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藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(117)

今すぐ発て、日本勢
沸騰シリコンバレー
みんなの攻略ガイド2015

2015.07.27



テーマ

今週号の特集のテーマは

米サンフランシスコまで拡大したシリコンバレーが
日本企業の進出ラッシュに沸いている。
IT・ネット企業に限らず、製造業、飲食とあらゆる企業が、
シリコンバレーを目指す。
ここに、モノのインターネット化「IoT」ブームと、
政府の後押しが追い風となり、
もはやどんな産業もシリコンバレーと無関係ではいられ
なくなった。
しかし、ITの聖地で結果を残すことは、たやすくない。
日本企業が陥りがちな「落とし穴」とは。成功の「掟」とは。
全業種に対応した「シリコンバレー攻略ガイド2015」。
日本勢よ、これを携え、今すぐ発とう

 (『日経ビジネス』 2015.07.27 号 P.022)

ということです。






今すぐ発て、日本勢<br />沸騰シリコンバレー<br />みんなの攻略ガイド2015

今すぐ発て、日本勢
沸騰シリコンバレー
みんなの攻略ガイド2015

(『日経ビジネス』 2015.07.27 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 PP.022-023)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27







第1回は、
「PROLOGUE 日本勢、進出ラッシュ
 過去最高の熱気」
「PART1 浸透する若き“サムライ”
 なぜ聖地を目指すのか」 
を取り上げます。


第2回は、
「COLUMN 日本企業が陥る『落とし穴』」
「PART2 ツワモノ駐在員、秘伝の戦略
 常識の真逆たれ」 
を取り上げます。


最終回は、
「PART3 門戸開く米国企業
 日本に期待すること」
「PART4 出張に今すぐ役立つ
 シリコンバレー攻略ガイド」
「EPILOGUE 摩擦を恐れず、破壊を是とする」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 シリコンバレー 
 若き“サムライ” 
 落とし穴 
 秘伝の戦略 
 破壊を是 



今特集では、若き“サムライ”の奮闘と活躍を
ご紹介したいと思います。


シリコンバレーに単独で乗り込み、一定の評価
を受けた人たちです。


なかなかやるな、と感じました。





では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE 日本勢、進出ラッシュ 
 過去最高の熱気 

日本の若き“サムライ”がシリコンバレーに進出して
いるそうです。


時には、「徒手空拳」で乗り込むツワモノもいて、
頼もしさを感じます。失うものがない強みでしょう。


米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO
(最高経営責任者)は南アフリカ出身の経営者
です。米国で教育を受け、起業しました。
チャレンジャーです。


日本人も彼のような逞しさを身に着けつつあります。
次の一節は、そんなイーロン・マスク氏と安倍首相
が、米テスラ・モーターズの最新型電気自動車に
乗り、談笑している一コマです。


 米スタンフォード大学があるシリコンバレーの

 中核都市、パロアルト。ここに本社を構える

 電気自動車の米Tesla Motors(テスラモーターズ)

 に4月30日、安倍晋三首相が顔を見せた。

 イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が運転

 する最新型の電気自動車に同乗すると、こう言った。

 「日本も変化のスピードについていかなければ

 ならない」

 現役首相としては初となったシリコンバレー訪問。

 この数時間前、安倍首相はスタンフォード大学での

 スピーチで、ある発表をしたばかりだった。
 

  (P.024)


同乗した車の中で、安倍首相はイーロン・マスク氏と
どんな「密談」をしたのでしょうか?


米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)と、<br />談笑する安倍首相

米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)と、
談笑する安倍首相

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 P.024)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27



ある発表とはどのようなことだったのでしょうか?


 「素晴らしい技術を持ち、やる気に満ちあふれる

 日本の優秀な人材に、思い切ってシリコンバレー

 に飛び込んでもらおう。

 中堅・中小企業に、シリコンバレーの荒波にこぎ

 出してもらおう。

 私はそんな思いで、新たに『シリコンバレーと日本

 の架け橋プロジェクト』を立ち上げたいと思います」
 

  (P.024)


安倍首相の試みが成功するかしないかは、時の運
ですが、若者たちが挑戦する機会を与えることは
大切です。


日本勢のシリコンバレー進出が加速

日本勢のシリコンバレー進出が加速

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 P.025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27






 PART1 浸透する若き“サムライ” 
 なぜ聖地を目指すのか 

PART1では、若き“サムライ”の奮闘ぶりを
ご紹介していきます。


彼らが先人とするなら、後輩たちもシリコン
バレーへ進出しやすいでしょう。


 AnyPerk 福山 太郎 氏の場合 


 4月末からの訪米でスタンフォード大学でスピーチ

 をした翌朝、安倍首相はサンフランシスコ市内の

 ホテルで朝食会を開き、シリコンバレーで挑戦

 する日本人と懇談した。

 ここに呼ばれた1人、福山太郎氏(27歳)は、

 シリコンバレーで最も名の知られる「日本人の起業家」。

 新興企業向けに福利厚生のアウトソーシングサービス

 を提供する米AnyPerk(エニーパーク)の創業者だ。


 彼は、シリコンバレーでは誰もが知る著名な起業家

 育成機関「Yコンビネーター」の卒業生。


 2005年にポール・グレアム氏らによって創設され、

 Dropbox(ドロップボックス)などの著名ベンチャーを

 輩出している。福山氏はこの門をくぐった唯一の

 日本人である。
 

  (P.026)



AnyPerk 福山 太郎 氏

AnyPerk 福山 太郎 氏

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 P.026)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27



エニーパークとはいったいどんな企業なのでしょうか?


 エニーパークは、社員1人当たり月額5~10ドル

 の料金で、携帯電話や映画、ケーブルテレビ、

 ショッピングセンターなどの割引を顧客企業の

 社員が受けられるサービスを提供している。
 

  (P.026)


福山氏がどのようにして「栄冠」を手にしたのか、
興味深いですね。


次のようなストーリーがあったのです。
度胸が座っていたのです。徒手空拳でシリコン
バレーに乗り込んだのです。


 2011年8月、米国人のパートナーと起業する

 ことを決意した福山氏は、身一つでシリコン

 バレーに渡る。資金も起業のきっかけも

 つかめず、困り果てていた時、著名人が集まる

 イベントの存在を知った。

 チケットは数万円したが、「通訳をやる」とタダで

 潜り込み、そこでYコンのグレアム氏と出会った。


 福山氏は隙を突いてグレアム氏に突撃。

 当時持ちあわせていたアイデアをぶつけると、

 「面白いヤツだ。面接に来い」。

 つたない英語で必死にプレゼンテーションし、

 育成対象に選ばれた。

 3カ月の育成期間中、グレアム氏に呼び出され

 言われたことを福山氏は今でも覚えている。

 「同期は65社いたんですけれど、尊敬する

 グレアム氏に『社長は英語が下手だし、アイデア

 もころころ変わる。君たちはこのクラスの中で

 一番いけてない』と言われて。あのときは泣き

 ましたね」。

 ではなぜ採用されたのか。後にグレアム氏に

 採用理由を聞くと、こう答えたという。

 「英語ができないのにわざわざ日本から来て、

 イベントで突撃して、ろくなビジネスもないのに

 ビザを申請中、という姿に熱意と覚悟を感じた。

 創業者が諦めない限り、基本的に会社はつぶ

 れない」。
 

  (P.027)

「熱意」と「覚悟」は起業とその後の経営において
きわめて大切な要因なのですね。


福山氏は日本のメディアの取材を受けないこと
にしているそうです。


今回、『日経ビジネス』の取材に応じた経緯が
書かれています。


 実は、福山氏は日本のメディアの取材を

 受けないことにしている。

 理由は「お客様が日本にいない以上、

 日本でメディア活動するのは最短距離

 ではない」から。

 本誌も最初は断られたが、特例で応じて

 くれた。他方、米メディアには頻繁に登場

 するようになった。
 

  (P.027)


エニーパークの投資家からの評価はどうなの
でしょうか? とても気になるところですね。


 投資家からの評価も高い。今年2月には

 850万ドルの資金を調達。得た投資額は

 累計で1300万ドルになった。

 福利厚生で世界一になる。その目標に向け

 ひた走る福山氏は、こう語る。

 「高校生の時にイチロー選手の背中を見て、

 海外で挑戦するというテーマにつながった。

 僕も若い人にそういうメッセージを伝えられ

 たらうれしい」。
 

  (P.027)

福山氏は「僕も若い人にそういうメッセージを伝えられ
たらうれしい」と語っていますが、福山氏は27歳で十分
に若いです。





 ChatWork 山本 敏行 氏の場合 

「勇猛果敢に新境地を開拓する“サムライ”」の一人を
ご紹介しましょう。


 シリコンバレーにおける日本人の活躍の幅は

 広がった。勇猛果敢に新境地を開拓する

 “サムライ”が増えており、その存在感は確実に

 高まっている。

 ChatWork(チャットワーク)の創業者、

 山本敏行氏(36歳)もその一人。

 彼もまた安倍首相との朝食会に参加しており、

 福山氏とは違ったスタイルで覚悟を見せている。


 山本氏が起業したのは、大学在学中の2000年。

 中小企業向けにウェブサイトのアクセスや売り

 上げ向上などの支援を手掛け、10年で顧客

 企業を1000社まで増やした。しかし2012年、

 軌道に乗っていたこの事業を無償で譲渡。

 チャットワークと名付けた業務用コミュニケー

 ションツールの開発に集中し、社名も変えて

 再出発した。
 

  (PP.027-028)



ChatWork 山本 敏行 氏

ChatWork 山本 敏行 氏

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 P.027)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27



チャットワークとは何なのでしょうか?


 チャットワークは、複数人が参加できる

 グループチャットに、テレビ会議、ファイル

 共有やタスク管理機能も備えている。

 これさえあれば日々の電話・電子メール・

 リアルの会議を大幅に減らせる、という

 のがうたい文句だ。
 

  (P.028)


つまり、ツールですね。
業績はどうでしょうか?


 進出から3年。導入企業は世界183カ国、

 7万3000社まで増えた。

 ただし、その9割が日本などアジア。

 山本氏は率直に言う。

 「正直、最初の1~2年は何もかもが違い

 すぎて苦しんだ。資金も限りがあり、採用も

 できなかった」。

 半面、学びも多かった。「ここに身を置くと、

 周囲のみんなが強いので日本にいるより

 危機感を感じられる。その分、サービスを

 磨くことができる」。

 山本氏は今年を「グローバル元年」と位置付け、

 世界展開を本格化させている。

 4月にはベンチャーキャピタルから3億円を調達し、

 エンジニアを4倍の80人に向けて増強。

 欧米の企業文化を意識した新版の開発を急ぐ。
 

  (P.028)





 WiL 伊佐山 元 氏の場合 

もう一人は、ベンチャーキャピタルの創業者を
ご紹介しましょう。


 ソニー、日産自動車、全日空、博報堂DYグループ、

 JVCケンウッド、みずほ銀行、大和証券グループ本社、

 セブン銀行…。

 安倍首相の訪米と同時期、そうそうたる顔ぶれの

 大企業の中堅社員21人が1週間の日程で訪米した。

 命題は「シリコンバレーのイノベーションの仕組みを

 少しでも理解する」。

 チームに分かれてシリコンバレーの企業を訪問、

 ビジネスアイデアを出すなどのワークショップにも臨んだ。


 ありがちな企業の“観光”出張かと思いきや、

 そうではない。21人を呼び寄せた伊佐山元氏(42歳)

 は言う。

 「まずは、大企業の本社にいる中堅社員の“洗脳”を

 しているんです。事実、皆さん、来た時と帰る時では、

 表情がまるで変わっていた」
 

  (P.029)



WiL 伊佐山 元 氏

WiL 伊佐山 元 氏

(『日経ビジネス』 2015.07.27号 P.029)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27



WiLとは?


 伊佐山氏は2013年に設立されたベンチャーキャピタル、

 WiL(東京都港区)の共同創業者でCEO。

 21人はここに合計3億ドル(約360億円)のファンド資金

 を拠出した出資企業の社員だ。

 伊佐山氏は単なる投資目的でWiLを立ち上げたわけ

 ではない。狙いは「大企業の体質改善」と言う。

 「大企業の既存の枠組みでイノベーションが生まれ

 ないのなら、人と資金を外に出し、自由な環境で挑戦

 すればいい。シリコンバレーの拠点とファンドは、

 そのための都合のよい道具でしかない」。
 

  (P.029)


ここで、ベンチャーキャピタルとエンジェルの違いを
ご説明しましょう。


ベンチャーキャピタルは、企業から資金を得て投資
しますが、エンジェルは投資家の自己資金を使って
投資します。一般的に言えば、投資額はベンチャー
キャピタルの方が大きいということになります。


シリコンバレー進出が加速していますが、次の言葉
は良いアドバイスです。


 「経営者が関与せずして、大企業でイノベーション

 が起こるはずがない。シリコンバレーに人を送れば

 革新的なことが起こる、というのは幻想。

 過去の多くのシリコンバレー進出の失敗がそれを

 物語っている」(昨年5月からWiLのシリコンバレー

 拠点に出向している全日空の大隅雄策氏)
 

  (P.029)






ポイント

日本国内の一部の顧客だけを対象とする
起業家と、世界を視野に入れている起業家
との格差


日本でも起業家が増加しています。
ただし、日本国内の一部の顧客だけを対象と
する事業を行なっています。
グローバルビジネスは考慮していません。


一方、シリコンバレーに進出する起業家は、
当初から、グローバルに事業を展開することを
考えています。


その差は限りなく大きいですね。






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 シリコンバレー 
 若き“サムライ” 
 落とし穴 
 秘伝の戦略 
 破壊を是 





次回は、
「COLUMN 日本企業が陥る『落とし穴』」
「PART2 ツワモノ駐在員、秘伝の戦略
 常識の真逆たれ」
をお伝えします。


ご期待下さい!







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本当に役に立つビジネス書
現場主義でブランド再生
2015.07.27

魚谷 雅彦(うおたに・まさひこ) 氏

[資生堂社長]





 僕が社員に一番強調したのは、何のために資生堂

 が存在するのかを皆で考えようということです。

 お客様視点とか、現場基点とか、言うのは簡単ですが、

 それをどう実践するか。

 単に化粧品を提供するだけじゃなく、究極的に言うと、

 お客様がきれいになって幸せになってもらうことだと。

 そのために我々の商品やサービスを使ってもらう。

 それは、業態や販路が変わっても普遍的なものです。


 銀座の資生堂ビルでメーキャップ法などをお教えする

 サービスがあります。僕も妻に1回行ってみたらと

 言ったんです。

 そしたら先日、妻から「今日は何時に帰るの」とメール

 が来たんですよ。

 最初は何かと思ったんですが、そうか今日行ったのか、

 と。

 その日は急いで帰ったら、妻の目がぱちっとしている

 わけです、やっぱり。何か常識が変わるような化粧法

 をプロの人に教わったらしい。僕もそこは勇気を出して

 言いましたよ、「きれいじゃん」と(笑)。


 経営層には役割と責任がもちろんあるんですが、

 やっぱり現場感覚を経営者自身が持つこと。

 その行動を見ている社員に、自分たちはもっと頑張らな

 きゃと思ってもらうことが大事です。

 経営陣も社員もお互い刺激し合わなきゃいけないと思う

 んです。


 研究員が持てる知識や意欲で世の中にないものを作っ

 てみようと、こういう感じがだいぶ出てきたと実感して

 います。

 これをもっと発展させるため、横浜に新しい研究所として

 「グローバルイノベーションセンター」をつくることを決め

 ました。


 マーケティングや革新のための投資がこの数年間細って

 いたのも事実で、ここは量をしっかり投じていく。

 向こう3年間、広告宣伝、プロモーション、ネット系も含め

 累計でマーケティング費用を1000億円以上増やします。


 僕はよく言うんです。新たな設備投資に100億円を使うと

 なったら、会社の中でものすごく議論を重ねますよね。

 一方、広告に毎年100億円使っている会社はいっぱい

 ある。だったら、経営層がマーケティングにもっとちゃんと

 関わるべきと考えます。

 あとはお客様があってこそ。お客様が商品を買ってくれる

 ことで、原材料費や広告宣伝費、そして社員や株主に分配

 するお金になる。こうしたサイクルがきちんと回っているから

 こそ会社が継続的に成り立ちます。そこに研究開発や生産、

 営業がすべて集中する。

 そういう感覚を強く持てるかどうかです。


 資生堂の今日があるのは、長い歴史の中でチェーンストア

 制度という圧倒的な成功体験があるおかげです。

 ただし、最近ではドラッグストアやeコマース(電子商取引)

 など販路が多様化して、化粧品専門店の販売構成比が

 下がってきているのは事実です。

 でも、そうした厳しい状況の中でも、若い経営者が経営学や

 マーケティングを勉強して、生き残りを模索する専門店もある。

 消費者の購買行動がますます多様となる中で、化粧品も自分

 自身に合うものとか、自分の価値観に合うものが求められる

 ようになっています。そうしたニーズに応えていく上で、専門店

 の存在は重要です。
 

  (PP.068-071)




資生堂社長 魚谷 雅彦 氏

資生堂社長 魚谷 雅彦 氏
(『日経ビジネス』 2015.07.27 号 P.069)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27






資生堂は国内では圧倒的な強さを見せるが、
海外での存在感が薄いと言われたことがあります。


ですが、今では海外でも高く評価されるようになって
きました。


日本では肌の美しさを強調する化粧品が評価され
ますが、海外では目の周辺に印象的なイメージを
与えることがポイントになるようです。


その点が、日本の化粧品メーカーが海外でなかなか
認められなかった理由のようです。


私は化粧品については詳しくありませんので、
これ以上のコメントはできません(苦笑)。





キーセンテンス


キーセンテンスは、

 やっぱり現場感覚を経営者自身が持つこと 
です。


経営者はとかく現場から遠い存在になりがちです。


部下からの情報を得て、現場が分かったつもりに
なっているケースがよくあります。


階層が多ければ多いほど、情報がスクリーニングされ、
1次情報と大きく食い違うケースが出てきます。


経営者が現場に足を運び、1次情報を掴んでおけば、
スクリーニングされた情報との違いに気づくはずです。






私見



化粧品に限らないかもしれませんが、マーケティングと
広告に力を入れることは不可欠なことでしょう。


また、口コミは効果絶大で、ヘビーユーザーに、プラスの
情報を流してもらえれば、企業が行うマーケティングや
広告戦略との相乗効果が見込めるでしょう。


今後、資生堂は日本のブランドだけでなく、世界のブランド
にするための戦略が実行されていくことでしょう。


いずれ、資生堂が日本ではなく、世界のブランドと認知
される時代がやってくる、と推測しています。







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本当に役に立つビジネス書
創業者を解任したが
創業の精神は引き継いだ
自分は去り次世代に任せる


西本 甲介(にしもと・こうすけ)氏
[メイテック前会長]





今週の言葉


 この6月で、メイテックを離れました。

 1999年に41歳で社長に就任してから16年。

 経営者として悔いはないものの、会社のこと

 は気になります。

 ただ、席を残したままではつい口を出してしまう。

 それでは会社の将来にとってよくありません。

 経営者は時に、過去の積み重ねや成功体験を

 断ち切るような決断を下す必要があります。

 その際、前の経営者が社内に残っていては

 やりにくいでしょう。

 次の世代を信じて経営を任せる。そのためにも、

 きれいさっぱり身を引こうと考えていました。


 経営の自由度がいかに重要かは、私自身が

 経験したことでもあります。

 96年、創業者である関口房朗・元社長を解任

 せざるを得ないという出来事がありましたが、

 結果としてそれが過去のしがらみを断ち切ること

 となりました。

 私が思い切った構造改革に踏み切れたのも

 そのためです。


 人材ビジネスの基本は、企業と人材の双方に

 とって最適な組み合わせを提供することです。

 それでも、お金を払っていただく企業の方を向き

 がちになります。かつてのメイテックもそうでした。

 私はそれを改め、経営の軸をエンジニアの成長

 に置こうと決めました。

 まず着手したのが、営業部門が握っていた企業

 からの受注情報をエンジニアに公開したことです。


 エンジニアの報酬体系を年功序列的なものから

 市場価値に連動するものに改め、研修制度なども

 整備しました。


 原点にあったのは、バブル経済の崩壊後、当時の

 社員数の約半数に当たる約3000人のエンジニアに

 やむなく会社を辞めてもらったという過去です。

 人材会社にとって最大の資産である社員を守れ

 なかったのです。


 振り返れば、プロのエンジニア集団を作り、世に広め

 ようとしたのは創業者の関口さんでした。

 私は創業者を解任しましたが、創業の精神はしっかり

 引き継いだつもりです。私があっさりと会社を去るのも、

 自由度の高い経営によって創業の精神を守り続けて

 ほしいとの思いがあるからです。


                     (2015.07.27 号から)

 




メイテック前会長  西本 甲介 氏

メイテック前会長  西本 甲介 氏

「日経ビジネス」 2015.07.27 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27






キーセンテンス

キーセンテンスは、
 創業の精神はしっかり引き継いだ 
です。



「プロのエンジニア集団を作り、世に広めようとした」
ことが創業の精神です。


創業者はその点で間違っていませんでしたが、
本業以外のことに力を入れすぎたために、
解任されました。


創業者の関口房朗氏は馬主として有名です。
個人として馬主であることが問題なのではなく、
経営者として本業から逸脱した行為が問題と
なったのです。




ポイント

ポイントは、
 次の世代を信じて経営を任せる 
です。



経営者の最後の大きな仕事は、後継者選びである
ことは、言うまでもありません。


その際、前任者がいつまでも残っていては、後任の
経営者はやりにくくなります。


前任者は潔く去ることが大切ですが、それがなかなか
できないのが人情です。


それでも、キッパリとしがらみを断ち切る覚悟が、
前任者には求められます。







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本当に役に立つビジネス書
『「リーダーの条件」が変わった』
「危機の時代」を乗り越える新しい統率力
小学館101新書 2011年9月25日 初版第1刷発行



<目次>
はじめに 能力なきリーダーしかいない日本の不幸

第1章(現状認識)
 東日本大震災でわかった「危機に克つリーダー」の条件
  [スピード]
  1週間でできない「緊急対策」は、1年かけてもできない
  [危機管理力]
  組織のイメージを最小限にする工夫と判断が必要だ
  [行動力と交渉力]
  次世代の国家リーダーに求められる「3つの条件」

第2章(対策)
 組織を元気にするリーダーシップの育て方
  [ビジョナリー・リーダー]
  世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている
  [中間管理職“再生術”]
  組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ
  [新・人材教育カリキュラム]
  リーダーシップは“天与”のものではない


第3章(比較研究)
 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
  [イギリス・キャメロン首相①]
  弱冠43歳にしてトップに立ったリーダーはどこが凄いのか?
  [イギリス・キャメロン首相②]
  「グレート・ソサエティ」構想で活かすべき「民の力」
  [ロシア・メドベージェフ大統領]
  「結果を出す指導者」の驚くべき決断力と行動力
  [日本vs中国リーダー比較]
  国民の差ではなくリーダーの差が国家の関係を規定する

第4章(提言)
 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
  【震災復興】
  「緊急度の掌握」ができなければ非常時のリーダー失格だ
  【電力インフラの再構築】
  原発と送電網は国有化、電力会社は分割して市場開放せよ
  【食料価格の高騰】
世界の農地に日本の農業技術・ノウハウを売り込め
  【水資源争奪戦】
  水道事業を民営化して「水メジャー」並の競争力をつけよ
  【エコカー開発競争】
  劇的な低価格を実現し、世界市場で優位に立つ「新EV革命」
  【財政危機】
  所得税・法人税ゼロの「日本タックスヘイブン化」で経済は蘇る

おわりに 「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる  
   
 
[新・人材教育カリキュラム]
リーダーシップは“天与”のものではない





 「人材不足」の最大の原因は、日本の教育が

 「リーダー育成」を目的にしていないことにある。

 (中略)

 一方、欧米の場合は子供の時からリーダーシップ

 教育に力を入れている。

 たとえば、アメリカではサマーキャンプで異なる

 学年の子供たちを集め、上級生に下級生を引率

 させる。

 (中略))

 蛇が出たり蜂が襲来したりするかもしれない自然

 の中で安全に行動できるように指導する、という

 ような役割を務め、その中でリーダーとして必要

 なことを学ぶのだ。


                
(今日の名言 19  通算 538 )



 


 リーダーシップとは具体的にはどのような資質

 なのか?

 構成要素は複数あるが、最も重要なのは

 「ビジョン」である。

 これは「方向づけ」の能力と言い換えてもよい。


                
(今日の名言 20  通算 539 )





 次に重要なのは「コミュニケーション能力」だ。

 とくに有事の際は、これが極めて大事になる。

 政治家にコミュニケーション能力がないと、

 福島第一原発の事故対応のように、いたずらに

 国民の不安をかき立てるため風評被害だけが

 拡大し、政策は遅々として進まない。

 しかも、同時に世界からは恐怖と侮蔑を招いて

 しまう。


                
(今日の名言 21  通算 540 )




 
東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)
事故から2年3カ月経ちました。


未だに「危険な」状態から脱却できず、
高濃度の放射性物質が検出され続けています。


吉田昌郎 福島第一原発前所長が、先頃亡くなり
ました。食道ガンでした。享年58歳、早すぎる死
でした。


福島第一原発事故当時の実情をつぶさに把握して
いた吉田前所長が亡くなったことで、今後の実態
解明において、障害となる恐れがあります。


現場の指揮官として、上司に厳しい要求をする
一方で、部下をかばう姿勢は真のリーダーで
あった、と思われます。


確かに、一部報道に、吉田前所長が事故以前に
「津波の高さは想定する必要はない」といった
発言を取り上げていたことがあります。
事実のようです。


しかし、吉田前所長一人を責めることはできない
でしょう。


国も東電も、地震と津波に対する対策を講じて
きていなかったのですから。





以上の記事は、2013年7月13日のものです。


2年以上前に投稿した記事ですが、東電福島第一
原子力発電所事故当時から、大きく前進した
という現実には至っていません。


これから何年かかるのでしょうか?
人体への影響がなくなるまでに、数十年、
数百年、それ以上の時間が必要となる、と推測
されます。


原発事故は怖ろしい、というのが実感です。


 


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本当に役に立つビジネス書
『「リーダーの条件」が変わった』
「危機の時代」を乗り越える新しい統率力
小学館101新書 2011年9月25日 初版第1刷発行





<目次>
はじめに 能力なきリーダーしかいない日本の不幸

第1章(現状認識)
 東日本大震災でわかった「危機に克つリーダー」の条件
  [スピード]
  1週間でできない「緊急対策」は、1年かけてもできない
  [危機管理力]
  組織のイメージを最小限にする工夫と判断が必要だ
  [行動力と交渉力]
  次世代の国家リーダーに求められる「3つの条件」

第2章(対策)
 組織を元気にするリーダーシップの育て方
  [ビジョナリー・リーダー]
  世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている
  [中間管理職“再生術”]
  組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ

  [新・人材教育カリキュラム]
  リーダーシップは“天与”のものではない

第3章(比較研究)
 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
  [イギリス・キャメロン首相①]
  弱冠43歳にしてトップに立ったリーダーはどこが凄いのか?
  [イギリス・キャメロン首相②]
  「グレート・ソサエティ」構想で活かすべき「民の力」
  [ロシア・メドベージェフ大統領]
  「結果を出す指導者」の驚くべき決断力と行動力
  [日本vs中国リーダー比較]
  国民の差ではなくリーダーの差が国家の関係を規定する

第4章(提言)
 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
  【震災復興】
  「緊急度の掌握」ができなければ非常時のリーダー失格だ
  【電力インフラの再構築】
  原発と送電網は国有化、電力会社は分割して市場開放せよ
  【食料価格の高騰】
世界の農地に日本の農業技術・ノウハウを売り込め
  【水資源争奪戦】
  水道事業を民営化して「水メジャー」並の競争力をつけよ
  【エコカー開発競争】
  劇的な低価格を実現し、世界市場で優位に立つ「新EV革命」
  【財政危機】
  所得税・法人税ゼロの「日本タックスヘイブン化」で経済は蘇る

おわりに 「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる  
   
 
[中間管理職“再生術”]
組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ





 同じ中間管理職でも「最前線のリーダー」と

 「組織を動かすリーダー」では、必要な資質

 が全く違うのである。

 指で数えられるくらいの部下を率いる最前線

 のリーダーは「率先垂範」でないといけない。

 まず自分が行動して成果を上げることで部下

 を鼓舞し、個々の実力をフルに引き出して

 いくのである。

 部下と喜怒哀楽を共にする、体育会系の

 プレイングマネージャースタイルだ。

 しかし、数十人、数百人の複数部門を束ねて

 組織を動かすリーダーになったら、そのやり方

 は通用しない。

 いちいち自分がお客さんの所に足を運んだり、

 部下を一人一人個別に指導したりするのは

 物理的に不可能、というレベルの問題ではなく、

 果たすべき役割そのものが異なるのだ。


                
(今日の名言 16  通算 535 )



 


 大組織を動かす時は、システムを通じてやる

 しかない。つまり、組織を動かすリーダーに

 求められるのは、現場を統計データで掌握し、

 放っておいても部下たちが一糸乱れずに働く

 システムを構築する能力だ。

 その「力量」次第で組織は一変する。


                
(今日の名言 17  通算 536 )





 会社を横切る問題、すなわちクロス・

 ファンクショナル(機能横断的)な問題を

 解決するのは各部門のトップの仕事であって、

 中間管理職レベルの仕事ではない。

 企業トップの社長や会長にリーダーシップ

 があれば、部門間に軋轢が生じて横の風通し

 が悪くなることもない。

 横の風通しが悪いのは、そもそもCEOの責任

 なのである。


                
(今日の名言 18  通算 537 )




 
戦略を考えるリーダーと戦術を実行する
リーダーの役割の違い、とも考えられます。


大前さんが言及しているクロス・ファンク
ショナル(機能横断的)に関する記事を
見つけましたので、ご紹介しましょう。

  
倒産の危機に瀕していた日産自動車を再生
させたカルロス・ゴーン会長兼CEO(最高
経営責任者)は、日経ビジネスの「経営教室
第1回 危機に輝くリーダー リーダー
シップは4度変わる」(2013.5.13)で、
再生のキーワードの一つである、
クロスファンクショナルチームについて
次のように語っています。


とても分かりやすい内容ですので、少々長く
なりますが、お付き合いください。




 『縦割りになって情報が分断された状態では、

 以下のような問題が起きます。

 生産能力が過剰と分かっていても、どれ

 くらい削減したらいいのか分からない。

 サプライヤーとの関係が非効率だと分かって

 いるが、より良い購買コストをどのように

 追求すればよいか分からない-----。

 全体の情報がないので「程度」が分からない

 わけです。
 
 そこで、「クロスファンクショナルチーム

 (CFT)」を発足しました。
 
 各部門から人を集めて協力させる仕組みで、

 派閥主義や縦割りをなくし、全体最適を

 追求するツールです。

 一部の人たちが理解していたことを、全体

 最適の観点からまとめることが狙いでした。

(中略)

 CFTは今も継続しています。

 企業が変化・成長する中で、多くの領域で

 ムダが発生する。

 それは、改善の好機です。CFTは次々に生じる

 ムダに対策を打つ、

 「ガーディアン(監視役)」として機能して

 います。常に最大限にパフォーマンスを上げる

 ことができているのはそのためです』






クロスファンクショナルチームの運用で重要な点は、
3つに集約できると思います。


1つ目は、概念を組織の末端にまで浸透させること。

2つ目は、全体最適を追求すること。

3つ目は、改善のため絶え間なく継続すること。


一部の人たちだけが理解するだけでは成功できない
と思います。



以上の記事は、2013年6月11日のものです。








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