大阪の中学校のチャレンジテスト騒動、その後 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

大阪の中学校のチャレンジテスト騒動、その後

大阪の中学校のチャレンジテスト騒動、その後


大阪府知事が記者会見で、チャレンジテスト大量欠席を教師の指導のせいにしたのは、認識が甘いとしかいいようがない。
保護者や本人たちが、ラインなどで「成績下がる」情報をひろめたから、あれほど大量に同調者が出たのだろう。そもそも、チャレンジテストによる成績操作の信頼性に疑問があったからこそ、当事者である生徒が大量離反する動きにつながったと考えるのが妥当ではないか。
大阪府知事にしても教育委員会にしても、大阪の中学生をなめすぎだと思う。教師が、いくら休んでいいよなどと言ったとしても、本当に自分たちの進路に悪影響があると感じてたら、学年の半分もの生徒が休んだりしないはずだ。むしろ、当事者の生徒たちがチャレンジテストを信用していないから、大量にボイコットしたと考えられる。それを黙認した保護者の側にも、学校や教委に不信感が蔓延している証拠なのでは。
大阪のチャレンジテスト騒動は、報道の切り口も表面的すぎる。これは、公式発表にあるような、教師の指導のせいではなく、当事者の生徒や保護者によるチャレンジテストボイコットと捉えるべきではなかろうか。大阪の教育改革が信頼されてないから、鬱積した不満や不安が、当事者の中で噂として広まり、自発的な集団行動に転じた、と考えられる。教師の指示で動いた結果ではない。
だいたい、今時の中学生や保護者たちは、教師に言われたからといって、大切なテストを集団欠席などしない。チャレンジテストが信用出来ないからボイコットに走ったのだ。
今の教師が、学年の半分を欠席させるなどまず不可能だ。そんな影響力は、学校にはない。当事者の生徒、保護者の間にある学校や教育行政への漠然とした不満感、不信感、入試改革への不安が、大量の同調者を生んだのだ。


※参考記事
大阪府統一テスト、他校でも大量欠席 大半「体調不良」
(朝日新聞2017年1月16日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1J3G6GK1JPTIL006.html?rm=364


統一テスト、欠席続出 「休んでいいが」教員発言を誤解
(朝日新聞2017年1月13日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1F3SXZK1FPTIL00P.html?rm=366

 

 

※参考ブログ
大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12237697831.html

 

大阪府の公立高校の入試を元に戻してほしい
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12133138304.html