日経ビジネスの特集記事(62) 「人財不足」解消計画 人事部こそリストラ(2) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(62)

「人財不足」解消計画
人事部こそリストラ

2014.06.23


今週の特集記事のテーマ

人事は経営の根幹。
役割を再構築するリストラが必要だ。
経営者と現場をつなぐ、
新たな人材マネジメントが
生まれている

というものです。



前回は、人事部を廃止したり、人事権を現場へ
委譲するケースをご紹介しました。


「現場ファーストの意識」を根付かせることに
重点を置いているからです。


さて、今回は社員が人事にどう思っているか、
本音を語ってもらいましょう。


世間や他社の社員から見れば、羨ましい待遇
を受けていると思われても、外部の評価とは
異なることがあり、待遇に不満を持つ人は
必ずいます。


PART3 社員が明かす人事への本音


日経ビジネスは9社の社員から本音を
聞き出しました。


9社とは、ファイザー、ジェーシービー、
ソフトバンクモバイル、日本オラクル、
スズキ、ソニー、三菱東京UFJ銀行、
森トラスト、そして日本生命保険です。


この中から4件ご紹介します。


 上司がリスクを気にするあまり、

 実行に移す決議に非常に時間が

 かかる。

 (ジェーシービー 在籍10~15年 女性
  システム本部)
 

  (P.032)



 1万人を超える会社とは思えない

 ほど人事部が弱いのも特徴。

 (スズキ 在籍5~10年 男性 営業)
 

  (P.033)



 最も権力が集中しているのは何と

 言っても人事部。

 (三菱東京UFJ銀行 在籍5~10年 男性
  営業)
 

  (P.033)



 社員の多くが人事に不満を持って

 おり、辞める人も基本的には人事

 への不満を理由に辞めていく。

 (森トラスト 在籍5~10年 男性 
  コーポレート部門)
 

  (P.033)


不満の解消にどのような手段が
考えられますか?

赤提灯で、上司や人事への不満を酒の肴
にして呑む?

スポーツクラブで汗を流す?

社内の実態を固有名詞や細部を変更して、
匿名でブログを投稿する?

ツイッターでつぶやく?


一時的な解消にはなるかもしれませんが、
かえってストレスを蓄積させるだけかも
しれません。


くれぐれも「うつ病」にならないように
してくださいね!


私には、「うつ病」を患い、自ら命を絶った、
親しい友人がいました。私のPCの師匠でも
ありました。


有能な人でしたが、会社側の不当な扱い
(情報システム部の責任者→窓際族)を受け、
心の病に苦しんだのです。


根本的な解決策はない、と開き直るしかない
と思います。


私の経験から言えることは、転職(転社)
しても、一向に解決しないことです。


どの会社でも、形は異なっても、不当な待遇
や労働条件を強いられ、不満が募りました。


うつ病にはなりませんでしたが、ストレスは
溜まりました。ガス抜きが必要でした。


ですが、根本的な解決とはなりませんでした。



PART4 現場を促す 改革の仕掛け人

大企業の場合、経営者と現場が密なコミュニ
ケーションを取ることは難しいかもしれません。


組織の階層が多ければ多いほど、トップと現場の
末端とは遠い存在となります。


人事システムにコストをかけている企業の中には、
全社員のプロフィールをデータベース化し、
異動や昇進させる対象をスクリーニングしています。


どのような人物か、仕事に直接関係する重要な
資格を保有しているか、勤続年数は何年かなどを、
一瞬で選び出すことができます。


ただし、それはその人物のごく一部を表現した
ものにすぎません。自己申告であろうと、直属の
上司の情報を追加したとしても、その人物の全て
を示したものではありません。


実際に面談してはじめて「人」と「なり」が
分かります。


そのような事例をご紹介しましょう。


Case1 アドビシステムズ 事業モデルの変革
随時の面談で機動力向上



 アドビは「チェック・イン」と呼ぶ全く

 新しい人事制度を世界40カ国の拠点

 すべてで導入することになる。

 従来の年に1度の業績評価プロセスを

 撤廃し、評価者と部下の間で随時、

 面談できる体制を整えた。
 

  (P.035)


現場から最も離れた本社が評価する従来の
仕組みから、現場主導への転換は、経営者層
がようやく現場の重要性に気づいたという
ことを意味しています。



Case2 日立グループ グローバル事業の強化
30万人を把握し、「人財」化


日立グループは、30万人の社員を擁する巨大
企業群です。


シナジー効果を発揮するためには、個別企業内
の社員の資質を把握することが不可欠です。


組織を構成する最小単位は「ヒト=個人」だから
です。そのために、日立グループは企業の境界を
超えて、「グローバル人財データベース」を構築
したそうです。



 ビジネスパートナーの育成と並行して進めて

 いるのが、国内外のグループ全社員を対象
 
 とした「グローバル人財データベース」の

 構築だ。
 

  (P.037)


日立グループが企業の境界を超え、国内外を問わず、
全社員のデータベースを構築することになった動機は、
「海外売上高比率が急速に高まっているのに比べ、
グローバルでの人材活用がそれに追いついていな
かったから」(P.037)です。


危機感の表れです。


PART5 現場の隅々まで経営意識を浸透
リーダーは未来へ種をまく


今特集も終わりが近づいてきました。


組織を構成する最小単位は、「ヒト=個人」とお話
しました。


しかし、烏合の衆では勝ち残っていくことはできません。
そこで必要になるのはリーダーです。


企業は、次世代リーダーの育成に多大な費用をかけて
います。


サステナビリティー(持続性)がキーワードだからです。


企業は、「ゴーイング・コンサーン」とも言われます。
1年や2年、大幅に利益を上げても、その後赤字続き
では、存続さえ危ぶまれます。


パナソニックグループにパナソニックエコソリューションズ
(ES)があります。


同社の吉岡民夫社長が語るリーダーとは?


 刻々と移り変わる環境下では、瞬時に判断し

 実行する力や、あらゆる角度からモノゴトを

 見る力が必要になってくる。人事部ではそんな

 能力を持つ経営者は育てられない。
 

  (P.040)



 経営リーダーの質が事業の質を決める。

 子会社の社長との経営報告会議では、

 終了時間を儲けない「エンドレス経営会議」

 を導入した。トップ自身の経営スキルも

 さらに高めていく必要があった。
 

  (P.041)



 研修も大事だけど、その後の宴会が実は

 大事。お酒を片手に、2次会まで胸襟を

 開いて侃々諤々に語り合う。これに

 尽きる。 
 

  (P.041)

本音で語り合うには、「ノミニケーション」が
不可欠ということでしょうか?


日経ビジネスは最後にこのようにまとめています。


 人事戦略の改革は一朝一夕にはいかない。

 だからこそ、先手を打つ企業はいち早く

 内なる人財に目を向け、改革を進めてきた。

 残された時間は少ない。人事部の役割を

 再定義し、トップ自らが先頭に立ち、

 人に関わる改革を推し進めなければ競争力

 を失う。

 人財こそが企業の未来を拓く。
 

  (P.041)


あなたの会社では、人事部はどのような存在ですか?


強すぎますか? 好き嫌いで処遇していますか?


「人財」「人材」「人在」「人罪」を使い分けて
いますか?





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