#惚れるバンド ~とある英国の新興浪漫~ | 午前零時零分零秒に発信するアンチ文学

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惚れるバンド

 

■概要

 

イギリス人のスティーヴ・ストレンジが主宰開催した「デヴィッド・ボウイ・ナイト」が発祥と言われ、スティーヴ・ストレンジのバンド“ヴィサージ”がニューロマンティックのスタートであり、後にデュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどが登場してきた。 ニューロマンティックのサウンド面は、基本的にはシンセサイザーを多用したエレクトロ・ポップが主体であるが、生演奏主体のバンドも多く存在するため音楽性は様々である。 ルーツとしては、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック等のグラム・ロックの流れからのダンディズムが構築されていったとされる。ビジュアル戦略により、1980年代前半のアメリカで第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれるブームを巻き起こした。

(Wikipedia【ニューロマンティック】より抜粋)

 

 

第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン。

 

80年代初頭にイギリス人ミュージシャン達によるアメリカのビルボードチャートを上位独占。音楽マーケットの世界侵略という名に相応しい脅威を見せつける。

 

だから「ブリティッシュ・インヴェイジョン」なんて呼ばれているんだけど、今回は、その引き金になったバンドを取り上げてみよう。

 

事の始まりは、70年代のロック飽和時代。当時不景気で失業者が続出していたロンドンの政治に反発の声が上がった訳なんだけど、これを商業として利用したのがマルコム・マクラーレンという男だった。彼はアメリカの一部でしか流行していなかったガレージ・パンクを自国イギリスに持ち込んだんだ。

 

マルコムの目論見は見事に当たり商業として成立した訳だ。それは、当時のテクニック至上主義だったロックやポピュラー音楽に反発するかのようにパンクロックが台頭。これまでの音楽常識を破壊した訳だ。

 

しかし、こんなものはすぐに衰退する。パンクによって破壊された音楽マーケットからタケノコのように出てきたのが新しい音楽ニュー・ウェーヴであり、そこから分流してイギリスで流行となった音楽スタイルがニューロマンティック。コレがチャートに革命を起こした。

 

特徴は、グラムロックのような外見や中世ヨーロッパを意識したような化粧やファッションに身を包み、音楽的にはダンスビートをベースとしたようなシンセロックという感じなんだけど、この限りではない。中にはファンクやラテンなどの異ジャンルを鍋に入れて煮詰めたような新しい音楽も含まれる。男性のバンドに多い。

 

と前置きは長くなったのだが…

 

今回はイギリス【新興浪漫】ニューロマンティックの5バンドを取り上げよう!

ハッキリ言って、スンゲェのばかりいたので選ぶのに苦労したよ。

 

 

 

■イギリス×4

 

 

 

◆Roxy Music - More Than This

ロキシー・ミュージック。ニューロマンティックで、このバンドを取り上げないとブライアン・フェリーに失礼だろう。8枚目のアルバム「アヴァロン」はロキシーの長い活動の中でも最高傑作として評されるが、フェリーのダンディズムを遺憾なく発揮された1枚でもある。シングルカットされた「More Than This」は全英6位、現時点で同国シルバーディスク。

(1982年【英:シルバー、2019年 ロックの殿堂入り】)

 

 

 

◆Ultravox - All Stood Still

ウルトラヴォックスのコアなファンは、初期のジョン・フォックス時代を支持しているが、オイラ的には後期に登場したミッジ・ユーロ時代のほうに魅力を感じる。シンセが全面に出ているんだけど、どこかシャンソンの匂いまで漂わせるダンスポップ。実のところ、平沢進率いるP-MODELや細野晴臣のYMOなど、日本のバンドが彼らから影響を受けている。

(1981年【英:シルバー】)

 

 

 

◆The Human League - Don't You Want Me

ヒューマン・リーグ。彼らこそ、第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンの先駆けとなったバンド。結成当初は、フィリップ・オーキーを除いて音楽に関して素人同然の集団だったが、ディスコでスーザンとジョアンヌをナンパしてきてから転機が訪れる。バックヴォーカルが欲しかったからだ。フィリップは自ら彼女たちの家に行き、親を説得。スーザンたちにとっては、1日で世界が変わったのだ。再始動したヒューマン・リーグは直ぐさまツアー敢行。彼らの音楽を聴いて貰えば解ると思うが、YMOやABBAから多大な影響を受けている。

(1981年【英:プラチナ×2、加:プラチナ、米:ゴールド】)

 

 

 

◆Japan - Gentlemen Take Polaroids

イギリスなんだけどジャパンというバンド名。デヴィッド・シルヴィアンは特に日本を意識した訳じゃなかったようだけど、何となく「ジャパン」という響きが気に入ったのだという。しかし、彼らの音楽が完成の域に達したのは1979年の3rdアルバム「Quiet Life」からであり、デヴィッドも「ジャパンはココから始まった」と公言している。1980年発表のシングル曲「Gentlemen Take Polaroids」は、ニューロマンティックを象徴する曲。カッコイイですね。デヴィッドの美貌と彼のネットリしたヴォーカルに女性ファンも多かったという。

(1980年)

 

 

 

■本日の特選(イギリス×1)

 

 

 

◆Duran Duran - Planet Earth

ニューロマンティックに感化された音楽ファンなら、殆どの人がこのバンドを真っ先に思い浮かべるであろうデュラン・デュラン

 

よくもまあ、これだけの美男子が揃ったものだ。しかも、バンドとしての実力も一級品とくれば、もやは奇跡と言ってもいいだろう。後からでもいいので、動画でキーボードの人を観てみてほしい。ジャパンのデヴィッド・シルヴィアンと瓜二つなんだよねえ。でも、血縁関係はなし。彼は最年少なんだけどバンドのリーダーでもあるニック・ローズ。こういうのを見ていると…天は二物を与え過ぎだ。

 

ハードロックのようなギターだけど、全然洗練されていてカッコイイ音。よくドライブするベースとドラムによって構成されるダンスビート。冷たくて切れ味のあるシンセサイザー。セクシーで存在感あるサイモン・ル・ボンのヴォーカル。オイラが真剣に洋楽を聴こうとしたキッカケになったバンド。

(1981年【2022年 ロックの殿堂入り】)

 

 

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