からも女性陣のコーラスが印象的
ソロは、ギターとハーモニカ、邦題は「たとえようのない恋」です。
3曲目、アコースティック・ギターでややアップ・テンポのトロピカル・ムード・・・
Boat Drinks、Jimmyは、リラックスしたムードで歌い・・・
Coral Refer Bandのコーラス、Jackie Danglerはスティール・ドラムス
そして、ここでは、Fingers Taylorがオルガン・ソロを聴かせます。
後半、歌もパワフルに、盛り上がっていきます。
4曲目、軽快なアコースティック・ギターで・・・
Dreamsicle、フォーク・ロック調ですが、シンプルに・・・
バックは、ほとんどギターとピアノ🎹だけといった感じですが・・・
ベースのHarry Dailey等、Coral Refer Bandのバック・アップで・・・
パワフルに歌われます。
5曲目、アコースティック・ギターのピッキングに、ベース音が加わり・・・
Sending The Old Man Home、静かにパワフルに歌う Jimmy
その印象的なベース音は、プロデューサーのNorbert Putnam
そして、ギターとバッキング・ヴォーカルで参加しているのは、なんと
James Taylor
彼の参加により、音楽もより暖か味を感じます。
邦題は短縮で「オールド・マン」、最後は静かにフィナーレとなります。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.14
全米カントリー・チャート No.15、全米 ゴールド・ディスク獲得
オーストラリア No.50、カナダ No.26・・・
プラチナ・ディスクを獲得した2作に比べたら・・・ですが・・・
安定した人気を示しているように思います。
多方面で活躍、博学なJimmy Buffettだけに、今回もバラエティに富んだ内容
楽曲のテーマもユニークで、フォーク・ロックに限らず様々な音楽も取り入れて・・・
Fingers Taylor等、Coral Reefer Bandとともに、AIR Studiosで作り上げた力作となっています。
さて1979年といえば、多少、円高になっていたとはいえ、1ドル200円以上・・・
さらに渡米に際しては、短期間であっても、観光であってもビザ申請が必要
誰もが簡単に海外へは行けなかったように思います。
まだそのような時代ゆえ、このJimmy Buffettの世界も、日本ではわかりづらい部分が多かったと思います。
もしそうでなければ、Jimmy Buffettのようなユニークなシンガー・ソングライター、もっともっと日本でも受け入れられたことでしょう。
さて70代となっても、まだまだ活動を続ける Jimmy Buffett
1度もライヴを体験したことはありませんが、それは本当にスケールの大きなものとのこと
ここに収録されたFinsとか、最高潮の盛り上がりを、是非体験したい
そのように思っています。