■概要
1960年代末から1970年代の初頭にかけてイギリス及びアメリカ合衆国などで広く発展したロックのスタイルのひとつである。ハードロックとヘヴィメタルとの境界は明確ではなく、ハードロックとヘヴィメタルとを一括してHR/HM(または「HM/HR」)と呼ぶこともある。「ヘヴィメタル」という用語自体は1970年代前半から存在したが、ハードロックが1970年代前半にピークを迎えた後、同時期に台頭したパンク・ロックのスピード感を加味して独自の成長を遂げたジャンルである。代表的なヘヴィメタルバンドとして、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデン、スコーピオンズ、AC/DCなどが挙げられる。
(Wikipedia【ヘヴィメタル】より抜粋)
80年代のアメリカに起きた音楽ムーヴメントのひとつとしてヘヴィメタルがある。ファズやディストーションを強調したエレクトリック・ギターの音が前面にくるラウド感のあるロックのことを総称している。「何かハードロックみたいだな」なぁ~んて思ったんだけど、実のところ明確な区別はないみたいなのよ。
ただね。この手のロックは重たいというかヘヴィというか、何かそういう重金属的なイメージがあるもんだから、ヘヴィ・メタルなんて呼ばれてんだけど、その中でも細かい分類があって、色々とサブジャンルで細分化されてんだわ。
今回も絶対に外せない人達を選ぶのに随分と頭を悩ませたよ。
んじゃあ、惚れるバンドの米国ヘヴィ・メタル・バンド5組を取り上げる!
■アメリカ×4
◆Megadeth - Holy Wars...The Punishment Due
まずは、スラッシュ四天王の一角、メガデス。しかし、フロントマンのデイヴ・ムスティンにとっては嬉しくない言葉だろう、多分。まあ、彼自身もクセの強い人物だったのでバンド活動自体トラブルが絶えなかったようだ。スラッシュ・メタルという革命を起こしつつもイザコザが絶えなかったメタリカを解雇されて「だったら新しいバンドを作って奴らを見返してやる」と意気込んだものの中々上手くいかず。オマケに自分の下に住んでいた人が夜中までベースを弾いていたので、それに腹を立てて「やかましいんじゃ!」と植木鉢をベランダに落としてエアコンのコンプレッサーをぶっ壊してしまったりと。尤も、それが縁でコンタクトが取れ、そのベースの人をバンドに引き入れたというのもあるんだけどね。
因みに、バンド名の由来は、核兵器による膨大な被害を忌避するという意味。また、権力に刃向かうという意味もあるという。つまり権力とは、多分メタリカの事を言っているのであろう。「DEATH」の「A」がないのは、ムスティン曰く「死との関連性を薄める為」との事だけど、一方で彼らを取り巻く周囲では「単純にスペルを間違えただけなんだろ?」なぁ~んて声もあったりする。
(1990年【米:ゴールド】)
◆Mötley Crüe - Dr. Feelgood
モトリー・クルーというバンド名は「寄せ集め」という意味らしい。確かに「その前」で各々が違うバンドに在籍していたところを辞めて集まったからなんだけど、まあHR/HM界でいうなら特に珍しくなく、主義主張の違いからメンバーがコロコロ変わるのはよくあること。それにしても、メンバー全員がドラッグやアルコール依存、事件事故、ゴシップに取り沙汰されたりと何かとニュースになるバンドなのは間違いない。そんな中で、1989年に発表した「Dr. Feelgood」は、全員がドラッグを絶った上で製作されたナンバー。前期ヴィンス・ニール時代最大のヒット曲に!
因みに、バンド名の「o」と「u」の上のウムラウト記号「¨」はドイツビールのレーベンブロイ(Löwenbräu)に影響されている。
(1989年【米:ゴールド】)
◆Dream Theater - The Gift Of Music
メタル界でも異色のカラーを持っているドリーム・シアター。イエスやジェネシスらが展開するプログレッシブ・ロックとメタリカやメガデスらが展開するスラッシュ・メタルの双方から影響を受けて新しくプログレッシブ・メタルなる新ジャンルを確立。このバンドはライヴパフォーマンスを観客に見せつけるというよりも、ずっと時間をかけて煮詰めていくに従って味を出すタイプと思われる。
多分「ヘヴィ・メタルが大嫌いな人でも、このバンドが奏でる美しい音なら受け入れられやすいんじゃないか?」って勝手に思っているオイラでもある。
(2016年【2022年:第64回グラミー賞・最優秀メタルパフォーマンス受賞】
◆Metallica - Master Of Puppets
スラッシュ・メタルの先駆者と称されたメタリカ。だけど、バンドとしては大きくなりすぎたんだろうね、多分。一々ツアーをやるにしてもメンバーだけなんてことはなく、裏方の数も凄いらしいのよ。だから、機材も人件費も嵩む。メタリカがなかなか日本にこれないというのも、その不自由さが故ってことなんだろう。
それはさておき、彼らの「Master Of Puppets」には嵌りましたね。若い頃のモトリー・クルーに聴かせてやりたいくらいだ。歌詞の節々「Master」は麻薬のこと。中毒者の未来に自由意志はなく、創造者の操り人形「Puppets」になるって話。
(1986年【米:ゴールド、豪:プラチナ×2、英:プラチナ、新西蘭:プラチナ グラミー賞計8回受賞、2009年:ロックの殿堂入り】)
■本日の特選(アメリカ×1)
◆Dio - King of Rock and Roll
ヘヴィ・メタル界のゴッド・ファーザーと呼ばれた人物が、ロニー・ジェイムス・ディオという人なんですが、日本ではそれほど知名度が高くない。レインボー、ブラック・サバスなど超大物メタルバンドを経て活躍されたディオ様。当時は、バンド活動中も実年齢は公表されておらず「年齢不詳」とされてきた。それがミステリアスな要素の一部になったのは確かだけど、もっと凄いのは、彼の歌唱力である。絶対音感の持主とされ中高音域のキーなんてもはや神の領域。
そして、新しく創立したバンド名も彼の名そのままにディオに決定!
展開している音楽は、中世のヨーロッパを愛した彼による幻想的な詞の世界(重いものが多い)をメタルの様式と組み合わせたものになっている。人によれば「クラシック・メタル」なんて呼ばれているけど、そんなものはどうでも良くなるくらいの存在感。カリスマなんて言葉は、きっと彼の為にあるんだろう。
(1986年)
★関連文書