1976年のアルバム(その2 Northern Lights~ / The Band)
自分が洋楽を断っている時期に発表されたアルバム
その代表と思うのが、The Band
Northern Lights - Southern Cross
何故か邦題は「南十字星」だけになっていました。(苦笑)
The Bandに関しては、そんなに知識があったわけではなく、Bob Dylanとの共演のBefore The Floodとかくらいでした。・・・
(Before The Floodに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12305749136.html
ただ自分が洋楽を聴き始めた頃に出ていたアルバムというのが、Moondog Matineeというスタンダード曲のカバー・アルバム
あとBob Dylanとの共演ものといった感じで、オリジナル・アルバムとしては1971年のCahoots以来ご無沙汰だったのですよね。
あのRobbie Robertsonを中心に作り出される斬新なサウンド
まさにそれが待ち望まれていたのです。・・・
そして、そのNorthern Lights - Southern Crossが遂に発表されることになりました。・・・
・・・といったところで、自分は洋楽を断つ時期に・・・(笑)
解禁となった頃、シングル・カットされたOpheliaがラジオ等でガンガンかかっていました。
そして自分は高校生となってからその日本盤「南十字星」を購入したのでした。
The Band、カセット・テープに代表曲等はエアチェックしていましたが、LPレコードで購入するのは初めてでした。
この時のメンバーは、Rick Dankoがベース、Garth Hudsonがキーボードとサックス、Richard Manuelがキーボード、Robbie Robertsonがギター、Levon Helmがドラムス・・・
基本的にはこの5人編成ですが、楽曲によって色々な楽器をプレイしています。
またヴォーカルは、Rick、Richard、Levonの3人がとっていますが、代表曲のヴォーカルはLevonが多いようです。
全8曲、全てRobbie Robertsonの作詞作曲、プロデュースはThe Bandとなっています。
A面・・・風変わりなRobbieのギターの音から、Forbidden Fruitでスタート
味のあるLevonの歌、バックにはGarthのシンセサイザー、そしてRobbieのギター・ソロは唯一無二です。
2曲めは、Richardが優しく歌うHobo Jungle
Garthのオルガンをバックに、Robbieのアコースティック・ギターが情感たっぷりに響きます。
3曲目、ブラスのイントロからOphelia
歌うはLevon
Garthは色々なブラス音を奏でています。
そして重厚なアコースティック・ギターの音から、Acadian Driftwood
Richard、Levon、Rickが交互に歌い回し・・・
バックにはGarthのアコーディオン、Richardはクラヴィネット
フィドルで、Byron Berlineという人が参加
最後の方はフランス語の歌詞に・・・
アルバム中でも聴きものです。
B面、軽快なベースにブラスが加わって、Ring Your Bell
この曲も、Rick、Richard、Levonが楽しげに歌いまわしています。
そして・・・アルバム一の人気曲、It Makes No Difference
Rick Dankoの熱唱
静かにバックアップするRobbieのギター、そしてサックスはGarth
もはやスタンダード化されていると言えるでしょう。
Robbieが奏でるクラヴィネットのイントロから、Jupiter Hollow
メインで歌うはLevon、他の2人もバックアップ
Garthが色々な音を作り出しています。・・・
そして最後は、割とシンプルなRags And Bones
歌うは、Richard、1番The Bandらしい、この曲でエンディングです。・・・
尚、CD化され、そして2002年にリイシューされた際には、1976年に発売されたThe Best Of The Bandに新曲として収録されていたTwilightと、Christmas Must Be Tonightの2曲が追加収録されていました。・・・
このNorthern Lights - Southern Cross
全米チャートとかではさほど上位には行きませんでしたが(26位)多方面からは大絶賛
と、同時に数年ぶりに作ったアルバムが、このような名盤ということで、「もうやるべきことをやってしまったから・・・解散」
そんなことを囁かれるようになっていたのですが・・・
その答えは・・・
この年の11月25日、Thanksgiving Dayに、The Last Waltzとして、出されてしまったのでした。・・・
The Bandは’80年代になって、Robbie Robertson抜きで復活
日本公演も行われました。
・・・が、1986年にドラッグに溺れていたRichardが自ら命を絶ちました。・・・
でも、その後も3人では不定期に活動をしていたのですが・・・
1999年にRickが・・・
そして、2012年にはLevonが・・・
旅立ってしまいました。・・・
Robbie RobertsonとLevon Helmはなんとかリユニオンして欲しいと思っていたのですが・・・それも叶わぬ夢となってしまいました。・・・
余談ですが、このアルバムでRichard Manuelがリード・ヴォーカルをとっている2曲、Hobo JungleとRags And Bones
それぞれの邦題が、「浮浪者のたまり場」と「おんぼろ人生」
その後、自ら命を絶った人と思うと、何か皮肉なものも感じます。・・・
何はともあれ、このアルバムは名盤
それは今でも色褪せることはないでしょう。・・・