週刊文春《大阪「中学生統一テスト」に異論噴出》(石井謙一郎)記事は要注目。橋下教育改革の大失敗 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

週刊文春《大阪「中学生統一テスト」に異論噴出》(石井謙一郎)記事は要注目。橋下教育改革の大失敗

今週の週刊文春《大阪「中学生統一テスト」に異論噴出》(石井謙一郎)記事は要注目です。

 


この件、以前から筆者もこだわって書いています。この大阪府市の高校入試改革、中学校成績調整の統一テストは橋下教育改革の大失敗だといえます。
筆者の場合、自分の子供がちょうど中学生で、このチャレンジテストの影響をもろに受けています。
そこで、今回は確認したくて第3弾を書きました。


※第1弾
大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12237697831.html

 

※第2弾
大阪の中学校のチャレンジテスト騒動、その後
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12239515212.html

 

 

文春記事の中で、気になるのは以下の部分です。

※引用(週刊文春より)
1、2年生のチャレンジテストの場合
《問題は、チャレンジテストの点数がそれまでの評定と差があった場合、チャレンジテストの点数が優先されて1年間の評定が決まることにある。
たとえば2学期までの評定が3だった生徒のチャレンジテストの点数が94点以上だったときは、無条件で5に修正される。
もちろんその逆もある。評定4の生徒の点数が48点なら、わずか1点の不足で3以下に下がってしまうのだ。》

3年生の場合
《3年生のチャレンジテストは、
5科目のテストで学校全体の平均点を出し、高かった学校は、内申点に5や4を多くつけることができる。低かった学校では、3や2の配分が多くなる。》

 

 

 


これは本当なのでしょうか?

少なくとも、自分の子供の中学校で受けた説明では、個別の生徒の成績が、チャレンジテスト1回の点数で大きく変わる、ということは聞いていませんでした。
しかし、大阪府の解説をHPでみると、どうやらそういうことのようです。


※大阪府教育庁HPより
http://www.pref.osaka.lg.jp/shochugakko/challenge/

解説引用

〇「評定の範囲」とは
各中学校における生徒の年度末評定が妥当性・信頼性の高いものであるかどうかを判断するため、チャレンジテストの結果を活用し、府教育委員会が示す得点の範囲を示したものです。                                                                                  
※[活用例]1年生の国語において「評定3」と評価されている生徒の得点が「評定の範囲」である92点から37点の間にあれば、その生徒の評価は妥当かつ信頼できるものとする。
〇作成方法
各教科(選択問題においては選択問題ごと)の評定ごとに、チャレンジテストの得点の分布を統計の手法によって処理し、分布内の約95%を「評定の範囲」とします。

※同
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/24765/00242078/h28hanni.pdf


1、2年生の場合

 

 

 


なるほど、これでは、いくらがんばって1、2、3学期の定期テストでよい点をとっても、せっせと宿題やノート提出、小テストでがんばっていても、一回のチャレンジテストで大きな失敗をすると、評定が変わってしまうことになります。
自分の子供の成績が、果たしてこの基準で評定をつけられているのかどうか?細かいところがわかりません。
高校受験のために成績の公平性を保つというのであれば、学校の成績のつけ方をもっと細かく公表して、疑問の余地のないようにしなければいけないと思います。チャレンジテストの問題をみたことがありますが、なかなか難しいテストです。これをクリアしないと成績が下がるというのなら、学校でチャレンジテストの対策をやってほしいと思います。みすみす成績が下がるとわかっているのなら、確かにテストを休むのも一つの作戦だな、と思ってしまいます。

大阪府市は、もう一度、このチャレンジテストによる評定の調整を再考し、できれば以前の相対評価に戻してほしいです。
相対評価のときには、学校間の格差は公然のものであり、「偏差値輪切り」といわれながらも、生徒が高校進学できるよう、きめ細かい進路指導がなされていました。
今のようなやり方では、日頃がんばっている生徒がばかをみるような感じです。生徒本人も、この仕組みでは、公平性を実感できないだろうと思います。