「自分のことを中流」と考える日本人が、
かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、今では上流と下流だけの二極に分化しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減
など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現状を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)
という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が
『ロウアーミドルの衝撃』です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像
を描けるようになりたいものです。
現在、行政が進めているIT化の最大の問題は、
全国の各地方自治体がコンピュータシステムを
別個に作っていることである。
どこの役所でもコンピュータによる能率化、
省力化、データベース化を進めていると言い、
それが住民サービスの向上につながるという。
だが実際には、住民票や印鑑証明、自動車運転
免許、パスポート、厚生年金、健康保険などの
手続きをしようと思ったら、それぞれ違う行政
機関や窓口に出向き、待たされ、名前や現住所、
本籍、生年月日など同じことを何度も繰り返し
書かなければならない。
こんな不都合を強いられるのは、コンピュータ
システムがバラバラに導入されているために
互換性がなく、コンピュータ同士の対話ができ
ないことが原因だ。
だからほとんどすべての自治体にコンピュータ
システムが導入されていながら、電子投票制度
さえ実現できないのである。
今日の名言 1 〈301〉
本来であれば国が全国共通のシステムを作り、
それを各自治体で利用できるようにすれば無駄
がない。
ところが現実には、コンピュータシステムなど
のIT関連業者が“サイバーゼネコン”と化し、
各自治体にバラバラにシステムを作らせて荒稼ぎ
しているのである。IT化=効率化という錯覚に
陥りがちだが、実態は無用な道路などを造る公共
工事と同じなのだ。
今日の名言 2 〈302)
サラリーマンなど大多数の国民は、組織票を
持たず、選挙で直接政治家に圧力をかけること
のないサイレント・マジョリティーであるため、
株主で言えば一般株主の扱いをされている。
かたや公務員や農業団体、漁業団体などの
第一次産業従事者、規制で守られている業界
団体などは、選挙になると組織票を武器に
政治家に圧力をかけるノイジー・マイノリ
ティーで、会社で言えば優先株主のような
存在としてさまざまな優遇措置を受けている
のだ。
その優遇措置の最たるものは、「身分が保障
されている」ことである。
今日の名言 3 〈303)
全国の自治体のコンピュータシステムが機能して
いないのは、
「コンピュータシステムを別個に作っていること」
がその原因ですが、それだけではなく、自治体内部に
システムが分かっていない人たちが多いことも原因
です。
さらに言えば、提供者側(自治体)の論理で、自分
たちが使いやすいシステムを設計し、利用者側(私たち)
の論理で設計されていないからです。
役所に共通する点としては、1人でできることを3人で
行う所内システムが存在し、人員削減を実施できない
仕組みもあるからです。
役所に行くといつもそう感じます。民間に任せれば、
もっと効率的で効果的なサービスが提供できるはず
なのに、といつも不満が残ります。
顧客(利用者)第一主義の視点が欠けているからです。
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