2024年大阪府立高校の異常な倍率差、維新の会教育改悪はもう取り返しがつかない大混乱 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

2024年大阪府立高校の異常な倍率差、維新の会教育改悪はもう取り返しがつかない大混乱

2024年大阪府立高校の異常な倍率差、維新の会教育改悪はもう取り返しがつかない大混乱

 

2024年大阪府立高校受験倍率(全体)

https://www.sankei.com/common/js/lib/pdfjs/web/viewer.html?file=https://www.sankei.com/module/edit/pdf/202401/osaka_syutugan20240306.pdf

 

※2024年大阪府立高校受験倍率

資料1

 

 

旧1、2学区は、文理学科の北野・豊中・茨木が君臨し、その下の普通科高校も異常な高倍率で、成績中堅レベルの生徒の行き先が少なすぎる。

旧2学区時代から人気だった春日丘高校の1.44倍は、相変わらずめちゃくちゃ高いが、旧2学区で中堅だった山田高校が1.24倍というのは、ちょっと異常な高倍率だ。

大阪府立高校トップ10である文理学科以外で、本来なら中堅私大進学を狙えていた中堅クラスの府立高校が軒並み、維新の府立高校統廃合政策で次々に減らされた。そこで、成績中堅層の生徒は、これまた維新の会主導による私立高校授業料無償によって、結果的に私立へ流れる仕組みである。これが、維新の会の政策による一部私立高校への利益誘導を疑わせる理由だ。

 

だが、2024年春の府立高校受験の様相は、これまでよりひどい。さらに今後、私立高校授業料無償の所得制限が撤廃される予定で、これによってますます混乱が増すだろう。大阪府下の高校進学は、完全にカオス状態で、中学校による進路指導はもはや不可能な有様だ。

もし、維新の会の大阪府政が今後も引き続き、定員割れの府立高校を統廃合の対象にし続けるなら、旧1、2学区では渋谷、北摂つばさ、高槻北、阿武野、摂津といったかつての中堅校が軒並み潰されかねない。これからも中ぐらいの成績の生徒の進学先は、ますます選択肢が狭まる一方で、授業料無償に引っ張られて私立へ誘導されるだろう。

 

 

一方で、大阪府立高校の成績上位校も、現状、展望は明るくない。大阪府立高校トップ10の文理学科のうち、豊中高校1.57倍、高津高校1.56倍という異常な高倍率は、いくらなんでもひどすぎる。これはさすがに、高校受験の倍率ではありえない。大学入試と違って、高校受験は基本的にやり直しがきかないので、進学希望者全員の進路を保証することが教育行政に求められるからだ。

成績上位の受験生徒は、もちろん事前に相応レベルの私立を滑り止めにキープしているだろうが、府立トップ10の高倍率加熱が、結果的に大量の成績上位者を確実に私立に流す仕組みとなっているのである。これは、一部私立への露骨な利益誘導だといえる。

 

※2024年大阪府立高校受験倍率

資料2

 

 

もう一つ、維新の教育改悪のとばっちりで定員割れになってしまったのが、平成の頃には花形の学科だった総合学科の各校だ。本来、総合学科は現在の文理学科を先取りしたような、学校裁量で文系理系横断の多種多様な教育ができるのが持ち味だった。ところが、維新の会支配下でいびつな府立高校ランク分けが進行した結果、どんどん定員割れが増えてきて、今やすっかり凋落させられてしまった。柴島高校の総合学科は、唯一の高倍率1.24倍を保っているのだが、大阪市内、特に東淀川区の特殊事情もあって、希望者が集中しているのかもしれない。

 

 

※2024年大阪府立高校受験倍率

資料3

 

さらにひどいのが、大阪のものづくりを支えるはずの工業や商業など職業高校の定員割れだ。あの全国一の吹奏楽部で有名な大阪府立淀川工科高校でさえ、今年は定員割れだ。今宮工科と佐野工科はまだ希望者が多いようだが、今のうちにテコ入れしていかないと、工業系が総崩れになってしまってからでは、職業高校の立て直しは教員の人材的にも難しいのだ。

また最近、維新の会の政策で大阪市立の高校から府立に移管させられた、元の大阪市立の工業系・商業系の高校も見る影もなく定員割れ続出だ。

本来は地元・大阪の経済を先々支えるための人材育成に注力していた職業高校を、こんな無残な状態にした維新の会の教育政策は、完全に間違いだったのが明白である。

 

 

 

 

 

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