1978年のアルバム(その70 The Last Waltz / The Band)
1978年のアルバム・シリーズ
70枚目ということで、ようやく登場するのは・・・
The Last Waltz
言うまでもなく、1976年11月25日にサンフランシスコ、Winterland Ballroomで行われた The Band
の解散コンサート
歴史的コンサートとなったわけですが・・・
Martin Scorsese監督により映画化
そして、1978年、3枚組アルバムがリリースされました。
これは、サウンド・トラック盤、それともライヴ盤
Led ZeppelinのThe Song Remains The Same
同様、そのように思われますが・・・今回は、アルバム
としての見地からの投稿です。
前述の通り、コンサートは・・・
1976年11月25日、サンフランシスコ Winterland Ballroomにて収録
その他のレコーディングは・・・
MGM Studios、マリブの Shangri-La
、The Village Recorder
にて・・・
マスタリングは、Allen Zentz Mastering、ミキシングは、Shangri-La
プレスは、ジャクソンビル Capitol Records Pressing Plantにて・・・
The Bandメンバーは・・・
Rick Dankoベース、フィドル、ヴォーカル
Levon Helmドラムス、マンドリン、ヴォーカル
Garth Hudsonオルガン、ピアノ、アコーディオン、シンセサイザー、クラヴィネット、サックス
Richard Manuelピアノ、ドラムス、オルガン、クラヴィネット、ドブロ、ヴォーカル
そして・・・
Robbie Robertsonギター、ピアノ、ヴォーカル
ホーン・セクションは・・・
Rich Cooperトランペット、フリューゲルホーン
James Gordonフルート、テナー・サックス、クラリネット
Jerry Heyトランペット、フリューゲルホーン
Howard Johnsonチューバ、バリトン・サックス、フリューゲルホーン、バス・クラリネット
Charlie Keagleクラリネット、フルート、アルト、テナー、ソプラノ・サックス
Tom Maloneトロンボーン、ユーフォニウム、アルト・サックス、バス・トロンボーン
Larry Packerエレクトリック・バイオリン
・・・と、超豪華メンバー
ホーン・アレンジメントは、Henry Glover、Garth Hudson
、Howard Johnson
、Tom Malone
、John Simon
、Allen Toussaint
コンサート・プロダクションは、Bill Graham
コンサート・プロデュースは、John Simon、Rob Fraboni
ストリングス・アレンジメントは、John Simon
レコーディング・エンジニアは、Ed Anderson、Terry Becker
、Neil Brody
、Tim Kramer
、Elliot Mazer
、Wayne Neuendorf
ミキシング・エンジニアは、Ed Anderson、Baker Bigsby
、Tony Bustos
、Jeremy Zatkin
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Ed Thrasher
デザインは、Casado Design Ltd.
アルバム・プロデュースは、勿論、Robbie Robertsonです。
レコード1枚目A面・・・オルガンの音がフェイドイン・・・
Theme From The Last Waltz、「ラスト・ワルツのテーマ」
Robbie Robertsonの作品
ロックというよりは、室内音楽といった感じの文字通り、ワルツ曲
Robbieは、ダブルネックのラップ・スティール・ギター(
)
Levonはマンドリン、Rick
はアップライト・ベース、Richard
はドブロ、Garth
はハモンド・オルガン
スタンダード・ナンバーに定着したといえるでしょう。
・・・そして、コンサート会場(Winterland)へ・・・
拍手、大声援の中、The Band
Up On Cripple Creek、「クリップル・クリーク」
、アルバム The Band
から・・・
Robbieの作品で、全米No.25
のヒット曲
Levonの歌
、そして、Rick
のコーラス
、唯一無二のThe Band
Robbieが、「友人を紹介するよ
・・・16年前、この人とスタートしたんだ
・・・」
Ronnie Hawkins登場
曲は、Bo DiddleyのWho Do You Love
Ellas McDaniel(Bo Diddley
)の作品で、あのお馴染みのリズム
盛り上がって、Robbieのギターもフィーチャーされます。
次にRobbieは、「この人を知っているよね
・・・」
Neil Young登場
、ハーモニカを吹いて歌うのは・・・
Helpless
CSN&YのDeja Vu
から代表曲で、勿論彼の作品
ここではJoni Mitchellがコーラス
Neil、Rick
、Robbie
が顔を合わせて歌うところで大喝采
曲の方は、Richardのピアノ、Garth
のハモンド・オルガンのイントロから・・・
Stage Fright、同名アルバム
から、Robbie
の作品ですが、歌うのは勿論・・・
Rick、パワフルに熱唱
、Robbie
のギターも冴えます。
レコード1枚目B面・・・Joni Mitchellが紹介され、アコースティック・ギターを抱え・・・
Coyote、勿論、彼女自身の作品で、アルバム Hejira
収録
実はこの時点では、まだリリースされていませんでした。・・・
続いて、Neil Diamond、こちらもギターを抱えて、パワフルに歌うは・・・
Dry Your Eyes、Robbie
がプロデュースしたアルバム Beautiful Noise
から・・・Robbie
とNeil
の唯一の共作
、邦題は「涙をふきとばせ」
後半、Robbieのギターも
Robbieのギターから、再びThe Band
・・・
It Makes No Difference、「同じことさ!」
Rickの名唱
アルバム Nothern Lights - Southern Crossから、Robbie
の作品
後半は、Robbieのギター、Garth
のサックスのかけ合いもフィーチャー
尚、「ラスト・ワルツ」公開時の来日したRobbie
のインタビュアーをされた竹内まりやさん
が好きな曲として挙げておられました。・・・
今度はメンバーとの交友も深い、Mac Rebennackこと Dr. John
Such A Night、勿論、彼自身の作品、軽快なピアノをバックに歌い・・・
楽し気なプレイが、伺えます。・・・
レコード2枚目A面(C面)・・・ホーンが響いて・・・
The Night They Drove Old Dixie Down
アルバム The Bandから、Robbie
の作品
Joan Baezがヒットさせたことでもお馴染み
(1971年、全米No.3
)
Levonの歌を、Rick
たちがバックアップ
、ホーンも効果的に挿入
人気曲ですが、1980年代に再結成したThe Band以降、Levon
は歌いませんんでした。・・・
続いて、Paul Butterfieldが、紹介され、ギターのカッティングから・・・
Mystery Train
Junior Parker、Sam Phillips
の作品
Elvis Presleyでもお馴染みのメンフィス・ブルース
の代表曲
Paul Butterfieldは、勿論、ハーモニカ
Levon Helmと渋い歌
を聴かせて、最後はハーモニカの熱いプレイ
続いて大御所、Muddy Waters登場
、曲はお馴染み・・・
Mannish Boy
Mel London、Mckinley Morganfield
(Muddy Waters
)、Ellas McDaniel
(Bo Diddley
)の作品
ここではギターに、Bob Margolin、ピアノに、Pinetop Perkins
そして引き続きハーモニカで、Paul Butterfieldが参加
重量感のあるディープなブルースを聴かせてくれます。
Muddy Watersに代わって登場したのが・・・
Eric Clapton、黒のお馴染みストラトキャスターを奏で・・・
Further On Up The Road
1957年に、Bobby "BLue" Blandがリリースしたアップ・テンポのブルース・ナンバー
、Don Robey
、Joe Medwick
の作品
Eric Claptonがライヴ
の定番としていたナンバー
やはりストラトキャスターを弾いている Robbieとのギター・バトル
このコンサートのハイライトの1つです。
レコード2枚目B面(D面)、ギターとキーボードのイントロから・・・
The Shape I'm In、力強く歌う Richard Manuel
アルバム Stage Frightから、Robbie
の作品
ホーンも入り、ノリのいいプレイを聴かせてくれます。
続いて、「偉大なソングライター」と紹介され、Bobby Charles
が登場
Down South In New Orleans、Johnnie Wright
、Jack Anglin
の作品
メインで歌うのは、Levon、Bobby Charles
はコーラス
またNew Orleansということでか、ギターを抱え、Dr.Johnも参加しています。・・・
ステージは、ダイナミックなホーンのイントロから、お馴染み・・・
Ophelia、ドラムスを叩きながらの、Levon
のパワフルな歌
アルバム Nothern Lights - Southern Crossから、Robbie
の作品
ホーンをバックに、Robbieのギターも
、人気曲だけに大歓声です。
一転して、Van Morrison登場
オルガンのイントロから・・・
Tura Lura Lura (That's An Irish Lullaby)、「アイルランドの子守歌」
James Royce Shannonという人が1913年に書いた歌
このトラディショナル・ナンバーを魂の歌声で・・・
またRobbieのあのギターも、ここに映えます。
そして、続いても Van Morrison 、ソウルフルに・・・
Caravan、彼自身の作品で、代表的アルバム Moondance
に収録されているナンバー
彼の熱い歌声を、ホーンが、そしてRobbieのギターがバックアップします。
レコード3枚目A面(E面)・・・Lenonのカウントから、パワフルなイントロに・・・
Life Is A Carnival、アルバム Cahoots
から、1971年に全米No.72
珍しくLevon、Rick
、Robbie
の作品で、Levon
とRick
の歌
パワフルなホーンも入り、Robbieのギターも冴え渡ります。
そして遂に・・・
Bob Dylan登場
エレクトリック・ギターで、ハードに始まったのは・・・
Baby, Let Me Follow You Down
デビュー・アルバム Bob Dylanに収録したトラディショナル・ナンバー
Reverend Gary Davis、Dave Van Ronk
、Eric Von Schmidt
の作品
邦題は「連れてってよ」、Bob Dylan
の歌はパワフルで、Hard Rain
での Maggie's Farm
等を思わせ、Robbie
のギターもそれに合わせます。
この頃の Bob Dylanは神がかっていました。
続いてもハードなイントロから・・・
I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
アルバム Another Side Of Bob Dylanから、勿論、Bob Dylan
の作品
ここでも、The Bandと息の合ったハードな歌
を聴かせます。
そして・・・ややスローダウンで、ギターのピッキングから静かに歌い始めるのは・・・
Forever Young、The Band
とのアルバム Planet Waves
から・・・
それだけに息の合ったプレイ、勿論、Bob Dylan
の作品
Bobの歌をバックアップするRick
たちの歌、そしてRobbie
のギター
尚、1978年のBob Dylan初来日公演
でも歌われて、日本でも人気曲に
邦題は「いつまでも若く」
静かに終わったと思ったところで・・・再びハードに
Baby, Let Me Follow You Down (Reprise)、「連れてってよ(リプライズ)」
Robbieたちも、水を得た魚のようなプレイ
、パワフルにエンディング
ここに、今回のゲスト出演者が勢揃い・・・
そこへ・・・
Ringo Starrドラムス
Rolling Stonesに正式加入したばかりのRonnie Wood
ギター
Bob Dylanが歌い始めたのは・・・
I Shall Be Released、勿論、Bob Dylan
の作品
The Bandが、ファースト・アルバム Music From Big Pink
に収録
コーラス部分は全員で大合唱
続いてリード・ヴォーカルは、The Bandで歌っていたRichard Manuel
そして再びBob Dylan、Richard
はファルセットで・・・
ドラマチックにエンディング・・・最後はドラムス音が響いていました。・・・
コンサート部分は終わり・・・この歌はこのような場面でよく取り上げられるようになった気がします。
レコード3枚目B面(F面)・・・
The Last Waitz Suite「ラスト・ワルツ組曲」
全6曲、Robbie Robertson
の作品
1曲目、The Well、AOR的でややアップ・テンポ
、歌はRichard Manuel
2曲目、Evangeline、カントリー調
、Emmylou Harris
が参加
Rick、Emmylou
、Levon
の順に歌われ、心地よいナンバー
3曲目、Out Of The Blue、「ブルーから逃れて」
、珍しくRobbie
が歌う・・・
リラックスしたナンバー
4曲目、The Weight
The Staple Singersと、解散コンサート
とは別に収録されたもの・・・
ここでは、Levon、Mavis Staple
、Pops Staple
、Rick
の順に歌われます。
5曲目、The Last Waltz Refrain、「ラスト・ワルツを再び」
Richard、Robbie
による短いナンバー
、そしてもう1度・・・
6曲目、Theme From The Last Waltz、「ラスト・ワルツのテーマ」
エンド・タイトル・・・少し短めですが・・・一方で最後、余韻を含ませています。・・・
ここに登場させた通り、全米アルバム・チャート最高位No.16でした。・・・
2002年11月、The Last Waitzは、DVD化
Robbie Robertsonがプロモーション来日
タワーレコード渋谷店で、イベントが行われ、最後にサイン会
「ソルトレイクシティ冬季五輪の閉会式に出てこられて、感動しましたよ・・・」
少しお話もさせていただきました。
2012年、Levon Helm死去・・・
バンド運営のリーダー Levonと、Robbie
は遂に和解せぬままに・・・
2018年、40周年記念ということで、「ラスト・ワルツ」のリマスター版が公開
・・・ですが・・・
生きているThe Bandは、やはり1976年11月25日に終わっていたのでしょう。・・・
(1976年のアルバム その72 The Best Of The Bandに関する日記です・・・)
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(1976年のアルバム その2 Northern Lights~に関する日記です・・・)
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(1974年のアルバム その11 Before The Floodに関する日記です・・・)