1979年のアルバム(その57 Chaka / Chaka Khan)
1978年のアルバム・シリーズ
続いて全米最高位 No.12のアルバムへ・・・
そして登場するのが・・・
Chaka
そう、Chaka Khanのソロ・デビュー・アルバム
1978年の年末にリリースされたので、1978年に入れるか迷ったのですが・・・
シングル曲のヒットが、1979年・・・
そして Rufusとのアルバムの登場順も考慮して・・・
1979年のアルバムとして、登場です。
Rufusのクレジットは、このところ、Rufus Featuring Chaka Khan
そのようになっていましたが、これは・・・
「決してRufusは、Chaka Khanのバック・バンドではない・・・」
そのような意味も込められていたと思います。
・・・とはいえ、やはり目立つのは、Chaka Khanばかり・・・
そのような中、遂にRufusから離れて・・・
レコード会社も,Warner Brothersと契約
Arif Mardinプロデュースの下、製作されたのがこの Chaka
Arif Mardinの関係ということもあってか、Average White Bandのメンバーをはじめ、豪華ミュージシャンがレコーディングに参加しています。
そして日本では、「恋するチャカ」
といったアイドル歌手()のような邦題でリリースされました。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、John Cabalka
デザインは、Tom Drennon、写真撮影は、Scott Enyart
そのように記されています。・・・
レコーディングは、1977年~1978年
ニュー・ヨーク Atlantic Recording Studios
それ以外は、ロスアンゼルス Cherokee Recording Studiosにて・・・
Chaka Khanリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
ドラムス・・・ Average White BandのSteve Ferrone
ベース・・・ Will Lee、Anthony Jackson
ギター・・・ Average White BandのHamish Stewart、George Bensonのバンドでお馴染みのPhil Upchurch、ピアノ🎹・・・ StuffのRichard Tee
シンセサイザー・・・ Ken Bichel
George Youngアルト・サックス🎷、Ronnie Cuberバリトン・サックス🎷
Michael Breckerテナー・サックス🎷、Randy Breckerトランペット&フリューゲルホーン🎺、Barry Rogersトロンボーン、Brooks Tillotsonフレンチ・ホルン
Jim Buffingtonフレンチ・ホルン、John Clarkフレンチ・ホルン
コンサート・マスターは、Gene Oroff
その他、楽曲ごとに多彩なミュージシャンが参加
サウンド・エンジニアは、James Douglass
アシスタント・エンジニアは、Bill Dooley、Michael O'Reilly、Randy Mason、Sheridan Eldridge、Anthony D'Amico
その他、レコーディング・エンジニアは、Gene Paul、Lew Hahn
リミックスは、Lew Hahn
ブラス、ストリングス、ウッドウインドのアレンジメントは、Arif Mardin
そして、プロデュースは、勿論、Arif Mardinです。
A面1曲目、フィラデルフィア・ソウルを思わせるドラマチックなストリングスから・・・
I'm Every Woman、お馴染み Nickolas Ashford、Valerie Simpsonの作品
パワフルに歌うChaka、アップ・テンポでメロディアスなナンバー
バッキング・ヴォーカルは、Cissy Houston、Will Lee、Hamish Stuart
Chakaとして、ソロ・デビュー・シングルで、全米No.21
全米R&Bチャート No.1、全米ダンス・チャート No.30、カナダ No.38、全英 No.11、アイルランド No.16、オランダ No.15、ベルギー No.20、オーストラリア No.27、ニュージーランド No.18・・・ 世界的に大ヒット
幸先良いスタートとなりました。
その後多くのアーティストが歌っていますが、何といってもここに参加しているCissyの娘、Whitney Houston、映画The Bodyguardのサウンド・トラックから、2枚目のヒットに、1993年に、全米No.4の大ヒットとなりました。
2曲目、軽快なピアノから、ゴスペル調に始まるのは・・・
Love Has Fallen On Me、ここでの邦題は「恋に落ちたら」
なんと Lloyd Webber、EW&Fの作品で知られる Charles Stepneyの作品
Rotary Connectionが、1971年にレコーディングしたナンバーで・・・
その時のヴォーカルは、Minnie Ripoerton
Cissy Houston、David Lasley、そしてAWBのAlan Gorrieが、バッキング・ヴォーカル、Richard Teeのピアノとともに、Chakaをバックアップ
ミュージカル仕立てにも思える中、Chakaは熱唱です。
3曲目、Leon Pendarvisのエレクトリック・ピアノ、そしてStuffのCornell Dupreeのギターで、静かに始まるのは・・・
Roll Me Through The Rushes、David Lasley、Lana Marranoの作品
低い歌声で静かに歌い始めるChaka、徐々にパワフルに
盛り上げるバッキング・ヴォーカルは、作者のDavid Lasley、Cissy Houston、そして何と Luther Vandross、ここでのドラムスは、Rick Marotta
後半は、Geno Biancoによるハープで美しく幕を閉じるバラード
邦題は、短縮形で「ロール・ミー」です。
4曲目、ドラムスから、シンセサイザー、軽快なビートへ・・・
Sleep On It、ここで硬質のギターを弾いている Andrew Kastner、そしてなんと Larry John McNallyの作品
Chakaはノリよく歌い、ここでのバッキング・ヴォーカルは、Will Lee、Hamish Stuart、Richard Teeのエレクトリック・ピアノは心地よく響きます。
5曲目、ドラムスが刻むビートを中心に賑やかなファンキーなサウンドへ・・・
Life Is A Dance、邦題は「人生はダンス」、Once You Get Started等・・・Rufusに曲を書いている Gavin Christopherの作品
それだけに、Rufusに近いナンバーで、ホーン・セクションもフィーチャー
バッキング・ヴォーカルは、Alan Gorrie、Will Lee、Hamish Stuart
ファンキーなムードを盛り上げます。
アルバムから第2弾シングルで、全米R&Bチャート No.40でした。・・・
B面1曲目、ファンキーなビートで、なんと George Bensonのスキャット
We Got The Love、そう George Bensonとのデュエット
George Bensonの作品で、最初、Georgeが歌い始める軽快なナンバー
続いて、Chaka・・・じっくり歌い始め、Georgeとは息の合った所を聴かせます。
Phil Upchurchが、ベース、エレクトリック・ピアノは、Arthur Jenkins、コンガは、Raphael Cruz、フルートは、Eddie Daniels、Phil Bodner、アルト・フルートは、George Marge・・・
ギター奏者ではない、R&Bシンガー George Bensonとの共演でしょう。
George Bensonとしては、1981年リリースのベスト盤 The George Benson Collectionに収録されました。・・・
2曲目、Mark Stevensが奏でるファンキーなベース、AWBのOnnie Mclntyreによるエフェクターを効かせたギターから・・・
Some Love
Keith Boyd、Chaka Khan、Traude Sapik、ベースを弾いている Mark Stevensの作品、パーカッションは、Airto Moreira
ホーンとしては、Brecker兄弟以外に、アルト・サックス🎷で、David Sanbornも参加、分厚いホーンのバックアップで、ファンキーに熱唱する Chaka
後半のテナー・サックス・ソロ🎷は、Michael Breckerです。
3曲目、軽快なAndrew Kastnerのギターに、エレクトリック・ピアノ・・・
A Woman In A Man's World
そのAndrew Kastner、Larry John McNallyの作品
軽快でポップなナンバー、ここでもパワフルに熱唱
ベース・トロンボーンは、Paul Faulise、パーカッションは、Sammy Figueroa
後半、David Sanbornがアルト・サックス・ソロ🎷を少し聴かせます。
邦題は「マンズ・ワールド・ウーマン」となっていました。
4曲目、再びややスローなファンキーなサウンドで・・・
The Message In The Middle Of The Bottom、邦題は短縮で「メッセージ」
R&Bの楽曲を多く書いている Lalomie Washburnの作品
最初は語るように歌い始め、徐々にパワフルに盛り上げるナンバー
ギターは、Onnie Mclntyre、ベースは、Hamish Stuartと、AWBのコンビ
ベース・トロンボーンは、Paul Faulise、クラヴィネットは、Arthur Jenkins、コンガは、Raphael Cruz、チェロは、Jesse Levy、Kermit Moore、Richard Bock、そして、Michael Breckerが、少しテナー・サックス・ソロ🎷を聴かせます。
5曲目、ドラムスから、耳馴染みのあるイントロ、コーラスが入り・・・
I Was Made To Love Him、そう、Stevie Wonderのヒット曲
(1967年、全米 No.2) "Her"が"Him"に変わっています。
Henry Cosby、Lula Mae Hardaway、Sylvia Moy、そして Stevie Wonderの作品、 「愛するあの娘に」、
Terri Gonzalez、Mark Stevens、Hamish Stuartがバッキング・ヴォーカル
有名曲だけに楽しく盛り上がり、そしてギター・ソロを聴かせるのは・・・
盟友と言えるRufusのTony Maiden
Rufusがブレイクしたのも、Stevie Wonderの作品 Tell Me Someting Good
まさにうってつけのナンバーで、アルバムは締められています。
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.12
全米R&Bアルバム・チャート No.2、全米でゴールド・ディスク獲得
オーストラリア No.74、ニュージーランド No.50・・・といったチャート
ソロ・デビューとしては、まずまずの結果だったと思います。
元々、目立っていた Chaka Khan
Rufusから飛び出して・・・豪華ミュージシャンとともに・・・
シンガーとしての可能性を大きく広げた
それが、このアルバムであると思います。
尚、Chaka Khanは、この時点では、まだ、Rufusとの活動も並行して行っていくようでした。
女性R&Bシンガーとして確固たる地位を築いている
Chaka Khan
やはり、スタート地点はここからであり
その後、Whitney Houstonが大ヒットさせたとはいえ・・・
I'm Every Womanは、彼女を象徴する楽曲
そのように思っています。