大阪府公立中学のチャレンジテストは中学校区の格差を露わにする
大阪府公立中学のチャレンジテストは中学校区の格差を露わにする
※参考記事
チャレンジテストで社会の一部 未学習のまま受験 大阪・茨木の三島中2年(産経2018年1月17日)
http://www.sankei.com/west/news/180117/wst1801170014-n1.html
この報道、大いに問題があります。
まず、チャレンジテストの範囲を未学習だった中学校名を、出してしまっています。
これでは、この中学の校区の人気が下がるでしょう。
また、該当生徒が不利にならないよう協議する、とありますが、もしそうするなら、表に出てこないだけで他にも不利になる生徒がいくらでもいるかもしれません。
この学校だけ、表に出たからといって配慮するのは、根本的に不公平があります。
つまり、
現行の大阪府公立中学のチャレンジテストは、不備がありすぎるのです。中学間の学力格差で、高校入試に大きな不公平が生じかねない制度です。
これは、元々、大阪府の中学校が相対評価だったのを絶対評価に変える際に、学校間の差が生じないよう共通テストを導入したのですが、そのテストが、更に学力格差を顕著にしてしまっているという皮肉な結果です。
具体的には、
チャレンジテストの範囲を授業で到達できないレベルの学校がある一方で、授業でこのテストの対策までやれるレベルの学校もあるのです。
元々、中学校間の格差は知る人ぞ知るで、中学校区で土地の値段に差がつくぐらいなのですが、このテストのせいで中学のレベルは数字ではっきりわかるようになってしまいました。
そもそも、
大阪府の公立中学の評価を、従来の相対評価から絶対評価に変えたのは、かつての橋下府知事時代からの置き土産です。この教育改革のせいで、大阪府の中学生は、高校入試に向けて1年生から競争を強いられています。おまけに、内申点の格差是正のためのチャレンジテストで、自分の学校のレベルが下がらないよう、テスト向けの余分な対策勉強もさせられて、本当に気の毒な限りです。
だいたい、
橋下府知事時代の教育改革のせいで、現在の大阪府公立中学生は、高校受験に向けて1年生から全てのテストの成績が内申に入るため、ひたすら競争を強いられます。
チャレンジテストで中学格差が露わになり、住んでいる区域で進学に最初から差がついていることもわかってしまう。大人の事情が子供を無用な競争に追い込んでいます。
更に、
橋下教育改革の結果、現在の大阪府の公立高校入試は、無用なほどハイレベルの入試問題で受験競争に打ち勝つ生徒と、定員割れによって廃校になる高校の生徒、という両極端になりつつあります。教育格差は、確実に、ますますひどくなっている。
ちなみに、府立高校中最高レベルの10数校の入試問題は、かの灘高の問題よりも難しいと、大手塾の教師も呆れているぐらいです。つまり、灘高合格者が府立高校を落ちているというのです。
公立高校は本来、なるべく公平に、幅広い層の子供を受け入れるためにあるはず。それが、天下の灘高より難しい問題で入試をするのは、本末転倒でしょう。一部のハイレベル府立高校は、難関大学への進学数を伸ばしているようだが、一方で、定員割れの高校が廃校に追い込まれるのでは、納得がいきません。一体、何のための公立高校なのか、わからなくなってしまいます。
※参考ブログ
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12255175654.html
大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12237697831.html
大阪の中学校のチャレンジテスト騒動、その後
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12239515212.html
大阪府の公立高校の入試を元に戻してほしい
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12133138304.html